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「個人投資家」を職業に? 個人投資家について

粕谷満子

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:visualhunt.com
 昨今は金融商品の取引の敷居が低くなり、投資を行う人は増加している。そして投資で生計をたてる者も現れてきている。今回は個人投資家に焦点を絞って紹介する。専門家ではない彼らの実態に迫る。個人投資家になることを考えている人は必見だ。

個人投資家の職業は何に当たるの?

 株取引を行っている者の職業を何にあたるとするかは、意見が割れており、自営業・無職・自由業・投資家など様々である。確定申告などの職業欄に書く場合は、無職になる。なぜなら、銀行に預けていて金利を貰うのと法律上は同じであり、単なる資産運用にあたるからだ。そのため、サラリーマンをしながら株取引していても副業にならない。書類の場合は備考欄に書いておくか担当者に相談するとよいだろう。

 しかし、履歴書などの場合は、自由業と書ける。証券会社に就職したいなどの場合ではアピールポイントになる。また場合によっては個人事業主とすることも可能だ。

 個人投資家のほとんどが負けてしまうって本当?

 投資の世界において個人投資家は市場知識や商品情報の面で専門家に劣ってしまう。投資市場で勝つには、市場そのものを理解することは不可欠だが、基本的なことも知らずに証券会社の言いなりになっている個人投資家はとても多いのだ。専門家VS個人かつ素人の戦いでは、資金力・情報量に乏しい個人投資家が多大な損失を被ってしまうことは必至である。

 くわえて、個人投資家の中には、「自分だけは市場に勝てるかもしれない」という幻想を抱いている者もいる。そのような状態では、短期投資はギャンブルと変わらない。結果として多くの個人投資家が負けてしまうのだ。

 さらに言うと、彼らは自分の目的に合った投資を行えていないことが多い。例えば、ほとんどの人は「老後の資金を貯めたい」とか「月々のお小遣いを少しでも増やしたい」といった目的で投資をしているが、基本的に個人投資家がやっているのは証券会社に行って日本株の購入や、FXをやってみるなどの、ギャンブル性の高い投資で、7割方の人は外れて損をしている。

 自分に合った投資は何なのか、自分で考え、市場に関する知識を身につけることが、「負けない」うえで、非常に重要なのである。

個人投資家でも低リスクで収益を上げる方法は?

 比較的、安全性の高い投資の方法であり初心者でも馴染みやすいものは以下の三つである。

IPO投資

 IPO投資法とは、『IPOの抽選に申し込みをして、初値の値上がり益を狙う投資法』である。しくみは、「企業が株式市場に新規で公開する(IPO)際に、公募という形で一般の投資家に株が売り出される。IPOは人気化することが一般的なため、IPOの初値は、公募価格より上回ることが多い。そこで、事前にIPO株を抽選で当て、その株が上場したときに売ることで、その差額を儲けようというもの」である。ただ「大きく上がる銘柄は当選にあたりにくい」という欠点がある。

 また、最近はこれから個人投資家になる人向けにNISA(少額投資非課税制度)が始まっている。IPO銘柄を NISA口座で買えば、大きな利益に対して税金がかからないという利点がある。

株主優待クロス

 手間をかけてほぼノーリスクで株主優待を取得できる方法が優待のクロス取引である。これは株式を買うのと同時に、株式を売ることで値段の動きに関係なく優待権利だけを取得しようという技術だ。

 クロス取引にかかる諸々の手数料と獲得できる優待の価値を比較して、やる価値があると思えれば実行するとよい。すなわち、「手数料対策として必ず一般信用売りを利用すること」「配当にかかる税金を考慮すること」「貸し株料金が発生すること」に注意しなくてはならない。

銘柄選びが必要ない ETF投資

 初心者が銘柄選定のための知識をつけるのは非常に大変である。ETFを使って投資を行えば、煩わしい銘柄選定から解放されることが可能だ。ETFは株式市場に上場している投資信託のことである。株価指数をベンチマークしているので、日本の株式市場全体に対して投資ができるという優れものだ。また株式市場全体が下がると利益が出るというETFも現在は生まれているので、投資の仕方の幅も広がる。

 また、日本市場だけでなく米国株式などといった海外市場を対象にしたETFもある。


 年金制度の存続が危ぶまれている現在、投資をして着実に利益を上げたいというニーズは高まっている。利益を上げるには、弱肉強食の市場で、資金力・情報量に富んだ専門家のクイモノにならないように、自分に見合った投資法を見定めることである。個人投資家を考えている人は金融商品のリサーチを怠らないようにしよう。


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