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「タダの魔法」で若者とニッポンを元気に! 魔法のアプリ『マジ☆部』にかけるリクルートの想いとは

U-NOTE編集部

2016/02/22(最終更新日:2016/02/22)

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「タダの魔法」で若者とニッポンを元気に!  魔法のアプリ『マジ☆部』にかけるリクルートの想いとは 1番目の画像
 「見慣れた女友達がゲレンデではものすごく可愛く見えた」「普段はパッとしない男友達がスキーをする姿にときめいてしまった」……等、こんな経験をした人は多いのではないだろうか?

 これぞ「ゲレンデマジック」。非日常の場ではお互いが妙に魅力的に見える不思議な現象が起こる。一昔前なら、スキー場や海水浴場で出会って付き合うようになった……というカップルが巷にあふれていたものだ。

 しかし、今は少々事情が違うらしい。若者のレジャー離れ・スポーツ離れ・旅行離れが進み、「非日常のマジック」を経験する機会が激減しているのだ。

 例えば、80年代後半~90年代前半にかけて一大ブームを巻き起こしたスキー。日本各地に大規模なスキー場ができ、千葉県には屋内スキー場「ザウス」ができて話題を呼んだ。しかし、今やスキー人口は当時の3割程度にまで落ち込んでいるという。

19歳なら何回乗ってもスキーリフトがタダ!

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 こうしたスキー市場の低迷を食い止め、スキーエリアの再活性化を図るためにリクルートが打ち出したプロジェクトが『雪マジ!19』だ。「19歳はスキー場一日リフト券が何度でも無料」という太っ腹な企画が話題を集め、2011年のサービス開始以来、順調に会員数を伸ばしている。

 昨シーズン(2014~15年)は会員数15.6万人、ゲレンデ延べ動員数は51.5万人に。サービスを導入するスキー場も増えており、今シーズンはスタート時(89ヵ所)の2倍以上にあたる191ヵ所のスキー場で、『雪マジ!19』ユーザーならリフトを何度でもタダで利用できるようになった。ちなみに『雪マジ!』の「マジ」は、冒頭で触れた「ゲレンデ“マジック”」に由来する

 『雪マジ!19』を運営する、リクルートライフスタイルの観光に関する調査研究・地域振興機関「じゃらんリサーチセンター(以下、JRC)」・主席研究員の加藤史子氏は、

「会員を対象に行った調査で、会員の約9割が実際に『雪マジ!19』を利用してシーズン中に平均3.3回、スキー場を訪れていることがわかりました。しかも会員の約92%が『雪マジ!19があったからスキーに行った・行く回数が増えた』と回答しており、『雪マジ!19』がスキー市場活性化に一定の役割を果たしていることは間違いない」と分析する。

 『雪マジ!19』ユーザーは何度乗ってもリフトが無料なので、施設やエリアのメリットは少ないのではないかと思われがちだが、スキー場内や周辺のレストランでの飲食や宿泊、スキー用品レンタルなどの消費がもたらす経済効果は大きい。

 また、19歳の『雪マジ!19』会員が19歳以外の友人や家族を同行すれば、同行者の代金は発生するので、スキー場側には嬉しい相乗効果が生まれる。

  優良顧客を育てるための「タイミング」を逃すな!

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 『雪マジ!19』の成功を受けてJRCでは、19歳・20歳はJリーグ観戦がタダになる『Jマジ!』、ゴルフ場がタダになる『ゴルマジ!20』など、『雪マジ!19』の手法を応用したプロジェクトを次々とスタート。2014年2月にはこれらを一元管理するスマホアプリ『マジ☆部』がリリースされた。
 いずれのプロジェクトも、対象年齢を19~22歳に限定しているのはなぜだろうか。

「高校を卒業すると、旅行やレジャーの同行者は家族から友達へ変わります。そして多くの場合、旅費も自己負担になります。つまり19歳を境に旅行やレジャーに関する状況が大きく変わり、若者の多くが資金不足のために旅行やレジャーから遠のいていくのです。私たちJRCは、このタイミングで資金不足ときっかけ作りを提供することができれば、若者のレジャー・旅行離れを抑制できる可能性が大きいと考えています。

 例えばスキーの場合、自腹で何度もスキー場に行き、リフトに乗って練習するには多額の費用がかかります。かといって年に1回しか行かなければ、スキーがなかなか上達しないので、スキーの魅力を実感してもらうことは難しい。『雪マジ!19』で資金不足を補うことによって、1シーズンに複数回スキー場に来ることを可能にすれば、上達の喜びやスキーの魅力を実感してもらえる可能性、さらには将来の優良顧客になってもらえる可能性は、ぐっと大きくなるはずです」(加藤氏)

フリーミアムの発想をレジャー・旅行業界に応用せよ

 このように、一定の無料期間を設けて、その間にファンを獲得、将来の課金に繋げる手法は「フリーミアム」と呼ばれ、クラウドサービスや動画配信サービス等では広く採用されている。『マジ☆部』は、このフリーミアムの手法をレジャー・旅行業界に応用した成功例なのである。

「確かにソーシャルゲームやSNSでなら、お金を使わずとも、わざわざ遠くに行かずとも、楽しむことはできます。でも、スマホの中で展開される楽しみだけではなく、わざわざ出かけて自分で実体験するからこそ味わえる、ワクワクしたりときめいたり……という“マジック”効果、心躍る経験が旅にはあると思います。

 若者たちにはぜひその非日常の醍醐味を知って、人生をもっと楽しんでほしいと思うのです。様々なサービスが無料またはお得な価格で受けられる『マジ☆部』を利用して、若い皆さんが自分に合うレジャーや日本各地の魅力と出会ってくれたら嬉しいですね」(加藤氏)

若者にタダの魔法をかけ、地方創生の起爆剤に!

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 こういった『マジ☆部』の取り組みに賛同する動きも目立つようになってきた。例えば『雪マジ!19』会員向けに半額プランを打ち出すレンタカー会社、割引商品を用意するスポーツ用品店が出てくるなど、幅広い業界に効果が波及している。
「若者を甘やかすなんて、けしからん!という向きもあるかもしれませんが、若者はいつの時代も、ある程度甘やかされてきた世代です。年長者に社会の楽しさや面白さ・奥深さを教わって、『よし、自分も人生を楽しもう!』と願う若者たちのパワーが日本の原動力の1つになってきたといっても過言ではありません。地方の衰退が叫ばれる中、まさに必要とされるのは、その若者たちのパワーなのではないでしょうか。そして若者の目と足を地方に向けさせるには、レジャー・旅行業界の力が欠かせません。地方の素晴らしさに気づいてもらうためにも、『マジ☆部』は今後も様々な分野で若者たちに“魔法”をかけるプロジェクトを打ち出していきたいと考えています」(加藤氏)

 今シーズンからは、19~21歳なら日帰り温泉の入浴料が無料になる「お湯マジ!」も全国を対象に本格稼働した。果たして、今後はどんなマジックが若者たちを魅了するのだろうか。「マジ☆部」の活動から、目が離せそうにない。


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