「仕事を早く終わらせたい」という願いは、多くのビジネスマンが持つだろう。しかし、どんなにハイスピードで仕事を終わらせても、別の仕事が急に舞い込んでくることがある。ビジネスマンとして、仕事はどんなに時間をかけてでも、責任を持って最後まで果たさなければならない。こうして、今日も定時を過ぎても夜遅くまで、仕事に追われるビジネスマンが存在する。
「どうやったら仕事を早く終わらせられるのか」という問いに対する答えは、至ってシンプルだ。早く終わらせる習慣を身につければいいのである。仕事のスピードを上げるスキルや心構えなどを紹介するビジネス書も多くあるが、結局、習慣として身につかなければ意味がない。では、どのような習慣を身につけたらいいのだろうか。
そこで今回は、日本IBMシニア・プロジェクト・マネージャーの木部 智之氏が著した『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』から、外資系の8割も知らない5つの習慣をご紹介しよう。5つの習慣を身につけることで、仕事のスピードは上がり、自分の時間を作ることができるようになるだろう。
“急がば回れ” スピードを上げる、体当たり仕事術
出典:www.ignitionsearch.co.uk 多くのビジネスマンが陥りやすい状態が、「何事も効率化しよう」という意識になってしまうことだ。仕事をハイスピードで進めるためのコツは、仕事のどの部分を効率化できるかを知ることだ。本書にもあるように、もう二度と取り組むことのない単発の仕事を効率化することなど、考えるだけ時間の無駄なのだ。
本書では、一つの仕事への取り組みが3回目を超えた時点から、効率化を考えるべきだと記されている。つまり、最初の2回は体当たりで仕事に取り組むべきだというのだ。一度経験した上で効率化を考えることは有効であるが、どんな仕事かも分からないままスピードを意識することは愚行とも言えるだろう。
これらから、仕事のスピードを上げるための第一の習慣は、「3回目以降から効率化を考える」ということとなる。無駄な時間は、「非効率的な仕事をする時間」だけでなく「効率的な方法を思考する時間」も含まれているのだ。再度、仕事に取り組む上で意識すべきことをまとめておこう。
時間を無駄にしない、仕事への取り組み方
- 1回目は、体当たりでなるべく速く仕事に取り組む
- 2回目は、様子を見つつ、1回目と同様に仕事に取り組む
- 3回目以降、仕事の効率化を試行錯誤し、スピードを上げていく
“外資系の8割が知らない” スピードを上げる、PC術
出典:www.technewsworld.com 仕事をハイスピードで進めるのに欠かせない存在となったパソコンを日常的に使っている私たちは、パソコンを使いこなした気になっていないだろうか。日常的にショートカットキーを使用しているビジネスマンはそう多くはないだろう。また、特にExcelのショートカットキーの使い方をご存じだろうか。パソコン自体の性能に大差はないが、使用者の使い方によって、スピードに大きな差が出るのもまた事実なのだ。
「マウスを使うな」 スピードを上げる先行投資とは
マウスは一見すると、パソコンでの仕事のスピードを速くしているように思えるが、実際はショートカットキーの方が速いのだ。確かに、文章をタイピングしてはマウスを握るという動作は時間を無駄にしている。一方で、ショートカットキーさえ覚えていれば、キーボードから手を離す必要性がなくなるのだ。本書でも、6つのショートカットキーを紹介している。
「一流ビジネスマンの時間短縮」 6つのショートカットキー
- デスクトップを表示するときは「Win+D」
- 離席するときは「Win+L」でパソコンをロックする
- アプリケーション・ソフトの切り替え「Alt+Tab/Win+Tab」、終了「Alt+F4」
- キャンセルは何でも「Esc」キーで
- 「Alt+十字」でブラウザの前後ページを表示
- 「Home」、「End」キーでブラウザ表示のページの先頭と最後へ移動
「外資系の8割でも知らない」 秘密のExcel技とは
部署の予算会計や表作成など、多くの場面で用いられるExcelの扱いに慣れていなければ、最初はかなりの時間を費やしてしまうだろう。さらに、Excelは同じような動作を繰り返す場面も多く、いちいち操作するのが面倒になってしまいがちだ。そんな状態に陥らないように、本書で紹介されているExcel技を5つご紹介しよう。
「同じ動作もワンタッチ」 5つのExcelスピード技
- セルの書式設定は 「Ctrl+1」で出す
- 「F4」で同じ動作を繰り返す
-
「Ctrl+十字」キーでデータの切れ目まで飛ばす
- 「F2」でセルを編集モードに
- 「F9」を押せば再計算してくれる
「ありがちな時間の無駄」を無くす、メールの活用法とは
出典:marketingcubix.com 「持ち帰ります」という言葉をミーティングなどの場で聞くことがないだろうか。この言葉1つで、要件の報告と確認という2つの時間がかかってしまう。また、社内の仲間からメールが返って来ず、意思決定スピードが著しく下がってしまうことはないだろうか。このようなありがちな時間の無駄が、ビジネスの場では多くある。本書では、そんなありがちな時間の無駄を無くす習慣を紹介している。
「脱持ち帰り」 意思決定に時間をかけないメール活用とは
大概、「持ち帰ります」という言葉が出る場合は、聞かれた側の専門分野外の質問があった時である。この質問をミーティングの場で、仲間にメールして確認することができれば、1回のミーティングの密度がより濃いものになる。その場で解決できることはその場で解決することこそが、スピード仕事術の基本である。
意思決定スピードを上げる 「24時間ルールとは」
同じ部署の仲間でも、それぞれで仕事をしているため、メールの返事が欲しいタイミングよりも遅れてしまうことが多くある。これでは、迅速な意思決定をすることができず、無駄な時間を作ってしまいかねない。そこで、必ず24時間以内にメールを返信しなければならないという「24時間ルール」を共有するべきである。
仕事のスピードを上げるためには、一筋縄ではいかない。まず、自分の意識を改めることから始め、自身のスキルを磨き、最後に仲間との連携をスピード感のあるものにしなければならない。これら一つひとつを時間をかけて、習慣として身につけることで、後々の時間短縮に大きく貢献するだろう。
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