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集中力をアップさせる指南書。百マス計算の“隂山メソッド”開発者による『隂山英男の「集中力」講座』

Erika Muranaka

2016/02/20(最終更新日:2016/02/20)


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集中力をアップさせる指南書。百マス計算の“隂山メソッド”開発者による『隂山英男の「集中力」講座』 1番目の画像
 集中力をアップさせたい――。仕事をしているときや資格の勉強をしているときに、そう思ったことのあるビジネスパーソンは少なくないだろう。集中力がアップすれば、もっと仕事や勉強がはかどるのにと思ったにちがいない。

 子どものころならまだしも、集中力をアップさせるなんて今さらできないものだと諦めているビジネスパーソンに朗報がある。百マス計算で有名な“隂山メソッド”を開発した隂山英男氏が、大人が集中力をアップさせるためのノウハウを『隂山英男の「集中力」講座』に記してくれたのだ。

 隂山氏は、小学校の教師時代に“隂山メソッド”を実践し、多くの子どもたちの集中力をアップさせてきた。隂山氏は子どもたちの集中力がアップしていく様子を見て、あることに気付いたという。そもそも集中力をアップさせるのは勉強のためではないのだと。勉強をすること、それ自体が集中力をアップさせるトレーニングなのだいうことに。

 ここで本書から集中力をアップさせるたのコツをいくつか紹介しよう。

集中力アップ4つのコツ

集中力アップのコツ①:時間の使い方の見直しから

 集中力をアップさせるためには、「まず時間の使い方を見直すことが必要だ」と隂山氏は言う。集中力を少ない時間で多くの成果を上げることだと考えれば当然のことかもしれない。

 集中力をアップさせるため、時間の使い方を見直す方法として、本書では手帳の活用が勧められている。手帳をうまく活用して時間の使い方が効率的になれば、集中力がアップすることにつながるのである。

 確かに集中力をアップさせて仕事にとりかかろうと意気込んでいても、時間をかけ過ぎて集中力が落ちているにも関わらず、だらだら作業を続けて逆に非効率に陥ったり、睡眠不足がたたって思うように集中力が続かない経験をしたことのあるビジネスパーソンも少なくないはずだ。

 時間管理をしっかりして、睡眠、休養をしっかりとることが集中力をアップさせる土台になると言われれば、納得するしかない。

 本書では集中力をアップさせるため、睡眠や休養の取り方だけでなく、日々の時間管理の方法まで具体的なアドバイスが書かれている。そちらは本書を読んで参考にしてほしい。

集中力アップのコツ②:没頭時間をつくる

集中力をアップさせる指南書。百マス計算の“隂山メソッド”開発者による『隂山英男の「集中力」講座』 2番目の画像
出典:www.flickr.com
 集中力をアップさせるためのコツとして、隂山氏は勉強することが大事だと言う。しかし集中力をアップさせるためには、だらだら勉強したり、とりあえずといったような消極的な態度で勉強したりすることが逆効果になる。

 集中力をアップさせるためには、没頭して勉強することが大事なのだ。これも、言われてみれば当たり前のようにも思うが、「だらだら勉強」「とりあえず勉強」は多くのビジネスパーソンが陥りがちな罠である。

 何もしないくらいなら、なんとなくためになるような気がしてそのような形で勉強し、気乗りしないがために集中力も続かず、勉強するために集中力がアップすればなんて嘆く。まさに負のスパイラルなのである。

 本書では、どうすれば勉強に没頭して取り組めるかについて具体的な方法が書かれている。集中力をアップさせたい人は、ぜひ目を通してほしい。

集中力アップのコツ③:ひとり会議を開催

 集中力をアップさせるコツとして、ひとり会議を開催することを隂山氏はすすめている。ひとり会議とは、他人の評価にまどわされず、自分のものさしを大切にしながらこれから自分がなりたい姿を自分と相談することである。

 ひとり会議が集中力をアップさせることとどう関係あるのだろうと思うかもしれないが、これからの目標が決まらなければ今に集中力を発揮することはできないと隂山氏はいう。確かに、無目的に集中力をアップしようとしても集中力が続くわけはない。

 本書では集中力をアップさせるためのひとり会議の開催の具体的な方法が書かれている。

集中力アップのコツ④:家庭経営をしっかりと

集中力をアップさせる指南書。百マス計算の“隂山メソッド”開発者による『隂山英男の「集中力」講座』 3番目の画像
by Jim Boud
 集中力アップのコツとして、家庭経営をしっかりとしていくことを隂山氏は提言している。悩みごとがあっては集中力をアップさせることはできない。現代日本では家庭の問題を悩みとする人が数多くいる。家庭経営をしっかりとしていくことが、集中力をアップさせるための土台になるというのだ。

 集中力をアップさせるためには、日常生活が安定している必要がある。安心して安定した暮らしをするためには家庭がしっかりしていなければならない。当然といえば当然だが、集中力をアップさせるための方法を考えたときに、なかなか持てない視点である。


 本書から集中力をアップさせるためのコツをいくつか紹介した。ここではおおまかなことしか説明できていないが、本書を読めば、そのコツをどう実現化させればいいか、より具体的な方法が指南されている。ぜひ目を通してほしい。

 集中力をアップさせようと考えると、どうしても今さら集中力をアップさせるなんて無理だと考えて、何もしないで終わることが多い。あるいは集中力をアップさせるための細かな技法にばかり頼ってしまいがちである。

 しかし、本書ではそういった集中力をアップさせるための細かな技法ばかりではなく、集中力とはそもそも何なのか、集中力をアップさせることが何のために必要なのか、その本質についても書かれている。

 ここでも紹介したが、一見集中力をアップさせることとは無関係にも思える、ひとり会議や家庭経営が集中力アップのコツとして書かれているのは、集中力の本質をとらえた隂山氏ならではの視点といえるだろう。

 集中力をアップさせるためには、まずしっかりとした基盤をもって生きていくことが大切なのだと気付かせてくれる一冊となっている。もちろん、その集中力をアップさせるための本質的な哲学をベースに、具体的に集中力をアップさせるにはどのような方法で行動すればいいかの指南書ともなっているので、ぜひ本書を読んでほしい。


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