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保険業法が改正! 正しい保険の選び方について考える

近野珠央

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:www.weirdestlaw.tk
 2014年の5月30日に改正された保険業法が、2年後の2016年の5月29日に施行される。保険は、私たちの生活の中で、もしものことがあった時のためによく検討して加入しなければならない大切なもの。

 今回の保険業法の改正によって、何が変わるのか、そして保険を選ぶときに大事なことは何なのか、見ていこう。

保険業法改正によって今までとどう変わるの?

 今回の保険業法の改正によって変わるものとして大きな項目は、保険募集の基本ルールとして、「意向把握義務」と「情報提供義務」が導入されたこと、そして保険募集人に対する規制の整備が義務づけられること、の2項目だ。

 意向把握義務とは、保険会社の側が、顧客のニーズをまずしっかりと把握し、そのニーズにあった保険プランを提案、そして最終的に顧客のニーズとプランの整合性がとれているか確認をとらなければならないということ、そして情報提供義務とは、顧客が保険に加入するか否かを判断するための情報を不足なく提供しなければならないということである。今までは提供側については、虚偽説明や重要事項の不告知などの禁止行為があげられていただけだったが、保険に関して積極的に顧客に説明していくことが必要とされるようになったのだ。

 また、保険募集人に対する規制の整備とは、複数の保険会社の商品を扱っている乗合保険代理店で保険を提供する人などに対しても、保険に関する適切な知識や顧客のニーズに適当な保険プランを提案する能力を求めるようになったということだ。今までは一つの保険会社の系列代理店によるサービスが多かったため、保険会社による人材育成や管理が行き届いていたが、乗合代理店の台頭によって個別の保険会社での管理が難しくなった。そのため、乗合代理店での環境整備をしなくてはならなくなったのだ。

保険業法改正による消費者への影響は?

 意向把握義務と情報提供義務が設けられることにより、消費者にとっては、今までよりも自分のライフプランに適した保険の選択が容易になり、さらにより多くのプランからの選択が可能になる、などのメリットがあるだろう。乗合代理店の人材・環境の整備によって、正しい保険選びをできる場所が増えるのも大きい利点であり、最終的に保険プランと自分のニーズが適合しているか確認できるというのも安心できる。強引な契約の勧誘なども減ることが予想される。

 しかしその反面、保険の相談に関して多くの時間がとられたり、理解しなければならないことが増えて煩わしくなったり、ということはあるだろう。提供側からの発信量が多くなるということは、必然的に消費者側の受信量も多くなるということであり、その分だけかかる時間や労力は増える。忙しい人にとっては、時間が今までよりかかってしまうのは痛手になるかもしれない。

保険業法改正に応じた保険の選び方は?

 保険業法改正によって、保険選びに時間がとられるようになるのは確かである。しかしそのうえで、保険を選ぶときに提示された、いくつかのプランをよく比較検討して、自分の生活に一番うまく合っているものを選ぶことが良い選び方である。

 法の改正によって保険選びの際の情報が多くなるのは大きなメリットだ。このメリットを存分に活かして、情報を丁寧に処理して、判断できるようにしたい。また、自分の将来設計、結婚の時期や就職・転職などのライフプランを自分の中である程度決めておくと、提供側は顧客のニーズにあった保険を紹介する義務があるので、より自分の求めているものに近い保障のある保険を選ぶことができるようになるはずだ。いくつかの保険を比較検討すること、自分のライフプランを持っておくこと、これらが改正後の保険選びで大切になるだろう。


 保険業法の改正によって、保険会社が発信してくれる情報量は多くなり、今まで以上に保険選びがしやすくなるだろう。しかし自分にぴったりの保険を選ぶには、自分が今後どのような生き方をしていくのか、きちんと考えておかねばならない。あくまで最後に決断をするのは消費者個人である。この改正をうまく活かすためにも、消費者の積極的な姿勢を大事にしたい。

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