今回取り上げた質問は、「もし堀江さんが日本のケーブルテレビ会社を買収したら、どのサービスに力を入れますか? 今は様々な動画サービスがあり、見たい番組をいつでもオンデマンドで観られる時代。加入手続きが面倒で、多チャンネルが故に値段も高いケーブルテレビは徐々に加入者が減り、解約抑止の低価格サービス提供により売上が下がるというのが自然な流れだと思います。
テレビサービスだけでなくNETや電話、更にMVNOや見守り・セキュリティー、電気など様々なサービスで囲い込みを行おうとしていることも分かりますが、抜きん出たものではありません。また地域密着というキーワードも、特に具体的なサービス化ができているわけではないと思います」という質問。
ホリエモン「見たい番組がすぐに見れないってどういうこと!?」
ホリエモンは、「ぶっちゃけ、既存のケーブルテレビシステムを使っての視聴はどんどん少なくなっていくと思うので、オンデマンドのネットサービスへのコンバージョンに力を入れるだろうね。ついでに固定光回線の営業かな。まあ、かといって抜きん出たものはほとんどないけど」と回答。
今回の質問はケーブルテレビ会社の現状打破についてだが、「正直、難しいよね……」と頭を悩ませるホリエモン。ケーブルテレビより多くのメリットを持った競合会社が既に多数存在しているからだ。
例えば、HuluやNetflixといった有料オンライン動画サービスがその一つ。しかし、ホリエモンはこれらに対してケーブルテレビは圧倒的に劣っていると考える。その理由は、ケーブルテレビは見たい番組があったとしてもすぐさま加入することができないからだ。
これについて、ホリエモンは数年前の体験談を話す。宮里藍選手がヨーロッパのゴルフ選手権で優勝を間近に控えていた頃、その番組はフジテレビのケーブルテレビでしか視聴できないため、ホリエモンはすぐさま加入しようと電話したという。
しかし、「いまから契約してもケーブル架設の工事などがあるため目当ての番組には間に合わない」と言われたのだ。見たい番組があってもそれが叶わない状況に、失望を隠せなかったホリエモン。
その点、ネット動画なら見たいと思った瞬間から視聴を開始できる。システムの面で、既にケーブルテレビはかなりの遅れをとっているのだ。
ホリエモン「いまだにリモコンがなくならないのは、おかしいよね」
ケーブルテレビと違ってすぐさま視聴を開始できるが、ホリエモンも愛用しているという「Fire TV Stick」。これは、テレビに挿すだけですぐにHuluなどの動画が楽しめるサービスだ。最近のワイヤレス技術は凄まじい勢いで発達しており、これだけでケーブルテレビとの違いがはっきりと分かるだろう。
しかし、それでもホリエモンが不満なのは、いまだにリモコンがなくならないこと。最近ではタッチパネルなども当たり前になっているのに、いまだに外部デバイスで操作しなければならないのはたしかにおかしい。
そこでホリエモンは、実際にMicrosoft本社を訪れた際に「なんでいまだにリモコンを使っているの?」と質問したらしい。それに対する答えは「何でだろう……」と要領を得ず。Microsoftといえば身体の動きでゲームをプレイできるモーションセンサー「kinect」も開発しているにも関わらず、リモコンという旧態依然の操作方法から脱するという発想がなかったらしい。
ともかく、このようにワイヤレスな動画サービスが破竹の勢いで発達している中でケーブルテレビが生き残るのは至難の業だ。質問者もいうように最近は地域密着サービスを打ち出しているが、ホリエモンもそれにはあまり期待していない様子。
そろそろ決定的な一手を打ち出さなければ本当にまずいというのが、ケーブルテレビに対するホリエモンの見解のようだ。
ホリエモンがケーブルテレビ業界について語った「堀江貴文のQ&A vol.618〜ケーブルテレビは古い!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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