スイーツの定番ともなった「パンケーキ」。次から次へと新しいパンケーキ店がオープンするなど、“パンケーキブーム”の勢いはとどまるところを知らない。その中でも、とりわけ海外発の人気パンケーキ店が多く、大概、第一号店は東京・原宿あたりに出店され、メディアにとりあげられる。
しかし、今回紹介する“九州パンケーキ”は、その名の通り九州に出店され、またたく間に人気を博した。九州パンケーキの人気の秘訣は、使うだけで繁盛店が生まれる魔法のような粉だという。今回は、2016年6月2日放送の「カンブリア宮殿」に合わせ、そんな“魔法の粉”を使い、メディアでひっぱりだこな九州パンケーキとその仕掛け人・九州パンケーキの社長である村岡 浩司(むらおか こうじ)に迫る。
“魔法の粉”を使った大人気の九州パンケーキとは?
九州パンケーキとは、九州産の小麦・雑穀を100%使用し、添加物を一切使用していない、安心かつヘルシーなパンケーキミックス粉のことである。
大分県産小麦をはじめとして、宮崎県で農薬を使わず育てられた合鴨農法の発芽玄米、長崎県のもちきび、佐賀県の胚芽押し麦、熊本県と福岡県からは稲作の源流である古代米の黒米と赤米、鹿児島県の肥沃な大地で育てられたうるち米。
これら九州産物を推しだし、生産者と共に地域風土に根ざした商品に育てることで、「九州パンケーキはふるさとの味」となることを目標としているそう。
大分県産小麦をはじめとして、宮崎県で農薬を使わず育てられた合鴨農法の発芽玄米、長崎県のもちきび、佐賀県の胚芽押し麦、熊本県と福岡県からは稲作の源流である古代米の黒米と赤米、鹿児島県の肥沃な大地で育てられたうるち米。
これら九州産物を推しだし、生産者と共に地域風土に根ざした商品に育てることで、「九州パンケーキはふるさとの味」となることを目標としているそう。
しかもこの九州パンケーキ、とてもヘルシーなのもウリのひとつなのだ。というのも、この九州パンケーキミックスには“グルテン”が含まれていない。グルテンとは、小麦などに含まれているたんぱく質の一種で、うどんやパンなどの弾力感の素となるものである。しかしグルテンは、いわゆる小麦粉アレルギーを引き起こしたり、中毒性や血糖値が上がりやすくなったり、体の怠さを引き起こす厄介な成分でもある。そのため、グルテンフリーな食べ物はダイエットや健康維持に良いとされ、予防医療が推進されている中で話題となっている。そんな優れた一面もある九州パンケーキ、使うだけで繁盛する魔法の粉というのも頷けるだろう。
日本では宮崎のみの“九州パンケーキ”提供の実店舗
九州パンケーキミックス粉は、基本的にスーパーやネットでの販売であるが、実際にこの九州パンケーキミックス粉でつくったパンケーキを食べることができる実店舗が宮崎に出店されている。
九州パンケーキの値段は580円からと、東京で話題のパンケーキ屋に比べ、随分お手頃である。
公式店舗以外でも、九州パンケーキミックスで作ったスイーツをメニューにとりいれているカフェがあり、宮崎以外にも山形、宮城、福岡、大分などにある店舗で九州パンケーキは注文が可能だ。
公式店舗以外でも、九州パンケーキミックスで作ったスイーツをメニューにとりいれているカフェがあり、宮崎以外にも山形、宮城、福岡、大分などにある店舗で九州パンケーキは注文が可能だ。
オール九州のパンケーキで、熊本を救え!
2016年4月に起こった熊本大地震。これに対し村岡浩司は、九州パンケーキのオンラインショップでの売上から、商品1点あたり10円を義援金として熊本に寄付することに。
九州産をつめ込んだ九州パンケーキで、まさに“オール九州”として大震災に挑む。
2016年6月10日には、熊本市内にも九州パンケーキカフェがオープンするという。
九州産をつめ込んだ九州パンケーキで、まさに“オール九州”として大震災に挑む。
2016年6月10日には、熊本市内にも九州パンケーキカフェがオープンするという。
九州から東京を飛び越え、世界へ展開
この九州パンケーキの実店舗は、なんと台湾とシンガポールにも出店されている。
「九州から世界へ」という思いがあり、九州パンケーキは都内に展開せず、いきなり海外へと進出したという。
「九州から世界へ」という思いがあり、九州パンケーキは都内に展開せず、いきなり海外へと進出したという。
“魔法の粉”でパンケーキを作ったのは、元寿司屋の村岡浩二
出典:faavo.jp 実は、“魔法の粉“九州パンケーキの生みの親・村岡浩司は、元寿司屋だというから驚きだ。
「九州パンケーキ生みの親」村岡浩司の経歴とは
- 1970年、宮崎県宮崎市生まれ
- 高校卒業後、米国(コロラド州)に留学。当時ブームとなったヴィンテージファニチャー等のバイヤーを経て学生起業
- 帰国後の1999年、寿司屋を経営する有限会社一平に入社
- 2004年、有限会社一平の代表取締役に就任
一平とは、“レタス巻き”といういわゆるサラダ巻き寿司の原点となった寿司屋を営む会社であり、昭和41年の創業から続く老舗である。創業者である父の村岡正二が、わずか5坪程度のカウンター店としてスタートした。
当時、このように父からよく言われていたという。この信念により、寿司として革新的なレタス巻きが生まれ、宮崎名物にまでなったのだろう。
また、村岡浩司は、“常に最高の一杯へのこだわりを追究する”という理念に共有し、九州パンケーキ事業だけではなく、タリーズコーヒーのフランチャイズ事業も経営している。
村岡浩司は九州パンケーキやタリーズコーヒーの他にも、Cafe&Bar 「CORNER」、蕎麦屋「そばとき」、ABURATSU COFFEEなどの飲食店舗を多数経営しており、“FAAVO(ファーボ)”という地方に特化したクラウドファンディングで200万の資金調達を成功させるなど、相当な敏腕起業家である。
九州パンケーキミックスに関しては、「第1回地場もん国民大賞」金賞、「九州未来アワード」大賞、「料理マスターブランド」など数々の賞を受賞し、 2015年に海外店舗「九州パンケーキカフェ」をオープン。九州パンケーキで、九州発の世界ブランドを目指している。この海外志向は、留学での経験が大きな影響を与えている。
宮崎をシリコンバレーに! 村岡浩二のもう一つの挑戦
出典:faavo.jp 宮崎から九州パンケーキをはじめ、事業を成功させた村岡浩司は、起業家支援を行う「宮崎スタートアップバレー」の最高顧問をも務めており、その想いとしてこのように語っている。
この宮崎スタートアップバレーの良さは、「地域の課題を解決する」という同じ志をもったメンバーが集っていることである。お金がすべてではなく、地域の笑顔を増やすことも大事。村岡浩司は、宮崎が挑戦する文化になってほしいと考え、そのためのサポート体制を整えている。
“今までの人生を歩んできた自分だったから生まれたこと”、九州パンケーキのように、そんなモノを創ってみたいと思ったことはないだろうか? 大袈裟かもしれないが、きっと一人ひとりに生まれてきた意味があり、価値がある。過去の失敗などで「自分にはどうせ頑張っても無理だ」と諦めていないだろうか。しかし、誰でも失敗はするものだ。大切なのは、その失敗を経て自信をなくした中でも、諦めない心をもって突き進めるかどうかではないだろうか。九州パンケーキを生んだ村岡浩二の挑戦を見て、もう一度だけ、自分の可能性を信じ、挑戦してみてほしい。
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