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部下よ、上司は「勘違いして暴走する生き物」だ! 優秀なイエスマンの功罪:『「上司」という病』

Naoya Shishido

2016/03/10(最終更新日:2016/03/10)


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部下よ、上司は「勘違いして暴走する生き物」だ! 優秀なイエスマンの功罪:『「上司」という病』 1番目の画像
by kev-shine
 どんな職場にも「困った上司」「迷惑な上司」というのはいるものだ。自分の立場を鼻にかけ、理不尽な要求を平気でしてくる上司は数少なくない。そしてその被害を被るのは、いつだってその上司の部下たちだ。なぜ世の中にはこんなにも困った上司が多いのだろう。もっとまともな人が部下の上に立つべきなのではないか、と心底不思議に思っている人も多いだろう。

 しかし問題は、そういった迷惑な上司の被害を被っているかのように見える部下の立場の人間たちこそが、実は上司の暴走を“助長”してしまっているところにある。本書『「上司」という病 上に立つと「見えなくなる」もの』では、迷惑な上司の特性と部下がとるべき適切な対応について述べている。今回は、それらを本書内からいくつか抜粋し、紹介していきたい。

部下は上司が「勘違い」する生き物だと認識する。

部下よ、上司は「勘違いして暴走する生き物」だ! 優秀なイエスマンの功罪:『「上司」という病』 2番目の画像
出典:teamgantt.com
 野球評論家の張本勲氏が、Jリーガーの三浦知良選手に対して「引退したほうがいい」と発言したことで話題になったことを覚えている人も多いだろう。張本氏らしいと言えばらしい発言ではあるが、そんなことを言ったらバッシングを受けることくらいわかりそうなものなのに、何故過激な発言を繰り返してしまうのか。理由はいたって簡単。周りが容認するからだ。

 冷静かつ客観的に考えれば、かつてのプロ野球の名手であり、その業界の重鎮である張本氏の発言であれば、周りは受け入れるに決まっている。しかし、本人だけは自分の発言で周囲が喜んでいると勘違いし、発言はより過激になっていく。

 上司と部下の関係でも同じことが言える。部下であれば上司の過剰な言動でも諫めることは難しいかもしれない。すると上司は、部下は自分の言動を容認していると勘違いしてしまうのだ。確かに、部下の立場からすれば上司に意見するのは容易ではないだろう。しかし、部下のその少しの勇気が、今後の上司の部下に対する対応を変えてくれるきっかけになるのだ。

上司が部下に「されて当然」という気になるわけ

部下よ、上司は「勘違いして暴走する生き物」だ! 優秀なイエスマンの功罪:『「上司」という病』 3番目の画像
出典:www.quickanddirtytips.com
 自分のことを嫌いな部下、何かと異議を唱えてくる部下、自分の問題点を真正面から指摘する部下などは疎ましい存在だ。遠ざけようとする上司は多いはずだ。そして、優秀な部下であるほど近くに置きたがる。上司が欲しかった資料を、上司が指示する前に用意している部下がいたとすれば、どんな上司でもその部下を近くに置きたいはずだ。

 しかし、そんな優秀な部下こそが、上司にとっては「本物のイエスマン」となり、「されて当然」と上司に思わせてしまう原因になってしまうのだ。上司にヘコヘコしているだけの部下など、上司にとっては所詮二流のイエスマンでしかない。

 もちろん、仕事ができるのが良いことに変わりはない。いかに仕事ができようとも、部下が上司の変化に気づけないことが問題なのだ。本物のイエスマンの対応に慣れてしまった上司は、それ以外の部下にも同じ質の対応を求めてくる。そして、上司はその欲求が満たされないと、理不尽な理由で部下を叱責する。本物のイエスマンにならないためには、上司だけでなく周囲の環境を注視し、その時に応じた「上司と部下の距離感」を作り出すことが重要なのである。

部下は上司も例外なく「素人」であることを知る

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 厳然たる事実として、世の中にはひどい上司がたくさん存在する。しかし、部下の立場の人も「上司とはこうあるべきだ」「上司には最低でもこれくらいのレベルは必要だ」などの期待、理想、幻想、場合によっては妄想を抱いている人も少なくない。残念ながら上司と向き合うには、そんな期待を捨てるところから始めなくてはならない。

 それもそのはずで、仕事をするうえで最初からすべてを見通し、一貫した指示を出すなんて結構な能力がいる話だ。世の上司たちにそこまでの能力はないだろう。また、情報収集も不足しており、状況分析も甘いだろう。

 上司の側が素人なのだから、部下のほうが部下としてプロフェッショナルになるしかない。もっと言えば、部下として「上司をマネジメントする力」を身につけるしか、迷惑な上司と付き合っていく方法はないのだ。

上司を暴走させないために部下がすべきこと

  • 部下は上司が「勘違い」する生き物だと認識する
  • 上司が「されて当然」と思ってしまう空気を部下が作らない
  • 部下は上司が「素人」であることを知る

 本書『「上司」という病 上に立つと「みえなくなる」もの』では、更に細かく上司の特性と部下がなすべき対処法について述べられている。今回は、筆者が本書を読んで特に大事だと思ったことを抜粋した。

 迷惑な上司に限らず、疎ましく思ってしまう目上の人物は少なからず存在すると思う。しかし、そんなときに自分の置かれた状況の不遇さを嘆くばかりではなく、その状況をいかに良くすることができるか考え、冷静に行動することこそが必要なのである。

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