税金の種類にはいろいろあるが、この贈与税は、申告書を提出する必要があるケースと提出する必要のないケースがあり、面倒であるために申告書の提出が忘れられていることが多い。ここでしっかり提出しなければいけないケースや、申告書の書き方を学んで、提出漏れがないようにしていこう。
1.贈与税の申告書を提出しないといけない場合は?
贈与税の申告書を提出しなければならない場合は二つある。
一つ目は暦年課税の適用の場合で、贈与された額が基本控除額である110万円を超えるときである。そもそも暦年課税とはどういうシステムかというと、1年間で受け取った贈与の額の合計をもとに、その財産に対して課税するシステムである。
受け取った合計額が問題になってくるので、1年で2人以上からもらった場合も、2回以上もらった場合も含めたものが課税対象となる。ちなみに税率に関しては、直系尊属からの贈与で、受け取り手が20歳未満のときは特例税率で、それ以外の場合は一般税率で計算される。
二つ目は相続時精算課税を適用した時である。これは、贈与する側が60歳以上、受け取る側が20歳以上であり、さらに両者が直系の親族である場合に選択できる課税方式である。
この課税方式では、贈与者の死亡時、それまでの贈与額と相続した財産額をもとに税を計算し、今までに支払った贈与税を合計の税から控除するという方式である。この方式を選択した場合は贈与額が110万円を超えなくても申告書の提出が必要なので注意が必要だ。
2.贈与税の申告書はいつどこに提出しなければならないの?
申告書の提出は毎年2月1日から3月15日までの間に済ませなければならない。この期間から遅れてしまうと、本来の税金のほかに加算税がかかってしまう。また、本来の金額より少ない金額で提出したりしても加算税がかかってしまうので、正確に計算しよう。
申告書の提出先は、贈与を受けた人の住所の所轄となる税務署である。提出方法としては、郵便で送るか税務署の窓口へ持参するかのどちらかが主である。郵便で送る場合、期間内に税務署に届いていなければならないので、余裕を持った投函を心掛けるとよい。
実際に税務署に持っていく場合は、税務署の時間外収受箱への提出もできるのでぜひ利用してほしい。電子申告も可能であるが、これにはあらかじめ利用開始のための手続きが必要になってくるので、提出が直前になってしまった時は直接持っていくのが一番安全な方法だ。
3.贈与税申告書の書き方について
贈与税の申告書の書き方はそれほど難しくない。基本的には申告書をネットでダウンロードして、贈与をした人、贈与された財産の種類と金額、そしてそれに基づいて算出される最終的な贈与税の金額を書き込めば完成だ。そして贈与税の計算方法も相続税などと比べて非常に簡単である。
贈与された金額の合計から、基本控除額である110万円を引いて、残りの額を申告書に記載されている速算表に当てはめれば、すぐに最終的な贈与額も算出できる。相続時精算課税を選択した場合は、普通の申告書に加えてもう1枚、相続時精算課税用の提出用紙を書くことになるので忘れずに。
また、贈与された財産によって居住用の家を新築や改変した場合は、条件を満たせば非課税の対象となることもあるので、確認しておくと節税になるだろう。
いずれにせよ税金の計算が楽なので、難しく考えて後回しにせずに、やれるときに余裕を持ってやることが大事だ。
贈与税の申告についての大まかな説明は以上になる。贈与税の計算は相続税などと違って他人との分配を考える必要がないので非常に簡単なことも分かってもらえたのではないだろうか。
上に書いたように、申告漏れで余計に税がかかることもあるので、期限を守って忘れず申告して、無駄な出費にならないように気を付けてほしい。
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