居住目的ではなく、購入した部屋、もしくは棟に住む人からの家賃収入や、売却によって利益を得る目的で購入するのが投資用マンションである。居住目的でないといっても不動産の購入であるから、大きな出費になることは当然だ。そんなときに知っておくとよい、不動産投資ローンについて説明していこう。
不動産投資ローンとは?
先にも述べたように、居住目的でなく、家賃収入や売却による利益を目的に購入した不動産のことを投資用不動産というが、この投資用不動産のために銀行などからお金を借りることを、不動産投資ローンという。居住目的で不動産を購入する一般的な住宅ローンとは何が違うのだろうか。
まず、融資を受けるための審査基準が異なっている。銀行などの金融機関は、融資したお金を返済してもらわなければならないので、その返済能力があるかどうかを吟味したうえで、融資をするか否かを決定している。住宅ローンの場合は、居住目的であり融資した金額の返済が可能であれば問題はないので、融資を受ける人の返済能力だけが吟味される。
しかし不動産投資ローンの場合利益の増大が目的なので、融資を受ける人に利益が出るかどうか、というところも審査基準となるのだ。それゆえ、基本的に不動産投資ローンのほうが住宅ローンより審査基準が厳しくなる。また、金利の違いも存在する。住宅ローンは優遇金利が行われ、およそ2~4%の間に収まっているが、不動産ローンは7%程度の金利になることもあり、振れ幅が大きい。不動産投資ローンのほうが必要度は低く、利用しにくいようだ。
不動産投資ローンを組むメリットとデメリットは?
不動産ローンを組むメリットとしては、利率の向上と不動産投資の始めやすさがあげられる。
不動産ローンを組むと、自己資本に加えて、他人資本を利用することで、投資額をあげることができ、結果的に自己資本に対する利率が大きくなる。投資額(自己資本+他人資本)に対する利率をAとして式にすると、下記のようになるということだ。
{(自己資本+他人資本)×A-(自己資本+他人資本)}÷自己資本 >> {(自己資本)×A-(自己資本)}÷自己資本
また、自分のお金が不動産を買えるほどたまらなくても融資を受けて不動産を購入できるため、投資を始めやすくもなる。
一方で、購入した不動産が長期間空き室であることが続いて、家賃収入によるローンの返済が厳しくなったり、不動産の価格が上がらず、売却しても債務が残ってしまったりすることが起こりやすいというデメリットがある。最悪の場合、自己破産をおこすことや、債務整理が必要な状況に追い込まれてしまう可能性もある。
投資用マンションのローンを組むときの注意点とは?
投資用の不動産を、ローンを組んで購入するということはそれなりのリスクも伴う行為であるから、注意しなければならないこともいくつかある。
まず、自己資金を多めに持っておくこと。もしものことがあった時に返済できなくなると、自己破産や債務整理となり、今後に人生に様々な不都合が生じてしまう。
次に、金利についてよく調べておくこと。返済額に大きくかかわってくるものであり、変動金利型と固定金利型の2種類が存在し、銀行によっても変わってくるので、一番返済の簡単なものを選べるようにしておこう。
さらに、初期費用として物件価格以外に頭金と諸経費が必要だと理解し、それを含めて物件を決めること。おおよそ物件価格の7~10%が必要といわれているので、その分の自己資金があることを確認しておこう。
初期費用から返済までを見通して、余裕を持った計画を立てなければいざというときに困ってしまう。十分に慎重になってローンを組むようにしてもらいたい。
繰り返すようであるが、投資用不動産ローンを組むことは、不動産の購入であり大きな出費とともにリスクを伴う行為である。金融機関側もリスクの低い計画を立てるよう努力してくれるが、自分で確実な返済計画の見通しを持った状態で、慎重にローンを組むようにしたい。
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