共働き家庭となれば、お金の入ってくる道筋も二つとなり、そして自然と財布も二つとなっていくことであろう。そうなれば、収入も2倍とまではいかなくとも、経済的な余裕があって老後も安心できると思っている夫婦が多いかと思う。
しかし現実をみてみると、思い通りに貯蓄ができていない共働き家庭が多く、むしろ結婚する際に決めていた家計分担も、なんとなく曖昧になったまま年月が経過していき……そのうち家庭の経済状況が変化し、それによってお金ではなく不満だけが溜まっていくということもしばしば。
そこで今回は、共働き家庭だからこそのメリットを活かしていくにはどういった家計管理をすれば良いか、というところをみていこうと思う。
共働き家庭の家計管理の実態は?
まずは、家賃・光熱費・食費を含めた生活費について、共働き家庭の家計管理の実態はどうなっているのか、夫婦での分担方法について聞いてみた。すると、夫が全てを負担が33.7%・夫が多めに負担が33.7%・夫婦で半分ずつ負担が24.0%・妻が全てを負担が1.5%・妻が多めに負担が2.2%・その他が4.9%……という結果となった。夫が全てを負担と、夫が多めに負担を合計すると、なんと6割以上の家庭は夫のお財布が頼りという結果になる。
やはり共働き夫婦として2人で稼いでいても生活費の分担は、夫の方が多めのようである。特に、家賃や光熱費だけでなく、教育費などのまとまって口座引き落としになるようなものは、一般的に収入の高い男性が担当することが多いようである。
共働き家庭の貯蓄はたまりにくい?
実は共働き家庭の貯蓄はたまりにくいということが結構あるようだ。夫婦2人とも収入があるという安心感からなのか、支出に対してあまり気を遣うことがなく、自分の自由なお金は、趣味や買いものなどにお互いが思いのまま使ってしまい、結果的に消費体質の家計が作られがちなところに問題はあるようだ。
共働きの方が世帯収入は多くなるのだから、お金がたまって当然!なんて考えていると、実はその反対であるわけだ。むしろ残念なことに、貯蓄額をみると10年前の片働き夫婦よりも、今の共働き夫婦の方が格段に少ないのが現実である。
どうしても外で働いているとなると、その分色々と出費も多いのかもしれないが、自分で働いたお金は自分に使って当たり前と考えているようでは、貯蓄はたまりにくいであろう。
まずはその感覚を変えて、少しずつでも貯める意識を持つことが大事である。
どうすれば共働き家庭の家計をうまく管理できる?
共働き家庭の家計をうまく管理するには3つの方法がある。
1つ目は、生活費の支出項目別に、夫と妻のどちらが負担するかを前もって決めておいて、家計管理をする方法である。これは結婚してから新婚生活を始める時に分担を決めておき、それがそのまま固定化となることが多い。一般的には家賃・水道光熱費というような毎月固定で支出することになるものを夫が負担し、食費や日用雑貨といった生活関連の支出を妻が負担することが多い。もちろん子供が生まれ、職場が変わり収入も変化したりなど、家庭環境の変化と共に細かく見直すのも大切である
2つ目は、家計用共同口座を用意する方法である。ただし、共同口座といえども、実際に2人の名義での銀行口座は作れないため、結果的にはどちらかの名義で家計用の口座を作り、そこに2人が必要な金額を入れていくことになる。家賃などの住居費・食費・水道光熱費・雑費・通信費・交通費・教育費・夫婦としての貯蓄(家族のレジャー費や冠婚葬祭費、老後の資金や、車などの固定資産税)……というような、家庭としての支出と将来必要な貯蓄は、全部この共通口座を使い、趣味や個人的な楽しみのための貯蓄は本人の収入の範囲でやりくりするというもの。もちろんこの場合も、共通口座に入れる金額の割合や貯蓄目標などを、初めから相談しておくことが大切である。
最後は、片方の収入だけで生活する方法である。共通の財布などは作らず、収入の多い方が固定費や生活費などの支出を基本的には全て負担する方法である。
そして教育費や住宅ローンなどの支払い負担が大きい時は、もう一方の財布から一部支払いにあてる形となる。いわば、どちらかの給料は生活費、もう一方は貯金に……とすることで、シンプルな貯蓄のシステムを構築できる。この方法が良いという声はなかなか多く聞かれ、そもそも結婚してしまえば、お財布はひとつ。そして貯めたお金も夫婦の共有財産。こう考えるのがわかりやすいというわけだ。しかし、お小遣いにおいては、それぞれが働いた分から出した方が喧嘩は減るだろう。
夫婦で貯蓄をするということは、どんな方法であってもまずは夫婦で話し合っているということが大事であり、そこを明確にしておけば、共働きでもきっとしっかりと貯蓄できるはずである。将来に向けて目標を定め、2人で力を合わせるのがベストな方法かと思われる。
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