20代でも「お金を貯めたい!貯金したい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。
本記事では、貯金をする方法や、4つの預金の種類などをご紹介します。
将来に向けてきちんと貯金をしておきたい人や、預金によって賢くお金を増やしたい人はぜひ参考にしてください。
- そもそも、20代の貯金事情とは
- 20代から貯金をするときに知っておきたい税金と銀行の仕組み
- 20代から簡単に貯金をするために知っておきたいこと
そもそも、20代の貯金事情って?
社会人になり給料をもらうようになっても、なかなか安定して十分な額の貯金するのは難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
また、周りの20代はどのぐらい年収をもらっていて、どのくらい貯金しているのか気になる人もいるでしょう。
国税庁によって、2018年に行なわれた民間給与実態統計調査によると、20~24歳の平均給与は、男性で284万円、女性で249万円で、男女平均で267万円。25~29歳の平均給与は、男性404万円、女性326万円で、男女平均370万円でした。
20歳前半は、20代後半と比べて、平均給与つまり年収があまり高くありません。20代前半であっても、学生である人多いのが理由のひとつでしょう。
平均値はあくまでも収入の額面を平均化したものに過ぎません。高額資産保有者によって平均値が引き上げられてしまうこともあったり、逆に学生が多かったりと、一概に平均値がすべてではないことに注意してください。
働いている人であっても、ひとり暮らしをしている人と実家暮らしをしている人では、貯金額が変わることが多いでしょう。以下では、ひとり暮らしの場合と実家暮らしの場合に分けて、貯金事情をご紹介します。
ひとり暮らしの場合
まずはひとり暮らしをしている人の貯金事情をご紹介します。
金融広報中央委員会が実施している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」によると、20代単身世帯の平均貯蓄額は、106万円となっています。
しかし、106万円という貯蓄額は、前述のようにあくまでも平均値です。平均値は、分布が偏っている場合はあまり役に立ちません。
例えば、5人の年収が、100万・110万・115万・120万・1000万だとします。この5人の平均年収は、289万円です。しかし、データを見ると、100万程度の年収の人が多いのがわかるのではないでしょうか。
このように、他のデータよりも極端に離れたデータがある場合は、平均値は意味をなしません。
極端に違う値を持つデータを表す際に役に立つのが中央値です。上記の例だと、中央値は115万です。感覚的にも、5人の年収は約115万とするのが正しいと感じる人も多いでしょう。
同じように考えると、20代単身世帯の平均貯蓄額の中央値5万円です。
つまり、ひとり暮らしの場合、家賃や水道・光熱費、食費などに多くのお金がかかってしまい、まとまった額の貯金をするのは難しい現状だといえるでしょう。
実家暮らしの場合
一方、実家暮らしの場合は家賃や光熱費を節約しやすい傾向にあります。
総務省統計局による家計調査報告(2019年調べ)によると、35歳未満の単身世帯の住居にかかるお金の平均は、3万3458円です。光熱費や水道費の平均は、7265円なので、合計すると約4万円分のお金がひとり暮らしをするよりも安くなります。
約4万円を毎月貯めれたら、ひとり暮らしをするよりも年間で48万円も貯金ができます。
ひとり暮らしに比べて家賃や水道費、光熱費などの支出が少なく抑えられることが実家暮らしのメリットでしょう。
つまり、住んでいる地方にもよりますが、本気で貯金を考えているならば、実家暮らしの方が断然お得だといえます。
なぜ貯金が貯まらないの?
「貯金をしようと思っているのに、なかなかお金が貯まらない……」という人もいるのではないでしょうか。
お金が貯まらないのには、普段何気なくやっている行動にあるかもしれません。以下のような行動をしていないのか今一度確認してみましょう。
- 弁当は作らず、外食が多い
- 外出時、細かな消費をしてしまう
- 支出を管理せず、どんぶり勘定でお金を使ってしまう
- クレジットカードを無計画に使ってしまう
- 毎月決めた額の貯金をしていない
- 生活リズムが崩れることが多い
外出時ついつい無駄使いをしてしまいがちな人は要注意です。時間がないからとスーパーではなくコンビニでお金を使う、缶飲料やペットボトル飲料をすぐに買う、衝動買いをよくしてしまう、ビニール傘を出先でよく買うなど、日常のあらゆる場面で注意をするようにしましょう。
現金を最低限しか持ち歩かない、給料から自動で貯金されるようにする、貯金用と生活費用の口座を分けるなど、無駄使いに制限をかけてみるのもひとつの方法です。
貯金の必要性と、貯金可能な金額を踏まえたうえで、自分の生活を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
20代から貯金をするときに知っておきたい税金と銀行の仕組み
なるべく節約を行って、貯金する額を増やそうと思っている人も多いでしょう。
以下では、20代から貯金をするときに知っておきたい税金と銀行の仕組みをご紹介します。
直接税と間接税
20代で税金のことを深く考えている人は少ないのではないでしょうか。
税金とは、国や地方公共団体が活動するためのお金を、私たち国民が負担しているものです。税金は大きく直接税と間接税の2つに分けられます。
直接税は、払っているという実感が強い税として知られています。働いて得られたお金にかかる所得税や、住んでいるところに対してかかる住民税などが直接税です。
間接税は、買ったものに対してかかる税金のこと。消費税が代表例です。
貯金する上で注意したい非課税のチャンス
税金は、自分たちの生活のために使われている、国民の義務だといっても、やはり負担は減らしたい人がほとんどでしょう。
先ほど「働いて得られたお金には所得税がかかる」と紹介しましたが、所得と収入の違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。
収入とは、いわゆる税や保険料などが差し引かれる前の純粋な額面のお金のことです。自営業の人だと、売上金額と考えると、わかりやすいでしょう。
一方、所得は、収入から経費や控除といったものを差し引いたお金のことです。つまり「収入-(経費+控除)=所得」になります。前述の通り、「所得」に対して課税が行われます。
つまり、計算式からわかる通り、控除を増やせば所得税は減らせます。控除には医療費控除や住宅ローン控除、寄付金控除など、様々な種類があります。
増やせる控除がないか調べてみることをおすすめします。
次に、貯金について税金をなるべく減らす方法をご紹介します。
貯金は、一般財形貯蓄(自由に使える貯金)、財形住宅貯蓄(家をたてるための貯金)、財形年金貯蓄(老後の資金目的の貯金)の3つに分けられます。
このうち財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、貯蓄残高550万円までは申請すれば非課税の対象にできます。もちろん、目的に応じた使い方が成されているかはチェックされていますが、どちらも人生の中で貯める機会のあるお金です。
これらを知ったうえで貯金するのと知らないのとでは、浮かすことのできるお金も変わってくるので注意が必要です。
貯金を効率的に増やせる定期預金
控除や非課税の貯蓄制度の知識を身に着けた上で、貯金をする際に利用する定期預金のポイントをご紹介します。
定期預金は、預ける期間を選ぶことで利子がつきます。ついた利子を利子として受け取るのが単利、受け取らずに元のお金に組み込むのが複利です。
複利の場合、利子を組み込んだお金に対しまた利子がついていくため、最終的に単利の場合よりも多くの利子が得られます。
複利は、3年以上預ける場合に使える制度です。長い間預けることで、効率よくお金を増やしたい人にはおすすめの方法です。
元のお金に利子を組み込んでいくタイミングは、銀行によって変わってきます。このスパンは短い方がお得になってくるので、預ける前によく調べてみることが必要です。
また、利子にかかる税金についても、単利の場合は利子がつくごとに毎回引かれるのに対し、3年以上の定期預金は満期一括で引かれるため得になります。
4つの預金の種類
「お金を預けるだけで増えるなら預けておきたい」という人も多いでしょう。
しかし、よく調べずにお金を預けてしまうと、後悔する可能性があります。
以下では、預金の種類を詳しく解説します。預金の種類をよく知り、賢くお金を増やしましょう。
預金の種類1.お財布がわりに使える「普通預金」
1つ目の預金方法は、「普通預金」です。
普通預金は、他の種類の預金にくらべると普段の生活に便利な機能が豊富に揃っており、自分のお財布がわりに日常的に使える預金口座です。
普通預金のサービス内容や取り扱いは銀行によって違いはあるものの、どの銀行であっても便利な機能が揃っているのが特徴です。
また、普通預金の預け入れ金額は1円以上1円単位でお金の出し入れが自由。金利は変動金利になっており、定期預金のように預金満期はありません。
普通預金の便利な機能として、公共料金や家賃などの自動支払いや、給与や年金などの自動受け取りが可能な点などがあります。また、普通預金には、元本保証があり、預金保険の対象になっています。
しかし、普通預金は、他の貯蓄預金や定期預金などの種類の預金に比べて金利が低く設定されていることに注意しましょう。
預金の種類2.高金利な「定期預金」
出典:www.tbb.ee
定期預金は、最初に預け入れ期間を決めて利用するという種類の預金です。
定期預金の預入期間は、1年・2年・3年後などの期間の種類から選べられ、預金は満期日まで基本的に引出しができない形式の預金です。
そのため、普通預金などの他の種類の預金に比べて金利が高く設定してあり、収益性の高い預金になっています。
また、定期預金には、固定金利型定期預金と変動金利型定期預金の2種類のタイプがあります。
固定金利型定期預金の特徴
固定金利型定期預金と変動金利型定期預金の違いについてご説明します。
まず、固定金利型は、お金を預けたときの金利がそのまま適応されるものです。
預入金額300万円未満の固定金利型定期預金をスーパー定期預金といい、預入金額300万円以上のものをスーパー定期預金300といいます。基本的にスーパー定期預金よりも、スーパー定期預金300のほうが金利が高く設定されています。
固定金利型定期預金の預け入れは1円以上1円単位からでき、始めに預け入れた時の預金金利が預金満期日まで適用され、元本保証があります。
また、固定金利型定期預金は、預金保険の対象となっており、総合口座の預金にセットできるところが特徴です。
変動金利型定期預金の特徴
固定金利型に対して変動金利型は、金利が上昇すれば利息も上昇するものですが、金利が減少する場合もあるので、注意が必要です。
金利が減少しても、元本保証があるので、預けたお金が減ることはありません。金利が減少すると、預けたお金が増えるスピードが変わります。
変動金利型定期預金の預け入れは1円以上1円単位ででき、預金の適用金利が半年ごとなど、一定期間ごとに変更されます。また、固定金利型と同じく、変動金利型定期預金も、預金保険の対象となっており、総合口座の預金にセットできます。
預金の種類3.普通預金と定期預金の長所が組み合わさった「総合口座の預金」
出典:gbtimes.com
3つ目の預金方法は、「総合口座の預金」です。
総合口座で行う預金は、貯める・増やす・受け取る・支払うなどといった便利な機能がセットになっているのが特徴です。
総合口座の預金で出来る便利な機能に「当座貸付」があります。
例えば、普段使いのお金の出し入れは普通預金、毎月の貯蓄は定期預金の場合、公共料金の引き落としが多く普通預金のお金が不足していた場合には、自動的に貸付をしてくれるというものです。
預金の種類4.預金残高が基準残高だと高金利になる「貯蓄預金」
4つ目の預金方法は、「貯蓄預金」です。
貯蓄預金は、残高が定められた基準残高以上の預金がある場合には、大抵の場合、普通預金より金利が高くなるという預金です。また、貯蓄預金は個人での利用に限られており、預け入れは1円以上1円単位ではありますが、銀行が定めた基準残高以上の預金がなければ、普通預金よりも高い金利にはなりません。
貯蓄預金のお金の出し入れは自由ですが、公共料金の自動支払いや給与などの自動受け取りなどには利用できません。
貯蓄預金の金利は変動金利で、預金の満期はなく、利息は残高1,000円以上の場合に、1円単位ごとにつくことが多いです。また、この貯蓄預金は元本保証があり、預金保険の対象です。
20代から簡単に貯金をするために知っておきたいこと
預金の種類を知ったところで、預金をするための資金を作り出す方法をご紹介します。
なかなか貯金が増えない人はぜひ参考にしてください。
貯蓄用の口座を分ける
20代から簡単に貯金をするための1つ目の方法は、貯蓄用の口座を分けることです。
貯蓄をする際、収入と支出のバランスを考えることが大切になります。まずは家計簿を作り、自分が月間でどれぐらいの金額を使っているのかを把握してみましょう。スマホアプリを使うと簡単に家計簿をつけられます。
出費を整理してみることで、今現在必要な金額、そして無駄遣いとなっている金額を判断しましょう。
預金があればそれだけ使ってしまうという人は、銀行口座を2つ作成し、給与の受け取りと貯金用の口座を使い分けることで使いすぎる心配がなくなります。
「余ったら貯金に回す」「残ったお金は貯金としておいておく」としておくと、使っていいお金と貯蓄しているお金がわからなくなってしまいます。
「貯蓄用の口座にあるお金は引き出さない」といったルールを作ることがおすすめです。
1ヵ月の無理のない貯金額を決めておく
20代から簡単に貯金をするための2つ目の方法は、1ヵ月の無理のない貯金額を決めておくことです。
どれぐらいの金額を貯金すればよいのかは、ライフスタイルによっても異なります。実家暮らしの場合、生活費が低く押さえられるため金額を貯金に回せますが、ひとり暮らしの場合は、貯金が困難な場合があるのではないでしょうか。
適切な貯金の額を決めるためにも、まずは何をするために貯金をするのかを明確にしておく必要があります。
結婚や住宅の購入など、ライフプランの設計ができている場合は、それを踏まえて貯蓄すべき金額を決めましょう。逆算して1ヵ月の貯金額を無理がない範囲で設定すると、簡単に貯金できます。
給料から天引貯金をする
20代から簡単に貯金をするための3つ目の方法は、給料から天引貯金をすることです。
給料から天引きすることによって、貯金が自然に貯まる制度を会社が設けている場合もあります。
社内で貯金を預かってくれるケースもありますが、多いのは財形貯蓄制度を利用しているケースです。
財形貯蓄制度とは、会社が年金のように積立をしてくれる機関に運用を委託して、安定した資産運用をしてくれる制度です。1000万円までの積立は税金面での優遇があり、非課税になるというメリットもあります。
財形貯蓄制度には種類があり、住宅の積立金にしか貯蓄を用いることができない場合もあるので注意しましょう。一度会社が加入しているのかどうか、そして、どのような財形貯蓄制度を採用しているのかをチェックしてみてもいいのではないでしょうか。
20代からお金を貯めるための知識をつけておこう
- 自分の環境に合わせて、無理のない範囲で1ヵ月貯金額を決める
- 預金の種類を知って、自分に合った預金方法を決めよう
- 給料から天引きしたり、無駄を省いて貯金をしよう
20代の貯金事情や貯金方法、預金の種類などをご紹介しました。
「いつの間にかお金が減っている」という人は、家計簿をつけてお金の管理をしてみましょう。
本記事を参考にして、効率的にお金を貯めてみてはいかがでしょうか。
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