社会とは、人間が集まっている集合体を指す。つまり、社会人とは人間組織の中に属する人間を指すのだ。組織の中で人間が生きていくためには、良い人間関係の構築が必要不可欠だ。そのため、現代の日本教育においては、他者との協調性がかなり重要視されている。しかし、教育の現場では人間関係の構築方法を抽象的に教えるだけで、上手く人間関係を構築することができない人もいる。
一度、人間関係の構築に苦手意識を持ってしまうと、なかなかどう改善していいか分からなくなってしまうものだ。しかし、ビジネスの場においては、人間関係が仕事を進める上でかなり重要な要素となる。ゼロからの人間関係構築・悪化した人間関係の改善など、人間関係に関連する悩みは尽きないものだろう。
そこで今回は、田坂 広志氏の『人間を磨く 人間関係が好転する「こころの技法」』から、良い人生を送れる人間関係を構築するために、7つの心の技法をご紹介しよう。今まで悩んでいた人間関係を改善することができるだろう。
“vs. 内なる自分” 自己の改善から始まる人間関係
出典:www.youtube.com 人間関係を改善するにあたって、まずは自分の心を改善すべきだろう。しかし、自分の心を改善することは容易ではない。「自分にしか分からない自分」と「他者にしか分からない自分」がいるため、2つの観点から自分の心を改善させなければならないからだ。そこで、本書が紹介する心の技法を3つご紹介しよう。
心の技法①:心の中で自分の非を見つめる
人間関係を改善する際、私たちは言葉に頼りがちだ。確かに、言葉は人の思いを相手に伝えるためにあるものだが、実際に言語で伝わる思いは2割程度だ。自分の非を認め、改善しようとする気持ちを持つことで、言葉以外の表情や仕草などから相手に思いを伝えることができる。
心の技法②:心の中の「小さなエゴ」を見つめる
自分の非を認める際に、大きな障害となりうるのが小さなエゴだ。しかし、大きなエゴは自己成長意欲の強さの表れであるため、そのエゴからは謙虚さを感じることができる。一方で、小さなエゴは「自分はこのままでいい!」という傲慢さを相手に伝えてしまうのだ。これでは、人間関係を改善することも、自分を改善することもできないのは明白だろう。
心の技法③:その相手を好きになろうと思う
私たちが人間関係で苦労する場面は、相手のことが嫌いな時である。相手が嫌いであると、人間関係を改善すらする気が起きなくなる。しかし、そもそも「嫌い」と思わなければいいのだ。嫌いになる要因は様々だが、その要因を相手の個性として認めることに努めるべきだ。そうすれば、自然と相手を嫌うことはなくなり人間関係は改善されるだろう。
“人間関係の本質” 対人意識を改善する重要性とは
by gullevek 自分を改善することができたなら、次は対人意識の改善が必要となる。どんなに自分を改善することができても、相手に思いを伝えることができなければ、必ずしも人間関係を改善できるとは限らない。そこで、本書が紹介する2つの心の技法をご紹介しよう。
心の技法④:自分から声をかけ、目を合わせる
人間関係が悪化した際、私たちは後味の悪さを感じることがある。後味の悪さを生む要因は、「自己嫌悪」と「他者不安」の2つである。この2つの要因から、人間関係を改善したくてもなかなか一歩前へ踏み出せなくなってしまう。しかし、自分から相手に声をかけることで、この後味の悪さを解消することに繋がるのだ。人間関係を改善したいならば、この勇気は必要だ。
心の技法⑤:別れても心の関係を絶たない
主に恋愛関係の破綻の際に多いことだが、人間関係を絶ってしまうことがよくある。しかし、人間関係を改善しようとしない人間になってしまえば、将来的に「人貧乏」になってしまうだろう。人間関係は、良いものにした方が今後の人生を豊かになるだろう。だからこそ、人間関係は改善できる余地は残すように意識すべきだ。
“思考する人間関係” 意識と言葉を改善する心の技法とは
出典:www.ox.ac.uk 自己改善・対人意識の改善の2つを心得たら、残るは「思考」である。私たちは無知であるがゆえに、人間関係を悪化させてしまうことがある。しかし、一度人間関係を改善させることを思考すれば、自分の一つひとつの行動を分析することができる。そこで、本書が紹介する2つの心の技法をご紹介しよう。
心の技法⑥:言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす
私たちは心の中で思っていることを隠しているつもりでも、実は行動に出てしまっていることがある。このことに気付くことができるのは、人間関係の改善を意識した者だけだ。相手のことが「嫌い」と思っていても、言葉に出してはならないのだ。言葉はやがて思いを増幅させる。だからこそ、人間関係を改善させるためには、言葉について思考する必要があるのだ。
心の技法⑦:その出会いの意味を深く考える
私たちは生きている間に多くの人と出会う。その一人ひとりとの出会いは決して無意味なものではない。良い出会いもあれば、悪い出会いもある。しかし、双方どちらも自分にとって意味のある出会いだと思うことができれば、人間関係を改善することができるようになる。人間関係の始まりである「出会い」の意味を考えることで、人間関係の改善も始まるのだ。
私たちはプライベートでもビジネスでも、多くの人間関係を持っている。その一つひとつの人間関係の中で、様々な問題が起きるだろう。面倒に思って、改善しようとしないまま生きていくこともできるかもしれない。しかし、人生をより豊かに過ごすにあたって、人間関係の改善はできるようにするべきだ。本書は、人との出会いの重要性を教えてくれた。私たちはこれからの出会いにも感謝をすべきなのだ。
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