ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「価値がどこなのかを見極める!?」〜vol.693〜』では、ホリエモンが作家と観客の新たな関わり方を語った。
今回取り上げたのは、「先日書評コーナーで『刻刻』をご紹介されていましたが、もっと続きがありそうなのに完結してしまった漫画は他にも多いと思います。AIが発達すれば、作者の嗜好を覚えて続きや番外編を書いてくれるでしょうか。それともAIが発達して人間は働かなくなり、暇な時間を利用して作者が続きでも書いてみようと思ってくれるようになる方が手っ取り早いですかね」という質問。
家入氏「AIが芸術を作るようになることで、逆に作者の存在自体が問い直されることになるはず」
ホリエモンは、「うーん、型が決まっているマンガならAIでも割と近いうちにできるようになるかも。星新一の小説やレンブラントの絵は再現できるわけだからね。ただ、型が決まっていないものはもう少し先かなぁ……」と回答。
テクノロジーの進歩によって、最近ではAIが芸術作品の作成まで手がけている。とはいえ、今のところ対応できそうなのはシンプルな型の作品のみで、クリエイターの特権性はしばらくは人間のものになりそうだ。
今回のゲストでクラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を運営する株式会社CAMPFIRE代表 家入一真氏は、AIにも芸術が制作可能になることで作者の存在がそもそも何なのかが問い直されることになるだろうと予言。星新一の小説が自動で作られるのなら、そんな作品を手がけていた星新一をどう位置づけるべきなのか。
あるいは、そうした流れの中で逆に人間としての作者に価値が見出される可能性もあるだろう。例えば、博報堂主催の「DINING OUT」では、有名クリエイターと交流できるイベントが大好評。決して安くない値段なのに、チケットが即完売することも珍しくないのだという。このように、作家の存在自体が曖昧になっていく一方で、作家と触れ合うイベントはかなりの価値を誇っているのだ。
ホリエモン「制作に参加することが、かなりの価値を持つようになった!」
家入氏と同じような変化を、ホリエモンはお笑いから絵本作家まで幅広く活躍するキングコング・西野亮廣氏と話して実感したという。西野氏が実践しているのは、参加型イベント。今まではアーティストやクリエイターだけのものだったステージを観客に体験させるようなイベントが、かなりの価値を持つようになってきているのだという。
これはアート活動に限らず、様々なジャンルでも応用できる。例えば、日本酒づくりなら、肉体労働ではあるが特別な技術をあまり必要としない種麹作りを一般人に体験させるイベントなどが考えられるだろう。
ホリエモンも家入氏も、AIの登場でクリエイターの価値が失われたとは考えていない。むしろ、「体験」が重視されるようになってきたのが最近の潮流だ。「アートと酒作りを結びつけるというより、むしろ酒作り自体がアートになるんじゃないかな」とアートの価値自体が変わってきたとホリエモンは考えている。
「制作に参加することや観客席からステージに移動すること、運営に関わること自体がかなりの魅力を持つようになっている」と総括するホリエモン。機械が芸術を作るようになったからといって、作り手の価値が失われるとは限らない。制作の場に関わることで作品の鑑賞に留まらない体験的な価値を提供する存在として、クリエイターの役割はより広がっていくのかもしれない。
ホリエモンがクラウドファンディングでクリエイターの新たなあり方を語った『堀江貴文のQ&A「価値がどこなのかを見極める!?」〜vol.693〜』。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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