

ECサイトやフリマアプリなど、ネットで洋服を購入する際、もっとも気をつけるべきことはなんだろうか。
おそらく多くの方が「サイズ感」と考えるはずだ。少なくとも、筆者はそこが大きなポイントであった。ネットで洋服を購入するということは、言うならば「写真」とMサイズなどの「表記情報」を頼りに“試着しないで購入する”のと同じ状態なのだから。
著書『正統服装論』で有名なNYの男性ファッショニスタ、アラン・フラッサーも次のように語っている。
ほとんどの人が“上手な装い”を“ファッショナブルに装うこと”と取り違えています。
上手な装いとは、①自分にあった服を選ぶこと ②その服をちゃんと体にあわせて正しく身につけること ③自分らしさを加えることです。
では、ネットショッピングで自分のサイズにぴったりと合った商品を購入するには、どうすれば良いのだろうか。その答えは、実にシンプルで簡単である。それは、オーダーメイドで注文すれば良いのだ。もしあなたが、「オーダー商品は実店舗で購入するもの」という常識に“まだ”囚われているのならば、この記事を読み終えた時には、大きな衝撃を受けているに違いない。

オーダースーツECが飛ぶように売れている理由とは

「ファッション」×「IT」のスタートアップ企業であるライフスタイルデザインが運営するカスタムオーダーのメンズファッション通販サイト「LaFabric(ラファブリック)」をご存知だろうか。現在、同店のオーダースーツが20代後半〜30代の“働き盛りのサラリーマン”の間で飛ぶように売れているという。
同店の特徴は、デザイン、生地、サイズなどを自分好みに選ぶことができる「カスタムオーダー」をECで完全にシステム化した点にある。日本全国にあるアパレル工場・職人と直接提携することで、いわゆる“中間マージン”を排除し、高品質な「国産品のオーダースーツ」を、なんと44,800円(ツーピーススーツ)からと手ごろな価格で提供している。
国内きっての人気ファッションECサイト「ZOZOTOWN」や、最近ファッションビジネスに大きな投資を行った「Amazon」などを筆頭に、ECサイトでファッションアイテムを選んで購入することが、試着の問題はあるものの浸透しつつある。こうしたなかで、更なるおしゃれを求める者がLaFabricに飛びつかないはずがない。もちろん、インターネット上でのカスタムオーダーならではの懸念点はあるが、同ブランドはその領域までもしっかりとカバーしている。今回はその施策の一つ、リアル店舗「LaFabric Real Store渋谷」に迫った。

店内にレジはなし。ECの弱点を補うために存在する「0号店」
ショップコンセプトは「交差点」――。壁面で表現されたサービスや生産背景、壁面に美しくディスプレイされた商品、お客様、そしてそれを迎え入れるスタッフ。これら4つが、一つに交わる場所としてLaFabricが構えるリアル・ショップ。それこそが渋谷・神南にある「LaFabric Real Store渋谷」なのだ。

「私どもは、この店舗を「1号店」として考えずに「0号店」と呼んでいます。すぐ上にある弊社オフィスから提案されてきた「商品」や「新サービス」をすぐに実店舗で試す、そういった実験的な試みができる場所として位置付けています」
そう話すのはコーディネーターの谷崎氏。同店の特徴であるiPadを使った接客は、一般的なアパレル店舗のような鬱陶しさを感じさせるそれとはまったくもって異質だ。
おおまかな流れは、「①店頭で説明を受けながらECサイトでアカウントを作成」、「②実際に素材やディティールを吟味しながら商品のイメージを作っていく」、「③ショッピングカートやお気に入りに登録してもらう」というのが基本。
店内にレジはなく、どちらかというと「スーツを作りに来るのではなく、プロに相談する・サイズを測ってもらうための窓口」といったイメージがしっくりくる。このようなことから同店はスタッフを“コーディネーター”と位置付けているという。

「オーダースーツを初めて作った」8割以上の顧客が新規
ECサイトでは、「生地」や「ディティール」などの、実物を見ないとわからない部分を調べるために「情報収集」が必要不可欠だ。「この生地は一体どんな着心地なのだろう」「夏用なのか、冬用なのか」「光沢感や柄の与える印象を知りたい」。例えばGoogleでこれらを調べるだけでもうんざりするものだ。
そんな疑問も、リアル店舗に足を運んでコーディネーターから話を聞くだけで事足りる。同店の顧客は、メディアなどをきっかけに同店の存在を知った後に「気になった生地を実際に触りたい」「初めてだからプロにしっかりと採寸してもらいたい」という理由から訪れる方がほとんどだという。
また、同店の打ち出すスタイリッシュなイメージも相まって、普段購入する既製品の価格帯で作れるという安心感を持って辿り着く方も多い。まさしくEC サイトの痒いところに手が届くような店舗、これこそがLaFablicの打ち出したリアル店舗の役割なのだ。

オーダースーツは3つのプライスを用意。使い分けはコーディネーターが提案
スーツ生地は44,800円(ツーピーススーツ)から選択が可能。先述のように、はじめてオーダースーツに挑戦するという顧客層の割合が高いことからも、同モデルが一番人気となっている。同生地の特徴である「ポリエステル混合生地」は堅牢さが特徴でシワがつきにくいため、外回りをする職種や営業職向きだという。
「2着目以降に勧めたいのは、ウール100%を中心に揃えた59,800円の価格帯のスーツですね。なかでもシワのつきにくい『メリノウール』や着用時に体感温度を下げる働きがある『キシリトール加工』が施された生地が人気です。もっとも高級な価格帯である75,000円の生地は『カノニコ』や『レダ』など、イタリアのインポート系ブランド生地を中心に揃えています。大切なプレゼンの日や『ここぞ』という時に自分のモチベーションを上げてくれる。そんな“パフォーマンスを高めてくれるスーツ”として選ばれる方が多いですね」(コーディネーター 谷崎氏)
同店の強みは、このような生地素材やディティールの豊富さだけではない。体にフィットしたものを購入するため、過去に購入したスーツと組み合わせることもできる。例えば、「チェック柄のグレーのスーツ」を初めてオーダーし、その後再び来店したとする。その際にネイビー系のツーピーススーツを購入したとしよう。その日の気分によって、パンツのみを前回購入した「チェック柄のグレー」に替えれば、同様のサイズ感で“ジャケパン着用”が可能になる。

オーダースーツならではのディティールを楽しむのが正解
同店のスーツ生地は、表地だけでなく、裏地までも自由に組み合わせることが可能。ペイズリーやストライプなど、既製品には珍しい「柄」をあえて厳格なイメージのスーツの裏地として選ぶといった“遊び心”を取り入れることができるのは、オーダースーツならではの楽しみだ。

既製品ではありえないディティールを組み合わせ、一見するとオーダースーツとはわからない、雰囲気を演出できる部分にはとことんこだわりたい。そんな読者には、袖元のボタンを「本切羽(ほんぜっぱ)仕様」にするのがおすすめだ。同店では、袖の第一ボタンのステッチを自分好みの色に変更できるというカスタマイズまでが可能だ。

ポケットの種類も実にさまざま。例えば、ジャケットに2つのポケットがあると目線が少し上がることで「脚長効果」を期待できる。斜めになっていると、シャープさ、スタイリッシュな印象を与えることが可能。タイトなスーツに斜めのポケット、襟を小さめにすればモードな印象を与えることができる。

このようにして、ECのみではよく分からないディティールの部分について、一つひとつ丁寧に説明を受けると、自然と頭の中に「作りたいスーツのイメージ」が組みあがっていくはずだ。初来店時やPC越しでは、“明確なイメージ”を持つことが難しいため、はじめてオーダースーツを作るのであれば、リアル店舗への来店を強くおすすめする。
現在のトレンドは、細身のシルエット。最近は、チェック柄をビジネスシーンで着用する人が増えてきたという。人気のデザインは、大胆にチェックをあしらった「ウィンドウペイン」。派手なものに抵抗がある人には、薄めの「シャドウチェック」が人気。細身のシルエットにチェック柄を合わせると、お洒落なスーツを着ているという印象をグッと周りに与えることができる。
このような情報は、ECサイトや検索ではそう簡単に出てこない。サイズ計測や生地選び、余計なディティール選びに悩んでいるのなら、まずは足を運んでみることを強くおすすめする。きっと自分だけのオーダースーツにすっかりのめり込んでしまうはずだ。

ストア情報

◼ LaFabric Real Store渋谷
◼ 住所 〒150-0041 東京都渋谷区神南1丁目9-7 丸栄ビル 1F
◼ 最寄り駅 「渋谷駅」(徒歩約7分)
◼ TEL 03-6809-0063
◼ 営業時間 平日 12:00-21:00 土日祝 11:00-20:00
◼ 定休日 水曜日
LaFabric Store のご紹介 | LaFabric カスタムオーダーのメンズファッション
LaFabric Real Storeでは、専門のコーディネーターがお客様のオーダースーツ選びをお手伝いさせて頂きます。
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