「趣味はなんですか?」
仕事での打ち合わせや面接、合コンや友だちとの会話など、あらゆるシーンで聞かれるこの言葉。そんな質問に対して、人に自信を持って言える趣味が欲しいと思ったことはないだろうか。
趣味があれば休日が楽しくなり、趣味が合えば会話は広がる。趣味で広がっていく余暇や人とのつながりは、人生をより豊かにする。
趣味がほしいという人に向けて、誰でも気軽に始められる趣味「カメラ」に焦点を当て、カメラを趣味にするメリット、カメラの選び方から撮影のポイントまで広く紹介していきたい。
カメラを趣味にすると人生が豊かに? カメラを趣味にする3つのメリット
カメラを趣味にするとなぜ人生が豊かになるのか。
カメラを趣味にすることには、主に3つのメリットがある。
カメラを趣味にするメリット①:一瞬(思い出)を残せる
「人生は短い」
私たちはめまぐるしく過ぎていく毎日を過ごす中で、1日1日の大切さや貴重な体験を、すぐ忘れてしまったり見落としてしまったりする。
カメラには日常の一瞬を切り取る力があり、切り取られた一瞬は写真として手元に残すことができる。
後にその写真を見返したとき、そこには当時の友人や見た景色、感情が詰まっていることが感じられるだろう。
カメラを趣味にするメリット②:物事を捉える力が身につく
カメラで写真を撮る際、まず被写体選びから始まる。
「何を撮るか」「どういう風に撮るか」「どんな目的で撮るか」。
カメラを趣味にすることによって、状況や目的に応じて試行錯誤しながら写真を撮ることの楽しさに気づくだろう。それがカメラの醍醐味である。
そしてそれを繰り返していく内に、あなたには「写真を撮る=物事を捉える力」が身についているはず。
気づけば「何を撮るか」を考える前に、「この一瞬を残しておきたい」「この風景を切り取りたい」と日常的に思えるようになるはずだ。
カメラを趣味にするメリット③:人と感動を共有できる
カメラで撮った写真をFacebookやTwitter、Instagramにアップする行為が当たり前になった現代。
あなたが撮った写真は、世界中の人たちにシェアすることができる。
自分一人だけで楽しむ趣味もいいものだが、せっかくならカメラの感動や楽しさを誰かと共有してみてはどうだろうか。
写真を共有して交流の輪を広げていくことも、カメラを趣味にすることの素晴らしさの一つだ。
【カメラの選び方】撮影シーン・用途別の3つのおすすめカメラ
実際にカメラを趣味にするためには、カメラ選びが不可欠。
「どうせやるなら趣味でも全力で打ち込んでほしい」、そんな気持ちを込めて本記事では“一眼レフカメラ”をおすすめしたい。
「一眼レフは高い」「iPhoneで十分」そういった声もよく耳にする。
確かに、一眼レフカメラは比較的高価なものも多く、最近のiPhoneカメラの性能は目を見張るものがある。
しかし、みんなが持っているiPhoneでなく、しっかり選んでお金を出す価値が一眼レフにはあるのだ。
「カメラ」という趣味を今後も続けていくため、人生を豊かにできるような趣味にするためにも、ぜひ一眼レフに挑戦してみてほしい。
一眼レフと一口にいっても、メーカーごとに多様なカメラを販売している。
一生もののカメラ選びに失敗しないためにも、自分が撮りたい画や用途に合わせておすすめのカメラを紹介していこう。
一眼レフカメラ撮影シーン①:旅行や日常のひとときをカメラで収めたい
「友人と行く旅行でたくさん写真を撮りたい」
「日常の風景や休日のちょっとしたお出かけにお供させたい」
そんなあなたには、比較的軽量で持ち運びに便利な「ミラーレス一眼カメラ」がおすすめ。
ファインダーこそ覗けないが、その他の描写力は普通の一眼レフカメラと変わらない。
その身軽さを生かしてたくさんの写真を撮り、最高の一枚を収めてほしい。
・おすすめのミラーレス一眼カメラ:OLYMPUS OM-D E-M10 MarkⅢ ¥67,400(税込)
ミラーレス一眼カメラ国内シェアNo.1のオリンパスのミラーレス一眼カメラ。
コストパフォーマンスに優れ、サッと取り出しサッと撮る、そんなシーンにふさわしい手ぶれ補正も充実したカメラだ。
タッチパネルモニターがついているため、スマホのような操作も可能。初心者だけでなく上級者のサブカメラとしても人気のあるミラーレス一眼である。
私服に合わせたときに映えるおしゃれなデザインも魅力的。
一眼レフカメラ撮影シーン②:一人旅やツーリング。見たまま、感じたままに風景を収めたい
一人旅やドライブ、ツーリングなど、綺麗な風景や撮影スポットを求めて旅をし、そこで見たこと、感じたことをできるだけ鮮明にカメラで収めたい。
そんなあなたには、通常の一眼レフカメラ(APS-C機)をおすすめする。
ファインダーを覗く楽しさ、一枚一枚にこだわってよりクオリティの高い写真を求める——「写真を撮る」という醍醐味が一眼レフカメラにはある。
・おすすめの一眼レフカメラ(APS-C機):Canon EOS Kiss X9 ¥61,800(税込)
世界市場で台数シェアNo.1を15年連続で維持している、カメラメーカーの中でもいわずと知れた「Canon」。
そんなCanonが、低価格で使いやすいカメラをラインナップしているのが「EOS Kissシリーズ」だ。
APS-C機にもかかわらず、パフォーマンスはプロなどが使用する一眼レフの最高峰であるフルサイズ機と遜色ないほど。
EOS Kissシリーズ最新機であるKiss X9は画質も上位機種並み。旧モデルと比較すると値段が張るが、値段相応のスペックを備えている。
Wi-Fi、Bluetooth、NFCと通信機能も充実しているため、データ送信にも不便しないのが嬉しい。
お好みのレンズ、撮りたい写真に最適なレンズに合わせ、ぜひ購入を検討してみてはどうだろうか。
一眼レフカメラ撮影シーン③:動きのある被写体や動画撮影まで、趣味を武器に一歩先を進んだ描写へ
趣味であっても、やるからには最高レベルのものを求めるあなた。
上記2種類の一眼レフカメラでも十分な撮影が可能であるが、そこから先に一歩進んだ、より高い描写力を求める人には、一眼レフカメラの最高峰ともいわれる「フルサイズ機」を紹介したい。
これさえあれば、動きの激しい被写体やハイレベルな動画撮影など、より幅広いシーン・用途で不満なくカメラの力を発揮できるだろう。
極めれば友人の結婚式やプロモーション動画など、趣味から仕事へつながっていくかもしれない。
・おすすめの一眼レフカメラ(フルサイズ機):Nikon D810 ¥230,976(税込)
フルサイズ機のおすすめカメラはNikonから。
フルサイズ機のカメラにふさわしい充実した機能と描写力。高速連写機能を活かした動く被写体を捉える力が魅力の一台。
Nikon D810は、2014年発売だが未だに根強い人気がある名機だ。
Canonと比較されることの多いNikonの強みは「抜群な描写力」にある。
通常のカメラでは最低ISO感度が100程度だが、D810はISO64から撮影可能。鮮やかな色調の景色を撮影することができる。
見たままの景色を切り取れるため、スタジオ撮影や風景撮影におすすめの一眼レフカメラだ。
【撮影の基本】カメラでここだけは押さえておきたい撮影の3つのポイント
「一眼レフカメラを買ったはいいけど、機能が多くて使い方がよく分からない」
「結局オート設定で撮影する」
一眼レフを手に入れた後、上記のようなことで悩む人も多いかもしれない。
自信を持ってカメラを趣味にするためにも、カメラの性能、撮影の際の基本的ポイントをしっかりと押さえておこう。
覚えることの多そうな一眼レフカメラも、まず以下の3つのポイントさえ理解していれば、それだけで良い写真が撮れるのだ。
一眼レフカメラで撮影するときの3つのポイント
- ① 絞り
- ② ISO感度
- ③ シャッタースピード
一眼レフの撮影ポイント①:絞り(F値)
カメラには絞り値(=F値)というものがある。
F値を変えると絞りの開き具合が変わり、レンズを通る光の量が変わる。
F値を大きくすると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、F値を小さくすると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなる。
つまり、F値が小さい方が明るい写真になる。
一眼レフの撮影テクニック①:F値の調整(その1)
- カメラで明るい写真を撮りたい場合は、F値を「小さく」して撮影。暗い写真にしたい場合は、F値を「大きく」して撮影する
写真の明るさを決めるF値には、もう一つ重要な要素がある。
F値の大小によって、ピントが合う範囲が変わるということ。F値を大きくするほどピントの合う範囲が広くなる。
逆に、F値を小さくするほど、ピントの合う範囲は狭くなる。F値が小さければ小さいほど、ピントがあっていない「ボケる」部分が広くなる。
一眼レフの撮影テクニック②:F値の調整(その2)
- カメラで背景がぼけたいい感じの写真を手っ取り早く撮りたい場合は、このF値をできるだけ小さくすると良い
- 集合写真のように写真全体にピントを合わせたい場合はF値を上げる
一眼レフの撮影ポイント②:ISO感度
F値は「光を取り込む量」、それに対しISO感度は「光を取り込む強さ」を表す。
ISO感度を「上げる」と、カメラで撮った写真は明るくなる。高いISO感度であれば、夜間など暗い場所でもカメラ撮影が可能となるのだ。
F値とISO感度の違いがわからない人は、2つの機能を簡単に使い分ける方法をチェックしよう。
一眼レフの撮影テクニック③:F値とISO感度の設定
-
①ISO感度を固定
例:「野外での明るいところではISO感度を100に」「室内での暗いところではISO感度を400に」 - ②F値をいじりながら、被写体の明るさやぼけ具合を調整していく
これらを駆使した結果、F値を調整してもまだ写真が暗すぎる、明るすぎるといった場合に、再度ISO感度を調整していくのが良いだろう。
ただし、ISO感度は上げすぎると、「ノイズ」と呼ばれるものが出てしまう。
カメラで撮った写真がザラザラとした写りになってしまうため注意してほしい。
一眼レフの撮影テクニック④:ISO感度を設定するときの注意点
- ISO感度を上げすぎると「ノイズ」が入って、写真にザラつきが出てしまう
一眼レフの撮影ポイント③:シャッタースピード
シャッタースピードとは、(映像素子に)光を取り込む時間を決定する機能。
このスピードが1/60であれば、1/60秒だけ映像素子に光が当たる。
シャッタースピードは、スポーツ選手や飛んでいる鳥、運動会で活躍する子どもの姿など、動くものを撮るときに重要になる機能だ。
U−NOTE編集部員が撮影。川の水面に手をかざしている写真。川の流れが立体的に表現されている被写体の動きのスピードに合わせ、このシャッタースピードを調整することで、動く被写体でも鮮明に写真に収めることが可能となる。
一眼レフの撮影テクニック⑤:シャッタースピードを早くする
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カメラで動きの早い被写体を鮮明に捉えたい
→シャッタースピードを早くする
他にも、シャッタースピードを意図的に遅くすることによって、川の流れや雨のはねる様子を流動的に捉えることも可能である。
一眼レフの撮影テクニック⑥:シャッタースピードを遅くする
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カメラで動く被写体の動きの流れ(川の流れや雨のはねる様子など)を表現したい
→シャッタースピードを遅くする
また、シャッタースピードは「光を取り込む時間」設定のため、光を取り込む時間が長ければ長いほど多くの光を取り込むということになる。
先述したF値とISO感度の調整に合わせ、F値を下げても駄目、ISO感度もノイズが出そうでもう上げられない、けどもっと明るくしたいといったときには、このシャッタースピードを調整(遅く)すれば良い。
シャッタースピードを「30秒」くらいに設定すると上記のような幻想的な一枚も撮影可能。満天の星を鮮明に写真に残すこともできるのだ。
ただし、シャッタースピードを遅くすればするほど手ブレしてしまうため、シャッタースピードを遅くする撮影テクニックを使う際は必ず三脚を準備していこう。
一眼レフの撮影テクニック⑦:星空などの暗所での撮影に必要な道具
- 三脚
- レリーズ(好きな秒数分、シャッターを開けることができる)
- 広角レンズ(レンズはAFに設定、ISO800、F値は一番小さく、シャッタースピード30秒)
今回は「カメラを趣味にする」というテーマで、そのメリットやカメラ選びから撮影ポイントまで広く紹介した。
カメラはハマればハマるほど奥が深く、自信を持って趣味にする価値がある。
ぜひその楽しさ、難しさ、素晴らしさを体験し、豊かなカメラライフを送ってほしい。
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