日本には四季があり、春夏秋冬と様々な季節を楽しめるのはいいものの……。近年は、やはり夏の暑さが際立っているように思える。もともと夏は暑いものとはいえ、屋外で運動していた人が熱中症で倒れ、そしてその熱中症は室内でも高齢者を中心に猛威をふるっている。
もちろん室内においては、エアコンのスイッチをポチッと入れれば済むことなのかもしれないが、昔ながらの扇風機も、使い方によっては立派に仕事をしてくれる。今回はそんな扇風機で暑い夏を乗り切る方法をみていこう。
扇風機で部屋が涼しくならなくて困っていない?
外も中も暑い。そんな日に、扇風機をつけているのになかなか部屋が涼しくならなくて困ることはないだろうか。そう、ただただ扇風機をつけているだけでは部屋は涼しくならないのである。
そもそもエアコンのクーラーは、室内の熱を室外へ逃がすことで、部屋を冷却している。だから、熱が外へ逃げた後の空気が当たっているので、クーラーの風は冷たいというわけだ。
その点、扇風機はプロペラ状の羽根を回転させることで、そこに気圧差を作り出して、空気を一定の方向へと動かしているものである。つまり、風が動いているだけで、特に空気自体を冷やしているというわけではないのである。
それでは何故涼しく感じるのだろう。それは、汗が気化して体内から逃げてきた熱を、風が吹き飛ばすことにより、発汗作用による身体の冷却を促進しているからなのである。
しかし、当然ながら熱は同じ室内へ逃げているだけなので、突き詰めると室温が気化熱温度と同じになり、あまり涼しくなくなるというわけだ。
特にひどい猛暑の場合、そもそもの室温が高いため、扇風機ではほんの少ししか涼が取れないのである。
扇風機の正しい使い方とは?
夏の暑い日、いっそ部屋から外へ出てみると「おや?なんだか意外と、廊下や外のほうが涼しいのでは?」と感じたことはないだろうか。こんな、なんだか外のほうが涼しいのでは?という場合、いわば外気温が室温より低い場合は、開けた窓の前に扇風機を置いて、室内へ向けて外の涼しい風を送り込む様にする。
さらに開ける窓は一ヶ所だけでなく、可能であれば対角線上にある窓も併せて開けると、より効果的に部屋の中で風の流れを作る事ができる。
逆に、確実に外のほうが暑いという場合は、アルミサッシ窓だと夏場は窓から入り込む熱が、全体の70%を占めると言われるほどなので、簾や植物を使った緑のカーテン、遮熱・遮光カーテンなども併用しつつ、窓から入り込む熱を室内にこもらせずに上手く逃がすため、扇風機は窓へ向けて置く。
そして、室内から窓へ向かって風を外に出すように扇風機を動かせば、外気が室内へと入りにくくなり、部屋の温度を低く保つことができるというわけだ。
また、暑くなった空気はいつまでも天井付近に滞留して、どんどん部屋の平均気温を押し上げてしまうので、たまには扇風機を上へ向けてあげて、天井付近の空気を下の空気とかき混ぜてあげよう。
もちろん最初は部屋の空気がさらに暑くなってしまうのだが、気流が生まれさえすれば効果的に暑い空気を追い出すことができるようになる。
扇風機で冷風を出す方法とは?
エアコンの様に扇風機から冷風を出したい場合は、洗面器のような浅い容器に氷をいっぱいに入れて、扇風機の前に置けば良い。
氷から水分が蒸発する際の気化熱を利用することができ、より涼しい風を吹かせることができるからだ。同じ感覚で、霧吹きを使って扇風機に水を吹きかけても良い。通常よりもややひんやりした風を感じることができるだろう。
直接浴びれば単なる風で終わってしまうものの、こうして色々と工夫して活用すれば扇風機にもまだまだ活躍するシーンは沢山あるはず。これで暑い夏も乗り切れるだろう。
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