HOMEビジネス デリバティブってどういう意味?デリバティブ取引は儲かるの?

デリバティブってどういう意味?デリバティブ取引は儲かるの?

粕谷満子

2016/09/13(最終更新日:2016/09/13)


このエントリーをはてなブックマークに追加

デリバティブってどういう意味?デリバティブ取引は儲かるの? 1番目の画像
出典:business.nasdaq.com
 「リスクヘッジ」や「レバレッジ効果」などの利益をもたらすことで、今や資産運用をする上でなくてはならない知識となっている「デリバティブ取引」であるが、その種類や運用法は多岐に渡り複雑化していることは否めない。

 過去にはこの運用に失敗して莫大な損害を被った例もあることからデリバティブ取引を行うには正しい知識を身につけた上で臨むべきである。本記事ではデリバティブとは何か、また実際にデリバティブ取引を行った際にどのような利益が得られるのか、説明したいと思う。

デリバティブの意味について

 デリバティブとは日本語で「金融派生商品」や「派生商品」などと訳され、その対象とする商品(原資産)や変数によってその商品価値を相対的に定義できるものを指す。デリバティブの起源を遡れば遥か昔から存在している概念であり、日本では江戸時代米商人の間で先物取引の原型とも言えるような取引が行われていたという。

 このデリバティブを扱う取引を行うことでリスクを最小化する効果や利益の追及が可能となり、現在様々な取引にこのデリバティブの考え方が用いられている。

デリバティブ取引の仕組みについて

 デリバティブ取引とは、原資産から定められる証拠金を払うことで参加できる取引で、現物の価格変動のリスクを考慮して一定の条件で譲渡を約束する契約のことをいう。扱う原資産によっていくつかの種類があるデリバティブ取引であるが、広く知られているものに「先物取引」、「オプション取引」、「スワップ取引」がある。これらのデリバティブ取引の利用方法は主に「ヘッジング」と「スペキュレーション」の2つがあり、それぞれ得られる効果が異なる。

 株式や債券は日々価格が変動し損失が発生する可能性があり、将来売買する予定には不確定性がつきまとう。この市場リスクを最小化するためにデリバティブ取引を用いる考え方が「ヘッジング」と呼ばれている。この市場リスクは金利や為替についても同様の考え方が適用できる。

 またデリバティブ取引を用いて将来の価格変動を予測することで、短期間で利益を得ようとする考え方が「スペキュレーション」と呼ばれている。少ない投資金で比較的大きな売買を可能とする「レバレッジ効果」を利用しているこのスペキュレーションが活発に行われていることで、現在の市場は一定の流動性を確保できているといえる。

デリバティブ取引は儲かるの?

 ここで資産運用をする人にとって最も気になると言えるのがデリバティブ取引は果たして儲かるのか、ということである。ここで儲けの仕組みが比較的わかりやすい「オプション取引」の仕組みについて説明したいと思う。

 「オプション取引」は金融商品をあらかじめ定めた価格で売買するかどうかを選択する権利を持つ取引のことをいい、この権利を得るためには購入する必要がある。このオプション取引は将来価格変動によって発生する損失リスクを最小限にとどめつつ、利益を得る選択肢も保有しておくという使用法が可能である。ここで利用するのが「反対売買」である。

 まずオプション取引をする上で知っておくべき用語として「オプション・プレミアム」という言葉がある。このオプション・プレミアムとは売買を選択する権利を得るために必要な料金のことをいい、この権利を購入した後は当人の利益を追及する行動が可能であることがオプション取引の最大のメリットである。つまり、当人の損失の最大値がオプション・プレミアムの価格であり、市場の値段がこの値以上に値上がりした場合に反対売買を行うことで、市場価格とオプション・プレミアムの差額が当人の利益として得られる結果になる。


 デリバィブ取引の本質的な利点として、現物の取引を行うよりも利益の上限が低い代わりに損失が発生するリスクを最小限にとどめることができることがある。この特徴をうまく利用すればデリバティブ取引で儲けることのできる確率は高いであろう。しかし実際にデリバティブ取引を行って儲けたいという際には、これらの複雑な仕組みをしっかりと理解することが前提条件であることを忘れてはならない。

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード