源頼朝、徳川家康など、日本を作ってきたリーダーたちが愛読してきた一冊をご存知だろうか? それが今から千年以上も前に、中国の偉大なリーダーの心をまとめた『貞観政要(じょうがんせいよう)』だ。世界中においても、千年以上にも渡ってリーダーたちから「帝王学の教科書」として貞観政要が参照されてきた。彼らは、貞観政要を参考にして、組織の発展に努めてきた。
本書『ビジネスリーダーのための「貞観政要」講義:東洋思想の古典に学ぶ、長く続く組織づくりの要諦』には、大きな組織を運営するリーダーに必要な金言が、余すことなく収録されている。是非、本書の帝王学に触れて、組織を成功に導いて欲しい。
組織を「ブラック化」から救う、貞観政要のコンセプト
組織を立ち上げるよりも、維持する方が難しい。
貞観政要は、組織を立ち上げるためよりも、組織を運営するためのノウハウに特化している。貞観政要に紹介されていることを現代のビジネススキルに例えると、企業を存続させるためのリーダーシップやマネジメントに該当するだろう。
貞観政要では、目まぐるしく時代や人材のニーズに合わせなければならないので、組織を立ち上げるよりも運営・維持する方が遥かに高いノウハウが必要であるとしているのだ。そのため、貞観政要では組織を運営するノウハウに特化しているのであろう。近年、インターネットの浸透やグローバリゼーションによって、大企業が相次いで倒産しているニュースを見れば、貞観政要がなぜ組織を継続させることに特化しているのかおわかりだろう。
組織を「ブラック化」から救う、貞観政要のリーダーシップ
リーダーは、部下の意見を尊重する
どのような優秀なリーダーでも、常に判断ミスの可能性はあると貞観政要は述べる。そのために貞観政要では、有能な部下の意見を尊重するように提言している。そのようにリーダーと部下で相互に補完し合えれば、組織が誤った方向に傾くことはないというのが貞観政要の主張である。例え、それがリーダーにとって都合の悪い意見であっても、有用性があるのなら組織のために採用しなければならないとするのが貞観政要だ。
また貞観政要では、部下の意見の尊重の仕方においても、意見の裏側の動機や立場まで読むべきだと主張している。そうすることで、部下の意図が鮮明に把握できると貞観政要は述べるのだ。そして、そのために貞観政要では、部下の意図が見抜けるまでコミュニケーションを重なることが望ましいとしている。
また貞観政要では、部下の意見の尊重の仕方においても、意見の裏側の動機や立場まで読むべきだと主張している。そうすることで、部下の意図が鮮明に把握できると貞観政要は述べるのだ。そして、そのために貞観政要では、部下の意図が見抜けるまでコミュニケーションを重なることが望ましいとしている。
リーダーは、功績のある者を依怙贔屓していけない
組織を運営するノウハウが込められている貞観政要では、皆に呼びかける際、功績のある者にウェイトをおいて呼び掛けてはならないと述べている。例えば、「~を中心にして励むように」と言うことを貞観政要では禁じているのだ。その理由として、メッセージがある特定の人物に偏って聞こえてしまい反発を招きかねないと、貞観政要には記述されている。
リーダーは、陰口に耳を貸してはいけない
貞観政要では、組織を運営する秘訣として「陰口に耳を貸してはならない」としている。もし、あなたが貞観政要の教えを無視し、陰口に耳を貸してしまうと、「陰口を尊重するリーダー」として部下に認識されてしまい、組織に陰口の気風が根付いてしまう。そのような暗い組織では、組織を構成する「人」が寄り付かなくなってしまうと、貞観政要には書かれている。
リーダーは、人事を穏便にする
例えば、一度クビにしてしまった人間は、よほどのことがなければ戻っては来ない。それ自体は、貞観政要にも記述されていなくとも、多くの人なら頷けることだ。そのために、人事とはある程度の取り返しがつくように穏便に行うべきだと、貞観政要は述べる。
実際、貞観政要に記述されている「人事を穏便にする」事項は、日本社会においても生きている。例えば、失敗してしまった社員を一時的に閑職に回しても、時期が経てば貞観政要の方針に則り、メインの職に復帰させるといったものだ。こうやって取り返すチャンスを与えることで、組織の人材が活性化されることを貞観政要は狙っているのだ。
リーダーは、人間関係の和よりも組織の活性化を狙う
人間関係を重視しすぎると、貞観政要では「友達付き合いの延長線」ともなり兼ねないと述べる。組織運営のノウハウ書である貞観政要は、「それだけは組織を存続させることは不可能だ」と主張しているのだ。千年以上も組織運営のバイブルとされてきた貞観政要は、人間関係の和の中に「異質な人間」を入れて、新たな風を吹かせなければ、組織は活性化しないとしているのだ。考えてみれば、貞観政要に照らし合わせなくとも、既存の人間関係の和だけでは新たな発想は生じにくい。貞観政要は、あえてそのことを明言化することで、組織活性化のために新たな人材の必要性を説いている。
以上、本書『ビジネスリーダーのための「貞観政要」講義:東洋思想の古典に学ぶ、長く続く組織づくりの要諦』より、貞観政要の要旨を抜粋してきた。そこには組織を活性化させるリーダーのあり方が記述されている。考えてみれば、貞観政要は千年以上もの間、日本における数々のリーダー達に愛読されてきた。今日においても、貞観政要のそのような地位は変わらない。是非、本書『ビジネスリーダーのための「貞観政要」講義:東洋思想の古典に学ぶ、長く続く組織づくりの要諦』から歴史の知恵を学び、組織を成功に導けるリーダーへと成長してほしい。
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