銀行を利用した際、気付いたら定期預金の口座残高がマイナスになっていて、驚いたあなた。理由もわからず通帳の残高がマイナスになってしまうと、焦ってしまいますよね。
本記事では、定期預金の通帳残高がマイナスになる理由と、マイナスになったときの対処法を紹介していきます。
- 通帳残高がマイナスになっている理由
- 通帳残高がマイナスになったときの対処法
定期預金の通帳残高がマイナス表記になる理由とは
定期預金の残高がマイナス表記されていると「なんでマイナスになっているの!?」「そもそも、マイナスになることってあるの?」と不安になるでしょう。
実は、定期預金に預けられている金額以上に引き出しした場合は、通帳残高がマイナスとなってしまうのです。
まずは、定期預金の通帳残高がマイナス表記になる理由を解説します。
通帳残高がマイナスになるのは「総合口座」が関係している
定期預金の通帳残高がマイナスになる原因は、銀行預金をする際に「総合口座」を使用していることが関係しています。
「総合口座」とは、普通預金に加えて定期預金や積立預金などが同じ通帳にセットされているタイプの口座のことです。一冊の通帳で複数の預金口座を管理できるようになる、最近の主流の口座です。
通帳残高がマイナスなのは、銀行から借り入れを行っている状態
ご存知ない方も多いかと思いますが、実は「総合口座」の手帳には、「自動融資機能」が備わっています。
「自動融資機能」とは、普通預金に預けている金額を超える自動引き落としや公共機関やカードの引き落しがあった場合、定期預金を担保として定期預金額の90%までを上限に、自動的に融資が行われる機能です。
自動融資機能がなければ、銀行の普通預金に預けている金額以上の引き落としが来た時、引き落としが完了しません。数日だけお金を入金することが間に合わない人や忘れっぽい人には、大変便利なサービスです。
実際に自動融資が行われると、融資金額が残高の部分にマイナスとして表示されます。つまり、普通預金口座の残高がマイナスとなっている場合は、銀行から借り入れを行っている状態です。
マイナスになるのはいくらまで?
マイナスの上限は定期預金の金額や銀行により異なります。前述の通り、定期預金金額の90%までを上限に自動融資が行われることが多いです。
もし、100万円の定期預金が引き落とし銀行と同じ銀行にあると、最大90万円の自動融資が行われます。つまりマイナスの上限は、定期預金が100万円の場合は、最大でもマイナス90万円です。
定期預金の通帳残高をマイナスのまま放置したらどうなる?
使い方によっては便利な自動融資機能ですが、リスクもあります。
正しい使い方ができるように、自動融資機能の知っておきたい注意点について詳しく解説していきます。
通帳残高をマイナスのまま放置すると、利息がひかれる
「マイナスになっていても、カードの支払いはできたみたいだからいいか」と思い、定期預金の通帳残高をマイナスのまま放置すると、利息が引かれてしまいます。
定期預金の通帳残高にマイナスがついているということは、「銀行から借金をしている」ということです。自分の口座の定期預金ではありますが、自分の定期預金からではなくあくまで銀行からの借金であることに注意してください。
銀行からの借金である以上、当然残高のマイナス分には利息が発生してしまいます。
借入金利は「定期預金利+0.5%」が一般的
銀行で普通にお金を借りる場合、高い利息を支払わなければなりません。自由に使うための借り入れ金利の相場は金額にもよりますが、相場は5%〜18%です。
自動融資機能を使用した当座借越の場合は、比較的低い利息になっていることが多いです。金融機関によって異なりますが、多くの金融機関の借用金利は、「定期預金利率プラス0.5%」です。
定期預金の通帳残高をマイナスのまま放置してしまうと、普通預金よりも金利が高い定期預金に預けているにもかかわわらず、マイナスの利息分の方が多いため、毎回残高から一定額を引かれてしまいます。
この借用金利は一日ごとに適用され、定期預金の通帳残高をマイナスのまま放置していると、定期預金の意味もなくむしろ金銭的に損をしてしまっている状態です。
カードの引き落としができなかった場合信用情報に傷がつく
定期預金の通帳残高のマイナスが、定期預金金額の90%を越してしまうと、それ以上自動融資が行われません。普通預金に残高がない場合に自動融資が行われないと、クレジットカードの引き落しができなくなります。
カードの引き落しを滞納すると、信用情報機関にあなたの滞納の記録が乗ってしまい、信用情報に傷がついてしまうことがあります。
信用情報に傷がついてしまうと、新たなローンが組めなくなったり、カードの利用ができなくなったり、新たな賃貸を借りれなくなったりします。また、一度傷がついてしまうと、5〜10年修復にかかってしまい、将来困るシーンが出てくることも。
さらに、カード会社に振り込みをする際、振込手数料がかかってしまいます。振込手数料だけでなく、遅延損害金を支払わなければいけない場合が多いです。遅延損害金は滞納した翌日から発生し、「ショッピング」と「キャシング」の場合では、金利は異なります。しかし、多くの金融機関では14%〜25%の金利がかかってしまいます。
カードの支払いを滞納すると催促状が送られてきたり、カード会社から電話がかかってきたりします。滞納する前にできるだけ支払を済ませるように、通帳の残高がマイナスになっていないのか、十分な額があるのか定期的に確認しておくようにしましょう。
定期預金の通帳残高がマイナスになったときの対処法
定期預金の通帳残高がマイナスのまま放置するリスクはおわかりいただけたでしょうか。
故意ではなく残高がマイナスになってしまい、焦ってしまっている人もいるでしょう。では実際にマイナスになった際の対処法を紹介していきましょう。
対処法1.口座に入金する
定期預金の通帳残高がマイナスになったときの1つ目の対処法は、「口座に入金すること」です。
他の銀行の口座にお金が余っており、ある程度お金に余裕があれば、マイナスとなっている口座に即座に入金し、プラスに戻すことが一番の解決策です。
対処が遅れば遅れるほど、銀行から利息分が引かれていくことになるため、一日でも早く入金をするようにしましょう。
対処法2.定期預金を解約する
定期預金の通帳残高がマイナスになったときの2つ目の対処法は、「定期預金を解約すること」です。
銀行口座に入金する余裕がない場合は、定期預金を解約してでも、マイナス残高をストップさせなければ損してしまいます。
具体的にどれくらい損するかを考えていきましょう。
例えば、30万円の定期預金があり、10万円の自動借入を60日間使用したとします。
担保にしている定期預金の金利を0.03%とすると、借入利率は0.03+0.5=0.53です。10万×0.53×60/360=87円が引かれてしまいます。
そして定期預金の1年間の受け取り利息は、30万×0.03=90円。国税13円と地方税4円を引くと、手取りは73円となり、14円損してしまいます。
これに対して、30万を解約して普通預金に移し、10万を返済した場合を考えてみましょう。
20万円が普通預金に残り、普通預金の金利が0.02%とした場合、20×0.02%で、40円の利息を受け取ることができます。国税6円と地方税2円を引いたとしても、一年間で32円の利息が付くことになり、ある程度の利益を得られます。
このように、定期預金を解約したほうが多少の差ではありますが長い目で見てメリットが大きいことがわかります。
口座残高がマイナスになったら早めに対処して出費を減らそう
- マイナスになるのは銀行から借金しているため
- 放置しておくと、リスクが高い
- 定期預金を解約してもマイナスを解消する
本記事では定期預金の通帳がマイナスになってしまった場合の原因やリスク、対処法を詳しく説明してきました。
一見便利な自動融資機能ですが、利点だけではなく欠点もあるので注意が必要です。
もし残高がマイナスになっていた場合は、できるだけはやく入金するようにしてください。
「口座が多すぎて管理が大変」「クレジットカードを使いすぎてしまう」など、マイナスになる原因がわかっている場合は、根本的に解決できるようお金の管理について見直してみることもおすすめです。
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