苦労して働いてようやく迎えた給料日、明細を見ると毎度のことながら給料から引かれている社会保険料……。毎回かなりの額が引かれているので、いったいどういった形で保険料が決まっているのか気になる人もいるのではないだろうか? そこで今回は社会保険料について三項目に分けて簡潔にまとめてみることにする。
社会保険とは?保険料はどのように決まるの?
まず「そもそも社会保険ってなんだろう?」というところから入っていくことにする。まず保険には大別して社会保険と個人保険というものがある。前者は国や市区町村等の自治体が運営している公的なもので、後者は民間の企業が運営している。また、社会保険は主に5つに分けられ、
1.雇用保険
……失業した際の手当てや、職業に関する能力開発に対する補助
2.労働者災害補償保険(労災保険)
……業務上及び通勤時における事故に対する、労働者及びその家族の生活、社会復帰の支援
3.健康保険(※1)
……病気やけがの際における、治療費等の補助
4.厚生年金保険
……老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金等
5.国民健康保険(※2)
……病気やけがの際における、治療費等の補助
※1.主に企業で働いている人が加入する保険
※2.未成年や自営業の人など企業で働いていない人が加入する保険。
となっている。
ところで、保険料はどのようにして決まってくるのだろうか? 社会保険料とはいっても一括りにして決まるものではなく、先ほど挙げたものについて個別で計算される。それでは社会保険料の計算について見ていくことにする。
社会保険料率と計算方法について
まず保険料を計算するにあたって必要な社会保険料率というものについて説明する。保険料は簡単に計算するとしたら、
(毎月の給料)×(保険料率)=(保険料)
となる。この保険料率というのは健康保険と厚生年金、雇用保険について設定されており、それによって決まる保険料を会社と折半することになる。(労災保険については全額会社負担)
各保険料率の値は都道府県ごとに異なり、40歳以上になると介護保険料分も支払うようになるなど各個人の状況によって保険料は変わってくる。折半した後の実際に自分が負担する額を概算するとしたら、
(毎月の給料)×(0.13~0.14)=(負担額)
となる。細かいことを言うと実際の計算においては毎月の給料と置かれているところには、代わりに報酬月額の金額帯によって決まる標準報酬月額というものを用いることになる。標準報酬月額とは年に一度4~6月の報酬(賃金・給料・手当など会社から受け取る労働に対する対価のすべて)の平均額から決定され9月から翌年の8月まで適用される。
どんな時に年末調整で社会保険料控除が必要なの?
基本的に企業に勤めている人について考えるとき、社会保険料は給料から天引きされていてその際に社会保険料控除もなされているのですが、以下のような場合には年末調整で社会保険料控除が必要になる。
1.何かしらの理由で家族の分の保険料も払う場合。
2.職に就いていない間も保険料を払っていた場合。
いずれにしても企業のほうで保険料を払っているか知りえない場合で、このような場合には源泉徴収票に保険料の支払いが反映されていないので、年末調整で社会保険料控除の手続きをする必要がある。
いつの間にか給料から引かれていて社会保険料についてあまり考えることのなかった人もいたのではないだろうか?今回計算方法について話したが、実際に計算する際には保険料率は年度によって少しずつ変化していることに注意してほしい。最後に、社会保険料控除はしっかり年末調整で処理しないと損をしてしまうので気を付けよう。
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