株の売買とは、ただ単に株を元値より高い値で売ることによって利益を得る、というだけのものではない。株を買うことによってほかにもいろいろと利益がある。その一つが株主優待であるが、株主優待とはいったいどのようなものなのだろうか。特にANAの株主優待券に焦点を当てて考えてみる。
株主優待券とは?
企業の株を買うことで、消費者は株主となることができるが、株の保有数に応じて、企業側から優遇措置を受けることができる。例えば、自社製品の詰め合わせなどが配布されたり、金券や商品券がもらえたりするのである。株主優待は法律で定められた制度ではなく、株主平等原則などに反する可能性もあるのだが、合理性がありかつ軽微な優遇であるということで、多くの企業が行っている。
そしてこの株主優待の1つに株主優待券がある。株主優待券は主に株を保有している企業のサービスが受けやすくなる、企業から株主に対して配られる券である。簡単に言えば商品の割引券や運賃料金の割引券などがそうである。企業では、株の保有数が多くなるほど株主優待の内容を良くしているところが多いので、株を多く保有するほど、優待券の内容が良くなったり、たくさんもらえたりする。
ANAの株主優待券がお得って本当?
by Christian Junker | Photography ここで、ANAの株主優待券の優待内容を見てみよう。ANAの株主優待券は有効期限が1年間で、1,000株以上保有していると1枚もらうことができ、さらに株の保有数に応じてもらえる優待券の枚数が多くなる。優待内容としては5種類の特典がある。国内線の片道普通運賃が50%オフになること、ANAの提携ホテルの料金が10%以上割引になること、国内・海外のパッケージツアー料金が7%割引になること、空港内売店での買い物が10%割引になること、ANAの指定したゴルフ場が株主優待料金すなわち普通よりお得な価格で利用できること、の5種類である。
そして株主優待券があれば、直前での予約や便の変更が簡単になることも大きなメリットである。運賃料金が半額になるというのはとてもお得であり、遠くに行けば行くほどお得感は増す。また、運賃料金だけにとどまらず、ほかのサービスの割引も充実しているところがANAの株主優待券の強みであろう。
ちなみにANAの株主優待券は、株主でなくても金券ショップなどで売っているものを購入すればだれでも使用可能である。
他にもお得な株主優待券は?
ANAの株主優待券について詳しく説明したが、同じく日本の航空会社であるJALの株主優待券もお得である。優待内容としては、国内線の片道運賃料金が50%オフになることと、国内・海外パッケージツアーが7%オフになることが挙げられる。また、直前の予約や便の変更も可能になる。航空料金に限ればJALもANAと同じような優待が得られるのである。保有株数は、JALは100枚以上で優待券1枚が得られるが、株価がANAのおよそ10倍ほどであるため、株主優待券の得やすさにはそれほど差はない。
ほかには、マクドナルドのバーガー・サイドメニュー・飲み物の3種類の商品の無料引換券やイオンの買い物3%キャッシュバックなどの特典がついた株主優待カードもお得である。株主優待券ではないが、日清食品グループの自社製品詰め合わせの配布といった、現物寄付の優待内容も人気が高い。企業ごとにその企業に適した株主優待を展開している。
このように、ANAの株主優待券は大きな出費の軽減となり大変お得であり、ほかの企業もそれぞれの特性に合わせた優待内容を実地している。それぞれに企業の株価の推移にも注目しつつ、株を購入することで、ただの売却用としてではなく、株主優待を存分に利用して、日々の生活の節約などに役立てていってみてはどうだろうか。
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