パッと投資信託、という言葉を聞いた時、なんだか賢く儲かるような気がしたり、その分リスクも大きかったりという色んなイメージがあるかと思う。
しかし、なんとなくのイメージはあっても、「分配金と基準価額」と言った用語含め、いったいどんなものなのかと言われると、なかなか説明するのは難しかったりするのもまた真実であろう。今回は、そんな投資信託について、投資信託とはどんなものなのかというところからかみ砕いて、「分配金と基準価額」の意味など、詳しく特徴などもみていく。
資産運用のひとつ、投資信託とは?
まず投資信託というのは、いったいどんなものなのだろうか。根本としては、投資信託とは債権や株式などの、日々変動するものがいくつか組み合わさった金融商品である。これをひとことで簡単に言ってしまうと、「投資家が運用資金を委託会社に渡し、投資家の代わりにプロに、その資金を使って運用をしてもらうこと」である。運用のプロ、いわゆるファンドマネジャーと呼ばれるような人が、株式投資・公社債投資・不動産投資などの色々な商品に分散投資をして、多角的な収益を狙うのである。しかも1万円程度からの少額で分散投資ができるため、リスクの分散ということにもなる。
ただし、いくら運用するのがプロとはいえど、もちろん失敗することもあるため、元本保証の対象にはならない点には注意が必要である。そんな投資信託の種類にはMRF・MMF・公社債投資信託・株式投資信託など、これまた色々とあり、運用方針も分散投資を目指す「バランス型」や、攻めの姿勢の平均を上回る運用を目指す「アクティブ型」など、多くの種類がある。
また資金の扱いによっても単位型と追加型に分かれている。ユニット型とも呼ばれる「単位型」は、購入は募集期間のみに限られるもので、資金の途中追加は不可能なものである。いわば満期とも言う、信託期間があらかじめ定められた投資信託のことを指す。
その一方、オープン型とも呼ばれる「追加型」は、いつでも購入や換金が可能で、基本的に信託期間が定められていない投資信託のことを指す。こちらの方が流動性は高いため、購入しやすいと感じる人も多いかもしれない。
さらに、利益の得方にも違いがあり、分配型と無分配型とわかれている。運用して上がった収益を決められた期間(決算)ごとに、投資家へ分配する方式のことを「分配型」といい、運用して上がった収益は投資家に分配せずに、再び投資信託に投資する方式のことを「無分配型」という。
これらを比べると一見、分配型の方が有利であるよう感じられるが、実は分配を受けるごとに20%の税金が課税されるため、分配金を再投資する無分配型の方が投資効率においては良いと考えられる。
投資信託の基準価額とは?
今度は投資信託の基準価額とは何かみていこう。この投資信託の基準価額は、株式でいうところの「株価」に相当する、投資信託の値段こそが「基準価額」なのである。基準価額は投資信託一口あたりの値段であり、投資信託の購入や換金をする場合には基準価額で取引がされる。
そして、この基準価額は株価と同じように、日々変動する。基準価額が上昇したならば、そのファンド自体の価値も上昇したことを意味し、反対に基準価額が下落したならば、ファンド自体の価値も下落したことを意味する。
ちなみにこの基準価額は、新しいファンドが始まったときは総出資額から発生する費用を差し引いた純資産総額を、出資口数で割って求める。もちろん、運用中に利益や利息が生じた際には、総出資額に利益や利息を加え、費用を差し引いたものが純資産総額となるので、それを出資口数で割ったものが基準価額となる。
つまり、債券の価値や株価が上昇すれば、投資信託の基準価額もそれに呼応して上昇し、反対に組み合わせた債権の価値や株価が下落すれば、基準価額も同じように下落するということになる。
投資信託の分配金とは?
当然ながら投資信託を購入した投資家は、販売手数料などは考えなければ、購入した時点での基準価額より換金時の基準価額が高ければ利益をあげることができる。しかし、投資信託による利益はそれだけではなく、投資信託には「分配金」と呼ばれるお金を、投資信託の決算が行われる際に支払われる仕組みが存在するのである。この分配金とは、投資信託が株式や債券に対して投資し、運用して得た収益を、保有口数に応じて投資家に分配するものである。
そして分配金は、投資信託の信託財産から支払わる。そのため、分配金が支払われると「純資産総額」や「基準価額」は下落することとなる。
ここまで投資信託の基礎的なことを述べてきたが、結局のところ投資信託に関して私たち投資家ができることは、知識を深めることも大切ながら、投資信託の目論見書なる説明書をよく読み、ここなら自分の資金を安心して任せられるぞ、と思えるところを見つけることだろう。
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