HOMEビジネス 節税効果あり? 相続税の土地や建物の評価計算について

節税効果あり? 相続税の土地や建物の評価計算について

粕谷満子

2016/02/11(最終更新日:2016/02/11)


このエントリーをはてなブックマークに追加

節税効果あり? 相続税の土地や建物の評価計算について 1番目の画像
出典:visualhunt.com
 生活していく上で必ず納めることになる税金であるが、この税金には様々な種類のものがある。一番身近な消費税をはじめ、軽自動車税や固定資産税など、様々な生活の場面で税金はかかってくる。消費税などのあまり高額でないものはさほど気にならないが、中にはかなりの金額を税金で持っていかれる場合もあるので、注意が必要である。今回はそんな高額になりうる税金の中で、相続税に関して説明していこうと思う。

土地の評価方法は?

 まず、相続税というものがどういうものなのかの説明からしていこう。誰かが死亡した場合に遺産がある場合、この遺産を親族などで相続することになる。この遺産相続の際に、相続の金額に応じてかかる税金が相続税である。遺産には預金などの他に建物や土地などの不動産も当然含まれるので注意が必要である。

 この土地を相続する場合であるが、土地の相続税の評価方法は基本的に路線価というものを用いて算出する。この路線価とは国税庁の定める土地の相続税を算出するための各主要道路の価格のことである。この路線価は毎年1月1日時点の評価から公示価格の7割から8割を目安に算定されており、国税庁により毎年8月に公表される。基本的にこの路線価を土地の面積にかけることによって、土地の評価額が決定されるのである。また、路線価の決定されていない土地もあるので、そういった土地の場合の相続税額は固定資産税評価額をもとに算出される。

建物の価値の計算方法は?

  土地の相続税の算定方法は理解していただけただろう。ここからは土地と同じ不動産の建物の相続額の計算方法に関して説明していこうと思う。建物の相続税の評価額は基本的に固定資産税評価額と同額になる。固定資産税評価額は総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市町村長が独自に価格を決定した価格をもとに決められる。

 このように建物の相続税の評価額は固定資産税評価額と同じになるのであるが、これは建て終わった建物に対するものであり、建物が建設中の場合は計算方法が異なる。建設中の場合には、建設費用額の課税時の現価に0.7をかけた額が相続税の評価額ということになる。この他にも、門や塀、庭園設備などの相続税は普通の建物の相続税の計算方法と異なるので注意が必要である。

不動産を購入することで相続税を節税できる理由とは

 さて、ここまでの説明で、土地や建物といった不動産に対してかかる相続税の評価方法は理解していただけただろう。ここからは不動産を購入することで相続税を節約できる可能性があるあということに関して説明していこうと思う。まず、なぜ不動産を購入することで相続税を節税できる可能性があるのかということを説明していこう。

 不動産にかかる税金は土地でいえば基本的には路線価、建物でいえば固定資産税評価額という、条件によって変動するパラメーターを用いて算定されている。このことにより、相続税の金額を不動産評価額が実際の価格よりも低い場合には、相続税を節税することができるということである。うまくすれば、土地は2割から3割、建物なら3割から7割ほどの相続税の減額が望めるのである。

 しかし、これはあくまでうまく不動産にして相続した場合であるので、失敗する可能性もあることを忘れてはいけない。例えば不動産を購入した後に、その土地が大規模開発などの影響で路線価や固定資産税評価額が急激に高騰した場合には、当然逆に相続税が購入した金額よりも多くかかってしまうのである。


  以上、不動産購入による相続税に節税に関して説明してきたが、いかがだっただろうか。不動産化することで相続税を節税することは可能であるが、その逆に税金を多く払う羽目になる可能性もあることを忘れないようにすべきであろう。


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード