両親の仕事の仕方、家庭の生活スタイルというのは少なからず、子供の成長に影響を与えるはずである。よくおばあちゃん子は優しい人が多い、母親が過保護だとマザコンになる、なんてことが言われているが、共働きの場合についても色々な意見があるだろう。
今回はそんな、子育てをするうえでは考えないといけない、両親が共働きである場合の子供に与える影響などをみていこうと思う。
共働きで、子供に与える影響は?
以前の日本では、母親が日中働くために家を空けることは、子どもにとって望ましくないことであるとされる風潮が比較的強くあった。しかし、男女共同参画白書をみてみると、1991~1995年を境目として、現在の日本では共働きの家庭の方が、専業主婦の家庭よりも多くなっているのである。
ただ、そんな世の中になっても相変わらず「母親が働いていると、子どもはかわいそう」という意見はある。果たして、両親が共働きであるということはかわいそうなことだけなのだろうか。実はそんなことはない。こうした両親が共働きであることの影響は、子供にはメリットとデメリットの両方があるのだ。そのため、その両方を次項でみていこうと思う。
共働きのメリットとデメリットは?
まずはメリットからみていこう。両親が共働きをすることで、子供の1人の時間は長くなる。そして1人の時間が長いと、何かを自分でしようという意思が生まれることがある。
例えば、親が仕事で忙しそうだから少し家事を手伝ってあげよう、一緒に遊びたいから先に宿題は終わらせておこう、新しい○○に挑戦してみようかな……といったようなことである。そしてこれを一人で見事達成することができれば、子供の自信につながるため、自信を持たせる機会になるというメリットがあるのだ。この時、親はその達成できたことを褒めてあげるべきで、そうするとさらなる自信となり、自主性が育つからである。
次に、一人でいる時間が長くなるとその間は考える時間が多くなり、その考えたことを子供は溜め込んでいる。そのため、帰宅後に子供の話を聞いてみるといい。子供に話すのではなくまずは聞くこと、これが大事。こうすることで、一人でいる時間に何を考えて何をしたのか、そしてそれを話すことで意思表示ができるようになるというメリットがあるのだ。
もちろん悪いことをした場合はそれを叱らなければならないが、子供は行為に対する批判でも自分自身への批判だと捉えがちなため、まずは子供の話を肯定し、その上でこうしたら良いのではないかという選択肢を与えるような教育をすると良いだろう。そうすることで子供は学んでいき、思考力が高まると同時に心も成長し、善悪の判断ができるようになっていくはずである。
次はデメリットをみてみよう。共働きをして家を留守にすると近所の人や友達の親などから心配され声をかけられがちである。これが、一人でお留守番なんて偉いね、程度なら良いが、一人ぼっちでかわいそうだね、一人でこわくないの?というようなことを言われると、子供自身が自分はかわいそうな人間なのだと思い込んでしまう可能性がある。この気持ちがエスカレートしてしまうと自己嫌悪につながってしまうというデメリットがある。
またこれは親にも同じことが言えるため、子供には心配した姿を見せるのではなく、1人で偉かったね、よく頑張ったねと褒めることが大切である。
次は、共働き家庭だと子供の1人の時間が長いがゆえ、それだけ人と触れ合う時間は少なくなる。このことによる、コミュニケーション能力の低下というデメリットがある。人は人と触れ合うことでコミュニケーション能力を向上させるため、共働きをするなら在宅時はできるだけ親子のふれあいの時間を設けた方が良いだろう。
共働きと子育てを両立するためには?
共働きと子育ての両立を実現するとなれば、家事は分担するのがマストとなる。しかし、ポイントとなるのはこの分担の仕方である。夫婦が共にフルタイムで働いている場合、家事を完全に5:5にすべきだなんて意見もあるが、これは理想論でしかないのが現実。
そのため家事はお互いに得意なものを担当するように分担してみると良い。夫婦で家事の好き嫌いが似ている場合は、曜日によって交代するといった工夫をすれば良い。
そして育児は分担制ではなく協力制にしよう。育児は家事のように分担するのではなく協力制にして、母親ができないことや、また母親でなくともできることを父親へお願いするスタイルがベストである。どうしても基本的に育児は母親主導で行った方がスムーズなので、その分家事負担を減らすなど夫婦で協力するしかないのだ。
共働きゆえの色々な影響があったとしても、結局は子供のことをしっかり考えてあげられているか、そしてその考えているという愛情が正しく伝わっているかという点に尽きる。仕事が忙しいことを言い訳にしない素敵な両親の家庭であれば、きっと良い子が育つはずである。
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