音楽鑑賞を趣味にする人にとって、スピーカーは必須アイテムだろう。種類によって出力や音質などは大きく異なる。スピーカーによって適した音域や曲が違うため、同じ曲でもスピーカー次第でまた別の趣が得られることもある。高価なものなので、正しい知識を身につけてから購入しよう。今回はスピーカーの種類に注目していく。
エンクロージャーの形状の種類と特徴について
スピーカーの部品をざっくりと分けると、エンクロージャーとユニットの二つとなっている。ユニットについては後述するので、まずはエンクロージャーについて注目していく。エンクロージャーとはその名の通り、取り囲むものを表す。エンクロージャーの働きは音の重厚感を出すことにある。スピーカーはユニットから音が発せられ、エンクロージャー内部で反響して重厚感のある音が作られる。エンクロージャーでは主に低音域の音が増幅される。
形状はブックシェルフ型、フロア型、トールボーイ型、埋め込み型に分かれている。ブックシェルフ型はその名の通り、本棚に収まるほどのサイズで、他の三種類に比べて再生音域は劣るものの、設置の自由度が高い。フロア型は大きなスピーカーで、床に置くことが想定されているものが多く、広い部屋での使用に向いている。
トールボーイ型も床に置くことが想定されていることが多いが、フロア型に比べて背が高い。ユニットの数が多いものが多く、再生音域もフロア型に比べて勝るものが多い。埋め込み型はその名の通り、壁や天井などに埋め込むように設置されたスピーカーを指す。
エンクロージャーの方式の種類について
エンクロージャーの方式の種類は大きく分けて二種類で、バスレフ型と密閉型という。バスレフ型は、エンクロージャーにバスレフポートと呼ばれる穴が空いており、それによって低音が増幅される。音の特徴として、伸びのある低音がある。密閉型はその名の通り、ユニットを密閉する形でエンクロージャーがついている。
バスレフ型に比べ、低音の伸びはないが、逆にタイトな低音でキレのある音を出す。再生音域はバスレフ型の方が広いため、それぞれの音を大切にするクラシックやジャズなど、しっとりとした曲に向いている。密閉型は音のキレが特徴のため、ロックやダンスミュージックなどに向いているといえる。
スピーカーユニットの種類と特徴について
エンクロージャーよりも重要な部品として、ユニットがある。ユニットの働きは、音楽データの信号を音に変換することである。エンクロージャーが主に低音域の調整に役立つのに対して、ユニットはそれ自身から音が出るので、種類によって音の差異が最もよく現れる。
ユニットの種類は主にコーン型、ドーム型、ホーン型、リボン型に分かれる。コーン型は円錐型の振動板を使った型で、一般的なスピーカーによく用いられている。ドーム型はその名の通りドーム型の振動板を使った型で、コーン型に比べて音の広がりに優れている。伸びのある音が特徴とされている。ホーン型は振動板から出る音を、ホーンを用いて増幅させる様式で、出力能率を高めてくれる。
最後に、リボン型は少し特殊で、磁界の中にリボンと呼ばれる金属を短冊状に置き、それらに電気信号を流すと振動し、音を出すという仕組みだ。リボン型最大の特徴として、超高域再生を得意とする。
スピーカーを買う時にこれらの知識をあらかじめ知っておくと、自分の音楽の趣味にぴったりのものを買うことができるようになる。また、最近ではスピーカーを自作することも流行っているので、この機会にスピーカーの仕組みを理解してほしい。
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