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習慣化コンサルタントが語る、ダメな自分を生み出す“悪い習慣”と断ち切り方とは:『「やめる」習慣』

樋口純平

2016/07/13(最終更新日:2016/07/13)


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習慣化コンサルタントが語る、ダメな自分を生み出す“悪い習慣”と断ち切り方とは:『「やめる」習慣』 1番目の画像
出典:hotpaknews.com
 最近、残業や会社の付き合いなど生活リズムを乱してはいないだろうか。生活リズムの乱れは、悪い習慣を生み出す「負の連鎖」だ。例えば、「食べ過ぎ」「夜更かし」などの悪い習慣は、多くの人が身に染みついてしまっている。しかし、悪い習慣とは、ダメだと分かっていても欲求不満になってしまい、なかなかやめられないものだ。

 私たちには、自分の欲求を満たす時間が必要だ。例えば、仕事が忙しく夕飯を食べる時間をとれなかったとしても、寝る前に満腹になるまで食欲を満たしてしまうことはないだろうか。時間と欲求のすれ違いから、こうした悪い習慣は生まれてしまう。では、一体どのようにすれば、悪い習慣をやめることができるのだろうか。

 そこで今回は、習慣化コンサルタント・古川 武士氏の『マンガでわかる「やめる」習慣』から、悪い習慣とは何か、一体どうしたらやめられるのか考えていきたいと思う。古川氏が語る、悪い習慣の判別・悪い習慣をやめるロードマップを身につけ、欲に負けない自分を目指そう。

「3種の悪い習慣を判別する」5つの質問とは

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出典:www.thechangeblog.com
 私たちはそもそも自分の何が悪い習慣か、自分で判別することが難しい。なぜなら、既に欲求を満たすことができているからだ。まず、悪い習慣をやめるためには、自分の習慣が悪いということを認識した上で、どうやめるか考える必要がある。そこで、本書が紹介する悪い習慣だと自己認識できる5つの質問をご紹介しよう。

悪い習慣を見つけ出す、自分へ問いかける5つの質問

悪い習慣だと自己認識する5つの質問

  • なぜその習慣をやめたいのですか?
  • その習慣を放置するとどのような問題がありますか?
  • その習慣をやめるとどんな副作用が出そうですか?
  • それでもあなたはその習慣をやめたいですか?
  • やめることで将来どのような効果がありますか?
 他人に指摘されて、悪い習慣をやめようとしても、自分で危機感を持てなければ、時間の無駄である。他人からデメリットの大きい悪い習慣だと指摘されても、自分にとって精神的支柱となっている習慣であれば、やめたくはないのだ。だからこそ、こうした5つの自問自答から、やめるべきかを判別する必要があるのだ。

やめる難易度が変わる、3種の悪い習慣とは

悪い習慣の3分類

  • 行動習慣(ネットサーフィン・ムダ遣い)
  • 身体習慣(夜更かし・食べ過ぎ・タバコ)
  • 思考習慣(イライラ・クヨクヨ)
 行動習慣は比較的弱い欲求から生まれる悪い習慣であるため、1ヵ月あれば克服することができる。しかし、三大欲求の一つである食欲から生まれる「食べ過ぎ」やニコチン依存による「タバコ」は、とりわけ欲求が強い。そのため、克服するのに3ヵ月はかかってしまう。さらに、厄介なのは思考習慣だ。思考習慣は欲求よりも強い精神的な影響が関わってくるため、6ヵ月ほどの時間をかけた抜本的な改革が必要となる。

悪い習慣を断ち切る、絶対3原則とは

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出典:www.netdoctor.co.uk
 悪い習慣をやめる際に、私たちは突然正しい習慣に切り替えようとしがちだ。全てを一気に良くしようと考えたり、あれこれ突然変えようとしたりすることは、実は遠回りなのだ。そこで、本書が紹介する「悪い習慣をやめる3原則」をご紹介しよう。

悪い習慣をやめる原則①:一度に一つの習慣に取り組む

 「塵も積もれば山となる」という言葉をまさに体現した原則だ。悪い習慣が身につくことが瞬間的なものではないのと同様に、悪い習慣をやめることも瞬間的にはできない。悪い習慣をやめることに繋がる小さな習慣を一つひとつ身につけていくことが、やがて大きな正しい習慣となるのだ。

悪い習慣をやめる原則②:センターピンとボトルネックを明確にする

 センターピンとは、習慣化させるきっかけである。例えば、早起きを習慣化させたい場合、きっかけとなるのは就寝時間であり、起床時間は結果である。つまり、センターピンが就寝時間となるのだ。そして、ボトルネックとは、センターピンに集中する際に障害となるものである。ボトルネックを避けて、センターピンに集中しなければ、習慣化は難しいのだ。

悪い習慣をやめる原則③:目標達成ではなくプロセスに集中する

 私たちは結果を出すことに固執しすぎて、モチベーションを維持することが難しくなってしまいがちだ。例えば、食餌制限をしているはずなのに、目標体重に近づかなければ、嫌になってしまうだろう。悪い習慣を正すためには、結果よりも継続過程が重要であるため、モチベーションの維持は必要不可欠である。つまり、結果重視の目標を設定するのではなく、継続重視の目標を設定するべきだ。

悪い習慣を正す、4段階ロードマップとは

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出典:www.huffingtonpost.com
 いざ実際に悪い習慣をやめるために、何か取り組もうと考えても、なかなか浮かばないときがある。とりあえず始めてみようと、適当に取り組んでも効果があまり出なかったりすることもある。そこで本書が紹介する、悪い身体習慣を克服する4段階のロードマップを見てみよう。

第1週~第3週:禁欲期

 悪い習慣をやめ始める時期は、シンプルに誘惑との闘いである。誘惑に負けない環境作りが必要となるため、普段の自分の無意識的な動きまでも可視化する必要がある。つまり、自分がどれだけ悪い習慣に対して、抗うことができているか記録するのだ。こうした自己コントロールをしている実感を持つことが、禁欲への第一歩なのだ。

第4週~第7週:無気力期

 無気力期は、禁欲意識が弱まり、モチベーションに左右されやすくなる。そのため、禁欲期に培った自己コントロールの記録から、自分が長期間続けられそうなパターンを導き出すことが効果的だ。さらに、そのパターンに例外ルールを添えることで、柔軟性のあるパターンを生むことができるだろう。こうした取り組みがモチベーション向上に繋がるのだ。

第8週~第10週:安定期

 安定期こそ、実は最大の山場である。悪い習慣から脱却したと思い込んでしまいがちだからだ。そのため、より精度の高い禁欲を自分に求めるべきである。これまでの7週間で、自分がどれほどの禁欲を達成することができているのか振り返ってみるといい。つまり、極力100%に近い禁欲を実現することにこだわり始めるべきなのだ。

第9週~第12週:倦怠期

 倦怠期とは、習慣の大敵となるマンネリ化と闘いが始まる時期だ。これまで一定のパターンを実践してきたと思うが、そういった単一的な取り組みはマンネリ化を生みやすい。つまり、変化と刺激が必要となるのだ。変化と刺激を生む方法は2通りある。一つは、パターンを変化させること。もう一つは、新しい習慣に転換することだ。倦怠期に突入するまで、ロードマップをこなしていけば、悪い習慣は正せているはずだ。


 私たちは生きていく上で、常に自分の欲求は満たさなければならない。しかし、精神的ストレスや自分を取り巻く環境によって、純粋な欲求は脅威となりうる。それが悪い習慣が生まれてしまう原因だ。悪い習慣をやめる方法だけでなく、私たちは悪い習慣が身につかないような生活をまず最初に心掛けたい。

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