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「聴く力」と「聞く力」の違いわかりますか? 目とココロできく“ビジネス傾聴”:『仕事耳を鍛える』

t.k

2016/05/26(最終更新日:2016/05/26)


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出典:www.gsa.europa.eu
 上司、部下、クライアント――様々な人の意見を「聴く力」が、ビジネスシーンでは問われている。多忙なビジネスマンは、そのすべてを逐一聞いていたら仕事が回らないが、「聴く力」を発揮しなければならない場面も多い。実際、できるビジネスマンは、そのような「聴く力」でビジネスシーンを加速させている。

 本書『仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門』では、できるビジネスマンになるために必須の「聴く力」が身につく。しかも、それは意識を変えるだけで済むのだ。是非、本書で意識改革を行い、「聴く力」で多数の人々の要望をまとめ上げていって欲しい。

「聴く力」のエッセンス

「聞く力」と「聴く力」の違い

 まず「聞く力」とは、英語のリスニングのように、その発言を正確に聞き取る力だ。それに対し、「聴く力」とは、相手の発言の真意を捉える能力だ。例えば、二人で飲食街を歩いているときに、相手が「お腹すいた」といったら「じゃあ、あの店に食べに行こうか」という風に、真意を端的に察してあげる力が「聴く力」だ。

 また、「聴く力」というと、多くの人は相手の話を「じっと長く聴けること」を連想するが、そうではない。なぜなら、顧客の話を「長く」聴いてあなたの仕事に支障が出てしまっては、「聴く力」がビジネスに有効なスキルとは呼べないからだ。ここでいうビジネススキルとしての「聴く力」とは、相手の真意を端的に察してあげる力である。「真意を察する」ことなので、「長く聴く力」とは無縁のビジネススキルである。

「聴く力」を鍛えた方が、会話においては効率的である

 会話は「伝える力」と「聴く力」で成立しているが、情報共有の意味で考えると、「聴く力」を鍛えた方が効率的である。なぜなら、伝える力を上げようとすれば、相手によって事前に内容を整理し、話し方を工夫しなければならない。だが、それでも説明ミス等で、見当はずれな受け取り方をされることがある。それに比べて「聴く力」を上げることは、相手の「真意を見抜く力を上げること」のみなので準備はいらない。また、わからなくなれば、相手の「真意を見抜けるように」質問すればいいだけなので、見当はずれな展開になることも少ない。

「聴く力」があるかを決めるのは、相手

 あなたが、ビジネスにおいてどんなに「聴く力」があると思っていても、相手が真意を理解していないと判断すれば、「聴く力」がない人と認定される。なぜなら、ビジネスにおいてあなたの能力を評価するのは、相手だからである。

あなたの「聴く力」レベルチェックと向上法

 聴く力のレベルとその段階を下記にまとめた。

聴く力の4つのレベル

  • 【聴く力レベル0】
    人の発言を聴く意思を持っていない
  • 【聴く力レベル1】
    人の発言を聴いているつもり
  • 【聴く力レベル2・3】
    人の発言を自己解釈で聴いてしまう
  • 【聴く力レベル4】
    相手の真意を察することができる

聴く力レベル0:「人の発言を聴く意思を持っていない人」の向上法

 相手の話に「耳を傾ける意義」を自身で把握しておくことが、聴く力を高めることが肝要だ。もし、そういった意義が見つからない時は、より広い見地で捉えてみるのもいい。例えば、相手の話を聞いてあげて気分良くしてあげれば、この先に有用な情報や手助けをしてくれる可能性もある。そうやって様々に意義づけしてみて、聴く力を発揮する意欲を上げるのだ。

聴く力レベル1:「人の話を聴いているつもり人」の向上法

 つい他の作業をしながら話すと、「人の話を聞いているつもり」になり、その実、「聴く力」を全く発揮できていないケースになりやすい。割と仕事のできる人に多い「聴く力」を発揮できていないケースである。こういう時は一端作業を止め、相手と目を合わせて会話することで「聴く力」を発揮できるようになろう。

聴く力レベル2・3:「人の発言を自己解釈で聴いてしまう人」の向上法

 相手のいうことを自分に都合よく解釈してしまい、「聴く力」を発揮できないようなことはしばしば散見される。こういったときは、聴く力を発揮するために「相手の真意は何か」を意識するといい。結局、自分に都合よく解釈しまうのは意識の問題なので、その意識を相手に向けさせることで、自然と聴く力のある姿勢が備わってくる。

聴く力レベル4:「相手の真意を察することができる人」の向上法

 相手の真意を察する「聴く力」が身についているので問題はないが、さらにあなたの「聴く力」を向上させたい。その次のステップとしては、相手の真意をジェスチャーや表情で受け止めてあげるのだ。そうすることで、相手に真意を分かっていることがより視覚的に伝わり、「聴く力」のある人であることをアピールできる。


 以上、本書『仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門』から、「聴く力」について述べてきた。今までの「聴く力」の誤解を解消し、真の「聴く力」へ意識を向けさせることはできただろうか。本稿の通り、聴く力は、意識次第で誰にでも身につく。是非、本書『仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門』を通じて、「話がわかる」ビジネスマンとなって、ビジネスシーンを加速させていただきたい。

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