せっかく素敵なスーツを持っていても、上手く着こなせていなれば魅力は半減……。スーツのタイプや形状に合わせて、正しいボタンの留め方や着こなしを知っておきましょう。
本記事では、スーツのボタンの留め方について徹底解説。シングルス―ツ・ダブルスーツ・ベスト付きスーツなど、迷ってしまうスーツ別の着こなしを学んでおきましょう。
- シングルス―ツ、ダブルスーツのボタンルール
- 着席時のスーツのボタンの留め方
- 女性用スーツのボタンマナー
スーツのアンダーボタンマナーとは?
スーツには「アンダーボタンマナー(アンボタンマナー)」と呼ばれる、暗黙のマナーがあることを知らない方もいるのではないでしょうか。
アンダーボタンマナーとは、男性のスーツにあるマナーのことで、スーツのボタンの閉める場所についてのマナーです。
ボタンを開ける・閉めるルールを知らなければ、「マナーを知らない(勉強していない)」と印象を悪くしてしまう可能性があります。社会人として、アンダーボタンマナーを理解し、スーツを着るシーンで活用しましょう。
【種類別】スーツの「ボタンの留め方」の基本ルール
誠実な印象を与えるために、ボタンをすべて留めてカチッと着こなしているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
しかし、フォーマルな1つボタンのブラックスーツ以外は、スーツを着たときにジャケットのフロントボタンをすべて留める必要はありません。 2つボタンや3つボタンのシングルスーツ、ダブルスーツそれぞれに正しい着こなし方があるのです。
まずは、「スーツのボタンの留め方」の基本ルールを学んでいきましょう。
シングルスーツの場合
シングルスーツは、ジャケットの種類によって1つボタン・2つボタン・3つボタン・4つボタン以上までさまざまです。ただし、ビジネスシーンで使用されるクラシックなシングルスーツでは2つもしくは3つボタンのタイプが一般的です。
2つ以上のボタンが付いているスーツの場合、一番下にあるアンダーボタンは「捨てボタン」となっています。捨てボタンは名前のとおり、留めるために作られたボタンではないもの。着用したときのシルエットを美しく見せるために、もともと一番下のボタンは留めないことを前提にデザインされているのです。
シングルスーツ2つボタンの場合
先述したように、シングルスーツの2つボタンタイプの場合、一番下にあるアンダーボタンは開けるのが鉄則です。すべてのボタンを留めてしまうと、シルエットが崩れてしまい、やや野暮ったい印象に見えるので注意しましょう。
実は、一番下のボタンを開けることは「アンダーボタンマナー」とも呼ばれ、ビジネスパーソンが知っておくべきスーツの着こなしルールとして広く認識されています。
上記の写真を見ると、アンダーボタンを開けていることによって、スーツを着用したときの佇まいが非常に美しく見えることがイメージしやすいでしょう。
シングルスーツ3つボタンの場合
シングルス―ツの3つボタンタイプの場合、ふたつのボタンマナーを守らなければなりません。
ひとつ目のボタンマナーは、ご紹介した「アンダーボタンマナー」です。第1ボタンと第2ボタンまで留め、一番下のボタンのみ開けておきましょう。ふたつ目のボタンマナーは、第2ボタンのみ留めるもの。つまり3つボタンのシングルス―ツを着用する場合には、第3ボタンを開けるもしくは第2ボタンのみ留めた状態になります。
実は、3つボタンのシングルス―ツの場合、第1ボタンはスーツのシルエットを美しく見せるための「飾りボタン」です。あえて飾りボタンを留めないことで、立ち姿がサマになる着こなしが叶います。
- 2つボタンのシングルス―ツは、一番下のアンダーボタンを留めない
- 3つボタンのシングルスーツは、アンダーボタンを留めないもしくは第2ボタンのみ留める
- シングルス―ツには、飾りボタンと捨てボタンがある
ダブルスーツの場合のボタン留め方マナー
日本のビジネスシーンでは見慣れないダブルスーツですが、近年は業種や業界によってダブルスーツを着用しているビジネスパーソンも多くなっています。
次は、クラシカルで英国風の雰囲気が漂うダブルスーツのボタンの留め方マナーをご紹介します。
ダブルスーツ4つボタンの場合
略礼服のスタイルで、スポーティーにも着こなせるダブルスーツの4つボタンタイプ。6つボタンのダブルスーツと比べると着こなしやすいので、、ビジネスシーンでも取り入れやすいものです。
4つボタンの場合、右側にある2つのボタンは「飾りボタン」です。シルエットを美しく見せつつ、しっかり着こなすためにも左側ボタンの上1つだけを留めましょう。左下のボタンも留められますが、着こなしを重視するのであれば開けておく方がベター。なお、右内側のボタンはスーツのズレを防止するためにも留めておきましょう。
ダブルスーツは体型によって、ボタンの留め方を変えるのがおすすめ。着用時のシルエットを鏡で確認しながら、留めるねき左側のボタンの数を調整しましょう。
ダブルスーツ6つボタンの場合
出典:zozo.jp
4つボタンよりもクラシカルな雰囲気の6つボタンタイプのダブルスーツは、正面から見て左右に3個ずつボタンがついた逆台形型となっています。肩幅からウエストにかけてのボディラインを細く、美しく見せる効果があるスーツです。
6つボタンのダブルスーツは、ビジネスシーンの場合は第2ボタンと第3ボタンの両方を留めるのが一般的。ただし、パーティーや食事会などで着用する場合には、第3ボタンだけを留めてラフに着こなすのもおすすめです。着用シーンに応じて留めるボタンを変えることで、スーツをより楽しんで着こなせるようになるでしょう。
- 4つボタンのダブルスーツは、左側の上1つだけ留める
- 6つボタンのダブルスーツは、ビジネスシーンでは第2ボタンと第3ボタンを両方留める
- 着用シーンによって、ボタンの留め方は変更してOK
ベストを着用する場合のボタンマナー
オフィシャルの場では、スーツの下にベストを着用することも多いですよね。スーツの下にベストを着た場合、ボタンがたくさんあるため迷ってしまうビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
では、ベストを着用した場合には、どのようにボタンを留めればよいのでしょうか。
スーツジャケットの下にベストを合わせたときのボタンの留め方は?
ベストを着用しているときのスーツのボタンマナーは、通常のシングルス―ツと同様です。スーツのシワを防止するためにも、アンダーボタンマナーを守って、一番下にあるボタンを開けておきましょう。
しかし、オフィシャルシーンにおいてはあえて一番下までボタンを留めても問題なし。すべてのボタンを留めることによって、より誠実できちんとしたスーツスタイルを演出できます。
また、パーティーや食事会などの場合には、上の写真のようにジャケットのボタンをすべて開けた状態もおすすめ。シーンにあわせて、自分なりの着こなしを探求していきましょう。
スーツのアンダーボタンマナーがある理由
スーツのアンダーボタンマナーがある理由は、スーツがシワにならないようにするためです。 150年以上前のスーツは、今よりも丈が短くカジュアルな服装でした。ボタンは喉仏に近いボタンのみで、他のボタンは飾りだったのです。 近代になって、スーツのボタンの位置や、丈の長さが変化していき、一番下のボタンを留めるとシワになってしまう作りになりました。スーツを綺麗に着るためにも、アンダーボタンマナーを理解し実践できるといいですね。
スーツで座るときのボタンのマナー
これまで、シングルス―ツ・ダブルスーツ・ベスト着用時のボタンの留め方を解説してきました。しかし、これらはスーツを着用して立っている状態のボタンマナーです。
では、スーツ着用時にイスに座る場合には、ボタンはどのように留めるべきなのでしょうか。
着席したらスーツボタンを外して、立ったらボタンを留める
スーツ着用時にイスに座る場合は、スーツのタイプやボタン数に関係なく「ボタンはすべて開ける」というマナーがあります。
スーツのボタンを留めたままイスに座ってしまうと、ジャケット全体が上側へ引っ張られてしまうので、肩や胸あたりに寄せ集まった不格好な状態になってしまいます。
やや面倒ではありますが、立っているときにはスーツごとのボタンルールを守り、着席時にはすべてのボタンを開けるのが最適解。再度立ち上がるときには、ルール通りにボタンを留めるようにしましょう。
ボタンを開けていないとシワになるので注意
先述したように、着席時にボタンを留めた状態にしていると、不格好なシルエットになってしまいます。加えて、ジャケットの形が大きく崩れ、シワやヨレが生じる原因にもなるのです。
一度シワやヨレがついてしまうと、立ち上がったときにもシワの跡が目立ってしまいます。だらしない印象を与えてしまう可能性もあるので、必ず着席時にはボタンを開けるよう意識づけましょう。
女性の場合もスーツボタンのマナーは同じなの?
女性はボディラインが強調されてしまうため、男性と違って、ボタンを開けた状態でスーツを着用するとだらしない印象を与えてしまうこともしばしば。そのため、女性がスーツを着用する場合には、本記事でご紹介してきた「アンダーボタンマナー」は原則適用されません。
ビジネスシーンで用いられる女性用のスーツは、2つボタンもしくは3つボタンが一般的。ボタンの数に関係なく、すべて留めるのがマナーとされています。
スーツのボタンマナーおさらい
本記事では、さまざまなタイプのスーツのボタンマナーを紹介してきました。間違って着用しないためにも、最後にスーツのボタンマナーをおさらいしていきましょう。
- 2つボタンのシングルス―ツは、アンダーボタンを留めない
- 3つボタンのシングルスーツは、アンダーボタンを留めない。または、第2ボタンのみ留める
- 4つボタンのダブルスーツは、左上1つだけ留める
- 6つボタンのダブルスーツは、第2ボタンと第3ボタンを両方留める
- ベスト着用時には、一番下のボタンを留めない
- 着席時にはすべてのボタンを開ける
- 女性はボタンの数に関係なく、原則すべてのボタンを留める
- 着用するシーンに応じて、ボタンの留め方を変えて楽しめる
ビジネスマンとしてスーツの着こなし方をマスターしよう
- 男性のシングルス―ツは、アンダーボタンを開ける
- 着用時にはボタンをすべて開けて、立つときには再度留める
- 女性はボタンをすべて留めるのが一般的
本記事でご紹介したように、スーツの着こなしはボタンの数や着用シーンによってさまざま。できるビジネスパーソンとして成長していくためには、仕事のスキルはもちろん、服装のマナーも身に付けていきましょう。
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