ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「ネット時代だからこそ・・・!?」〜vol.663〜』では、不動産業の運営方針に悩む質問者にホリエモンが厳しい一言。
今回取り上げたのは、「私の母は一人で不動産仲介業を営んでいます。ショッピングモールや路面店のテナントを誘致したり、逆に新規で出店したい企業からの依頼で土地の仲介や条件交渉をしたりしています。現在は、後者の土地を探してきて仲介するパターンが多いのですが、基盤が東海圏なので地主さんは高齢の方が多く、リアルのコミュニケーションを重視。やりとりを重ねることで出店側も借りる側も円満に契約できるよう努めており、優良中小企業や大手からも受注しています。
しかし、今後ネットのマッチングサイトがどんどん不動産仲介市場を侵食してくると思います。また地主さんも相続で息子に譲ったりと世代交代が起こると、仕事のやり方も変わってくるかもしれません。会社として規模の拡大を目指すのであれば、今後どのような方向性をとるべきでしょうか?」という質問。
ネット重視が進んだ今だからこそ、リアルでのコミュニケーションが大きな武器に!?
ホリエモンは、「どんな方向性にいきたいかによるんじゃないかな。自分でビルを建てて収益物件化してからバイアウトしてもいいし(実際、建築費を徹底的に相見積もることで数割安くする会社は、自分たちでデベロッパーをやってバイアウトしている)、ネットのマッチングサイトを自分たちで作ってもいいし。何をやりたいかだね」と回答。
リアルのコミュニケーションで成功している不動産仲介業が、ネット時代に向けて何をすべきか尋ねた今回の質問だが、ホリエモンは「やりたいこと次第」と回答に窮している様子。これには今回のゲストでベンチャーに特化したオフィス移転パートナー「スイッチオフィス」を運営する株式会社ヒトカラメディアの代表取締役 高井淳一郎氏も完全に同意。
加えて高井氏は、「そこまで目指したい方向性がないのなら、変に新しいことをやらなくてもいい」という。というのも、高井氏は質問者の現状をむしろチャンスだとも捉えることができると考えているからだ。
質問者は、これからネットにどう対応すべきか悩んでいるが、実際は時流の移ろいはもっと早く、既にかなり多くの不動産仲介業者がネット進出を果たしている。しかし、ネットでのサービスに重きを置く会社が増えているため、逆に最近はリアルでの応対を強みにするサービスが少なくなってきていると高井氏は言うのだ。
つまり質問者の母親は、期せずして市場の隙間に上手くフィットしたサービス運営を行えていることになる。ネット化が加速した現状の不動産仲介業だと、一昔前なら当たり前だったリアルでのコミュニケーション特化は、むしろ他の事業者とは違った強みになりうるのだ。
ホリエモン「やっぱり、質問が良くないよなぁ」
リアルでのコミュニケーションという明確な強みがあるのだから、下手にネットに手を出す必要もないという一方で、高井氏は次の一手を打つ際にどんな考え方をすべきかもアドバイス。あくまでリアルへの強みを基盤に置いた上で、そこで既にマッチしている人たちへの強固な情報発信の手段としてネットを使うべきだと話した。
これはつまり、新規層へのアピールではなく、既存客への密な対応ケアとしてネットを使うということ。今からネットで新しいことをやろうとしても、大抵の施策は先行者が実行済み。新たなパイを獲得するために慣れないことをやるより、リアルのコミュニケーションで手が届く範囲の人々により訴求するためにネットを使うべきなのだ。
ホリエモンは高井氏の指摘に全面同意するものの、「そうなんだけど、やっぱり質問がよくないよね」と渋い反応。ホリエモンの回答が示しているように、現状でもやれることはたくさんあるはずだが、そもそも質問者がどういう方向を目指しているかがハッキリしない限り、適切なアドバイスなどできるはずがないのだ。
「『質問のクオリティが低い』というコメントもあるけど本当にその通りだし、やっぱり不動産投資ってリスクが高いからなぁ」とため息を漏らすホリエモン。そもそもの金額の高さや震災や劣化などの価値低下など、数ある投資対象の中でも扱うのが難しいのが不動産。にもかかわらず、ホリエモンへの質問数の多さからも分かるように生半可な知識で手を出そうとする人が後を絶たないのだ。
「アドバイスとしては、じゅんじゅん(高井氏)が言った通りだと思うよ」と言いながらも、イマイチ煮え切らない様子のホリエモン。リスクの高さもあってアドバイスがしづらいのかもしれないが、それ以上に投稿者の熱意を感じられない質問ばかりで回答にも熱が込められないようだ。
ホリエモンが不動産仲介業の実態を語った『堀江貴文のQ&A「ネット時代だからこそ・・・!?」〜vol.663〜』。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう