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この人の話は軽い!と思われる4つのマジックワード:『その言葉だと何も言っていないのと同じです!』

t.k

2016/06/03(最終更新日:2016/06/03)


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出典:advancedlifeskills.com
 「みんなの意見」「プロ意識」「グローバル人材」――一見便利で、なんとなく使ってしまいがちだが、実は正しく意味が通っていないケースは少なくない。このような、意味が曖昧で、使う側の思想によって都合よくに扱われている言葉を「マジックワード」と呼ぶ。

 マジックワードを紐解いていった先には、論理的で、説得力のあるホンモノの思考力が待っている。本書『その言葉だと何も言っていないのと同じです!』には、マジックワードが持つ曖昧性を鵜呑みにせず、自分の意見を正確に伝えていくためのノウハウがある。これを機に、マジックワードの呪縛から脱して、「この人の話は軽い!」と思われないようにしていただきたい。

使いがちなマジックワード #1:「みんなそう言ってる」

 よく説得する際に日本人が使うマジックワードとして、「みんなそう言っているよ」というのがある。だが、「みんな」とは具体的に誰であるのかが曖昧な、マジックワードである。「みんながそう言っている」というマジックワードの曖昧さは誰もが理解しているが、「同調圧力」のようなものがあり、否定をすると組織からつまはじきにされそうで鵜呑みにしてしまう。

 では、この同調圧力を感じるマジックワードへの対策法を考えたい。それはまず、「みんな」とは誰なのかを問い直すことだ。そうすることで、このマジックワードの曖昧性が薄らぐ。そうやって「マジックワードを具体化」した後で、あなたのしていることの「みんな」への貢献度を主張することである。そうすることで、同調圧力の強いこのマジックワードへ効果的に反論できるのだ。

使いがちなマジックワード #2:「プロ意識を持て!」

 上司に「プロ意識を持て!」というマジックワードで叱責を受けた人も多いだろう。一般的にこのマジックワードは、「プロ=担当業務すべてにおけるエキスパート」という誤解から生まれている。実際に辞書を引いてみると「プロ=その仕事で生計を立てている者」とあるため、マジックワードとして使われる解釈のように、担当業務すべてでエキスパートである必要はない。

 だが、このマジックワードへの反論として、そのような論理的分析を上司に述べることは、感情を逆撫でるだけだ。よって「では、この業務をどのようにすればミスが少ないですか?」といった問いかけを、自身の改善案を提示しながら具体的に行うといい。このように具体的に問いかけることで、「プロ意識」というマジックワードの曖昧性も薄まり、あなたの前向きさを評価される可能性もある。

使いがちなマジックワード #3:「コミュニケーション能力を高める」

 よく「コミュニケーション能力を高める」というフレーズがメディアや社内で使われるが、これもマジックワードに該当する。例えば、「論理的な話し方を磨く」「相手の気持ちがわかる力を高める」「気の利いた冗談を言えるようにする」「さわやかな笑顔で対応できるようにする」も、すべて「コミュニケーション能力を高める」というマジックワードに当てはまってしまい、中身が多面的すぎて、かえって曖昧なのである。よって、このマジックワードで思考停止しないためには、自らのコミュニケーション能力の具体的な向き不向きを知り、自分にあったコミュニケーション能力の一部に絞って高めていくことだ。そのように「具体的に」絞り込んで能力を鍛えることで、このマジックワードの呪縛から解き放たれる。

使いがちなマジックワード #4:「グローバル人材」

 我々はグローバル人材というワードを聞くと、「世界中を飛び回っている人材」を想起しがちだが、実際はそのような人材は少ない。グローバル人材という言葉は、マジックワードの一つである。なぜなら、SkypeやGoogle ハングアウトなど、ビデオ会議システムが浸透している現代社会では、国内にいながら世界各国との商談をまとめることが可能だからだ。よって、非常に実質性に乏しいマジックワードと言わざるを得ない。そのため、「グローバル人材」というマジックワードを見た際は、その意味を正確に読み取る必要がある。


 以上、一見便利だが、思考停止に陥りがちなマジックワードを4つほど紹介し、論理的で説得力のある意見の伝え方を考えてきた。そこに見られるのは、マジックワードの曖昧さを鵜呑みにせず、「具体的に」見ていく視点であった。もし、あなたがマジックワードを鵜呑みにしない視点をさらに磨きたいければ、是非、本書を手に取ることをお勧めする。もう、「この人の話は軽い!」と思われるようなマジックワードばかりの会話とはおさらばしよう。

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