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高給取りって本当? 投資銀行の年収について

粕谷満子

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:www.goldmansachs.com
 モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなどの投資銀行への就職は、社会人キャリアのエリートコースとして今日の就活生の1つの憧れとなっている。だが、投資銀行は何をするところなのか、いわゆる「普通の銀行」である商業銀行とはどのような違いがあるのか、そしてその給料はどれくらいになるのかなど、意外とわかっていない点が多いのではないだろうか。

 そこで今回は、投資銀行とその年収について紹介していこう。これを読んで、ぜひとも投資銀行について正しい知識を身に着けてほしい。

投資銀行とはどんな職業?

 さて、今回は高収入が期待される職業としての投資銀行がテーマではあるが、そもそも投資銀行とはどのような職業なのか。

  投資銀行とは、証券取引免許を持つ金融機関の通称であり、英語の ”Investment bank” を和訳して生まれた言葉である。海外由来の言葉であるため、「投資銀行」という呼称は日本の銀行法を含む金融法関連法群では正式には認められていない。

  投資銀行の業務内容であるが、まず投資銀行の顧客は一般企業であり、個人が顧客として利用できることはまずない。投資銀行は一般企業に対し、有価証券を発行することで市場から短期預金を受け、顧客となる企業の資金援助を行ったり、M&Aなどの財政戦略で助言を行ったりする企業である。

 投資銀行は、市場から受けた短期預金を資金源として、企業に対し短期的・中期的な商業金融を行うのだ。一般の商業銀行が自らの預金を資金源に自分たちの判断で企業に投資や融資を行っているのに対し、投資銀行は実際に投資を行っているわけでも融資を行っているわけでもない。あくまで企業にアドバイスやサポートを施しているだけなのである。そのため、投融資の判断は企業側がすることになり、その決定権は銀行にはない。

 また、銀行の第一の柱である信用のあり方についても、商業銀行と投資銀行では大きな違いがある。一般の銀行は企業に貸し出した預金が返ってこなければ、それはその銀行の信用を落とす結果となるが、投資銀行では先述の通り実際に企業と資金のやり取りをするわけではないので、その信用は財務戦略の成功の是非にある。

投資銀行の年収ってどれくらい?

 投資銀行の具体的な説明が済んだことで、やっと本題に入るわけだが、高給取りといわれる投資銀行のバンカーの年収は一体どの程度になるのだろうか。

  その年収は、一般的な相場ではアナリスト(新卒~入社3年目)で1500~2000万、アソシエイト(4~7,8年目)で1000万円後半~4000万円、VIP(8年目以降)3000万~1億、MD(マネージング・ディレクター)になると5億6000万~10億ほどといわれ、MDでもグローバルレベルの経営者層やトップトレーダーになるとその年収は50億以上にもなるといわれる。一般的な社会人の平均年収が約510万であることを考えると驚異的な数字だ。

  しかし、例えばモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスのような大手投資銀行は中途採用がほとんどであり、そうした企業に就職するためには、通常ほかの会社で卓越したキャリアを積むか、大学卒業後も勉強を重ねてMBAを取得するなどしなければいけないので、投資銀行の就業者の平均年齢はほかの企業と比べて高い傾向にある。

 加えて、そうした条件を満たす優秀な人材は、数年でさらなるステップアップを目指して転職することも多い。あるいは激務に耐えかねてドロップアウトしてしまう人も少なくない。また、投資銀行の世界は徹底した個人主義と他者との苛烈な競争の中で結果を出し続けなければいけない。どれだけ高いポテンシャルを持っていても、結果が出なければいつ解雇されてもおかしくないのだ。こうした理由で、MDやVIPまで進める人は、実はそこまで多くはない。

投資銀行の年収ランキング

 投資銀行は、日本の場合だと商業銀行の中に投資銀行の役割を果たす部門がある、という体系になっているので、年収はそれほど特筆して高くなるわけではない。やはり投資銀行といえば外資系の投資銀行業を専門に行う企業が、真っ先に名前が挙がるだろう。

  外資系投資銀行の中でも特に年収が高いことで知られるのがゴールドマン・サックスで、その年収は初任給で800~900万ほど、1年目で年収1000万を超えることも珍しくなく、リーマンショック以前のデータではあるが、社員の平均ボーナス額が7300万円と公表されたこともあり、世間を驚かせた。外資系トップの投資銀行ともなると、その年収もけた違いになる。


  以上のように、投資銀行、特に外資系のものは、一般のサラリーマンと比べても極めて高い収入を得ることができ、30代後半から40代のうちにリタイアする、すなわち余生をお金に困ることなく過ごせるだけの収入を得ることができるのだ。多くの就活生の憧れの的となっていることもうなずける。もしこうした企業への就職を真剣に考えているなら、学歴だけでは到底太刀打ちできない。知識や経験・会話力や語学力を磨き、ほかのだれにも負けないくらいの実力をつけて挑もう。もし就職して成功すれば、そこにはバラ色の人生が待っているだろう。


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