投資信託という金融商品は、複数の投資家から集められたお金が一つの基金にまとまり、資産運用のプロであるファンドマネージャーが、株式や債券といったものたちに分散投資して運用して、その成果を投資額の割合に応じて、投資家に還元する仕組みになっている。
証券会社・投資信託会社・銀行・郵便局等の販売会社を通じて集められた投資家の資産は、信託銀行で保管され管理される。そして、実際の運用は投資信託会社が担当し、運用方針などを決めたのち、株式や債券の売買を信託銀行に指示する仕組みになっている。
ではこの投資信託は、詳しくみていくとどんなものなのだろうか。
投資信託の特徴は?
投資信託の大きな特徴は3つほど挙げられる。
1つ目は、大勢の資金をまとめることにより、個人では不可能なスケールの大きな運用が可能になるところ。2つ目は、そのまとまった大きな資金による分散投資が可能となり、リスクの低減化と共に収益を得る機会が広がるところ。そして3つ目は、高度な情報収集力や分析能力を備えた金融のプロに運用を任せることにより、高い運用成果を期待することができるところ。
こうした特徴を知っておくだけで投資信託への理解が深まるはずだ。
投資信託のリスクとは?
もちろん投資信託は、基準価額は株式市場などの動向により変動し、そんな中、株式や債券等の値動きのある証券に投資するため、元本を保証する金融商品ではない。言い換えるならば、たとえプロに頼んでいても絶対ではないということだ。
そして投資信託にも、運用対象や運用手法にもよるが、安全性を重視して運用するところもあれば、積極的にリスクを取りつつ収益性を追求するところまで、多くの種類がある。
ではそんな投資信託のリスクをみていこう。まず、基準価額に影響を及ぼす主な変動要因には、価格変動リスク・為替変動リスク・信用(デフォルト)リスク・金利変動リスクの4つが挙げられる。
価格変動リスクとは、投資信託が組み入れている株式や債券の価格が変動する可能性のことである。株価は最終的には市場における需給によって決まるものの、一般的に、国内及び海外の政治や経済情勢、そして企業の業績などの影響を受けることになる。
次に、為替変動リスクとは、為替レートが変動する可能性のことである。外国通貨建ての資産に投資する投資信託の場合、基本的には円高になったなら基準価額にマイナス、円安ならプラスの影響がある。そのため、外国の株式や債券で運用する投資信託においては、多くの場合は為替変動リスクがあることになる。
信用(デフォルト)リスクとは、債券等を発行する国や企業自体が、財政難や経営不振といった理由により、利息や償還金をあらかじめ定めた条件で支払うことができなくなる可能性のことである。
最後に、金利変動リスクとは、そのままであり金利が変動する可能性のことである。一般的には、金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券の価格は上がる。また、さらに言えば満期までの期間が長い債券ほど、こうした金利変動から受ける影響は大きくなる。
投資信託のリスクを回避するためにできることは?
では前述のような投資信託のリスクを回避するためにできることには、どんなことがあるのだろうか。これはまずは、国内外の債券などに分散投資をしていること。例えば、投資信託では個人では購入しにくかったり、できなかったりする債券なども購入することができる。
そのため、新興国の株ファンドばかりを持っていたり、海外債権のみに投資をしていたりすることは、よくあることなのだが、国内外の色々な債券や株式を満遍なく投資信託で購入しておく分散投資こそ、良いリスクヘッジになる。分散投資をしておけば、万が一、一つの投資信託で損益を出してしまったとしても、他の投資信託の利益でその穴を埋めることが可能になるのからだ。
また損をするのを避けたければ、過去の利益を見て、純増傾向でなければ損をする可能性があるということも覚えておきたい。
逆に、過去の投資の利益が純増傾向であれば、損をしないで利益をあげることができると考えることもできるだろう。投資信託では、投資家から集めた資金自体がどの程度増減しているのかを、事前に知ることができる。
例えば、基準価額の騰落率が投資家から集めた資金である純資産残高の増減よりも少なかった場合は、資金は流入しているということであり、純増傾向にあるといえるだろう。
しかし、基準価額の騰落率が純資産残高の増減よりも多かった場合は、資金は流出しているのであまり良い状態ではない。こうした情報は、投資信託を購入する前には必ず調べておきたい情報であり、しっかり把握しておくことで余計な損をするリスクを回避できる。
色んな情報を精査するのは結局のところ自分なのだが、それでもこうした特徴やリスクについて知っておくのは基礎中の基礎であるため、これから投資信託を考えている人は、是非参考にしていただきたい。
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