小売業界が消費増税の煽りを受けるなか、堅調な成長を続けているのが中古ブランド品販売。東証二部上場の中古ブランド品販売を手掛ける「コメ兵」は、2016年3月期第3四半期累計(2015年4月〜12月)の決算において売上高339億1800万円と、前年同期比106.6%の増収を発表し、販売店舗の新規出店を矢継ぎ早に進めている。
その成長曲線を支えるのが、訪日外国人観光客によるインバウンド需要だ。コメ兵の売上高の約15%はインバウンド客が占めており、特にその半分を占める中国人観光客による売上高は、前年同期比122.2%の成長を見せている。
新品ブランド品の爆買いは理解できるものの、なぜ外国人観光客は日本の中古ブランド品を買い漁るのか? 今回はその謎を、ブランド品オークション「スマオク」の顧問鑑定士を務める本島大介氏に伺った。
世界一品質に厳しい日本人による“安心の中古ブランド品市場”
by Danny Choo――日本の中古ブランド品は、いつから人気なんでしょうか?
本島 ここまで一気に市場が広がったのは、やはりインターネットが当たり前になってからでしょう。そして実は、海外には「中古品」というものはあまりなく、日本ほど一般的ではありません。
外国人観光客に日本の中古ブランド品が多く買われているのは、やはりその品質の高さが認められているからでしょう。日本人は、「世界一品質に厳しい」と言われているなか、モノを丁寧に扱い、規制が厳しいため偽物もほとんどありません。
メイド・イン・ジャパンになぞらえて、日本で鑑定されたものを指す「チェックド・イン・ジャパン」という言葉もあるほど、日本の中古ブランド品の流通量の多さ、品質の高さに人気が集まっています。
――なぜ日本では、品質の高い中古ブランド品が多く流通しているのでしょうか?
本島 そもそも日本人のブランド品に対する消費行動は、欧米と比べ、異常とも言えるほどです。日本では、高校生含めほとんどの人がなにかしらブランド品を身に着けていますが、欧米では一部の富裕層に限られています。そのため、日本ではどこの地域でも同様にブランド品が手に入るようになっています。海外では、ブランド品は都市部でしか買えないことも多いのです。
それだけ日本人はブランド品と距離が近いため、品質の高さも相まって、中古市場が成立しています。これだけ中古ショップが多いのは、日本くらいでしょう。
――買取からどのような流れで再度店頭に並んでいるんですか?
本島 大手の買取店によって集められた中古品は、全国で頻繁に行われているセリ市に卸され、数々の中古ショップに出回ります。中古品は新品と違い、供給が安定していないため、大手の中古ブランドショップから出品された不要な在庫を市場で仕入れていることがほとんどです。またそのセリ市には、50業種ほどが参加しており、入場には古物商許可が必要となります。
このように新品を購入する消費者、そしてそれを中古品として買い取る大手中古ショップ、その在庫を買い取る中小の中古ショップ、中古品を購入する消費者によって、中古ブランド市場が成り立っています。こうして市場が成熟していることもありますが、日本では中古ショップによる偽物の販売が摘発されると、すぐに営業停止になってしまうため、極端に安いものでないかぎり、偽物であることも少ないでしょう。
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中国経済の急激な減速もあり先行きが不透明ではあるものの、2015年の訪日外国人観光客が2000万人の政府目標に肉迫するなど、まだまだ勢いを増すであろうインバウンド需要。そして世界一品質に厳しい日本人の目によって生まれた“安心の中古ブランド品市場”。「ショッピングツーリズム大国」に向けて、購買活動を下支えするのは、中古ブランド品であることは間違いなさそうだ。
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