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相続税の計算に必要な土地の路線価を調べよう

粕谷満子

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:pixabay.com
 相続税がかかる、となった時に、どれだけの資産を持っているのかというのはポイントになる。金銭だけでなく、当然土地や建物といったものも資産であるが、ではいったいそうした土地や建物たちはどう評価を受けるのだろうか。今回はそんな資産の計算に必要とされる路線価についてみていこう。

相続税の土地はなぜ路線価で評価するの?

 そもそも、土地の評価方法には4つの評価方法があるため、「一物四価」と呼ばれている。この公示地価(公示価格)・実勢価格(時価)・固定資産税評価額・路線価(相続税評価額)という4つの評価は、全て同じ土地に対する価格を意味しているのである。それにも関わらず金額が異なるため、多くの相続初心者の頭を悩ませてしまうようである。では、まずこれら4つの評価方法の特徴をそれぞれ順番にみていこう。

 公示地価とは、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するものである。いわば、「このぐらいの価格で売り買いするのが適正である」と国が示してくれるガイドラインのようなものということができるであろう。

 次に、実勢価格は現実に売り買いが成立した価格のことをいう。そのため、「どうしても早く売りたかったため、公示地価より安く売ってしまった」「どうしても手に入れたかったから公示地価よりも高く買ってしまった」というような、その土地に関する売り手と買い手のやりとりや実情なども、評価額に反映されてくるのが特徴といえる。

 次に固定資産税評価額だが、これは固定資産税の計算をするときに使用するものである。そのため各市町村が、固定資産評価基準という国が定めたガイドラインに基づいて、決定する。土地については、主に公示地価の約70%、建物については建築費の約50~70%が評価額となる。そしてこの評価は3年ごとに原則見直され、地価の上昇・下落などにより、評価額も上下することとなる。

 最後に路線価とは、これこそ相続税の計算をする時に使用するものであり、毎年7月1日に国税局や税務署で公表されるものである。路線価は、公示地価や実勢価格、そして不動産鑑定士というような専門家の意見も取り入れながら、およそ公示地価の80%程度を目安に決定されるものである。こうしてわざわざ相続税の計算をするために用意された、色々な評価や価格を参考にした路線価を使用するのは至極当然のことである。

 ちなみに、路線価がない地域の場合は、固定資産税評価額を基に算出することとなる場合が多い。さらに新年早々に相続が発生し、路線価がまだ発表されていないというような場合でも、公示地価を基に路線価を推算することは可能なので、大きく困ることはない。

あなたの土地はいくら?路線価の調べ方について

 簡単に言えば、実は近くの税務署へ行くと自分の土地の接道している道路の値段が記入されたもの、いわゆる路線価図を見ることができるので、自分の土地がいくらか知りたければ、それをもとに計算をすれば良いだけである。

 そのため、まず路線価を調べたくなった場合は最寄りの税務署の窓口へ行き、「路線価図を見せてください」と頼めば、誰であっても無料で見ることができる。また、最近はインターネットでも路線価を調べることができるようになっている。国税庁のホームページへ行くと、全国の7年分の路線価図と評価倍率表などが公開されている。

路線価図の見方について

 まずは路線価図左上の路線価図の年分及びページを表示している部分で時期や範囲を確認し、次にその隣の地区及び地区と借地権割合の適用範囲を示す記号を見て、さらには各路線価の右隣に表示しているA~Gの記号に対応する借地権割合を示す表も見る、という順番である。こういった形で、この3項目を照らし合わせることと、実際の1平方メートル当たりの金額を千円単位で表したものである数字、そして3項目ふまえた記号の組み合わせで、路線価は表示されている。相続のために必要な路線価図が、今どきは家にいてもインターネット上で確認でき、実際に土地の評価額を計算ができるということは、とても便利なことなので是非忘れずに活用して頂きたい。


  相続が起きる前に簡単に土地の価値を知っておくのも良いことであろう。


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