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夫婦合わせて年金受給額どれくらい? ケース別シミュレーション

粕谷満子

2016/11/29(最終更新日:2016/11/29)


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出典:visualhunt.com
 社会に出ると納めなくてはならない年金を払っている間は、ありがたみはなく負担にしか思わないだろう。しかし、年金は退職後の生活の基本となる人が多いので、やはりきちんと収めていかなければならない。また、昨今では年金制度の今後を不安視する声も大きい。しかし、こういった状況でも年金に関してあまり深く考えている方は少ないのではないだろうか。そこで今回はいくつかの典型的な例に沿って年金受給額を調べていこうと思う。

共働きの場合の夫婦の年金受給額は?

 まず、年金の基本から説明していくが、年金には国民年金、厚生年金、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職共済制度という五つの種類の制度が存在する。代表的な国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方が収める年金になっている。これに加えて職業などによってさらに年金がかかるようになっている。また、年金がもらえる年齢は原則65歳からとなっている。

 さて、本題の年金受給額に入るが、まず共働きの場合を紹介していこう。夫婦がそろって企業に正社員として勤務していて、仮に夫婦の年金額が両方200万円程度だった場合、年金は月額30万円強になる。この年金受給額の計算は結構複雑であるため、ここでは簡単にしか説明しないが、年金加入期間と加入していた間のボーナスを含む月額の報酬の平均に一定の乗率を掛け算して算出する。

どちらかが専業主婦(夫)の場合の年金受給額は?

 さて、次は妻が専業主婦で、夫の平均月額報酬が35万円ほどだったとして試算する場合、公的年金の受給額は月23万円ほどになる。これは年間280万円弱であるため生活が非常に厳しいといわざるを得ない状況である。このように専業主婦の家庭は、共働きの家庭に比べて、10万円程度の差が出ると考えていてよいだろう。当然状況にもよるので一概には言えないことではあるが、ゆとりのある老後の生活を年金で考えるのであれば、基本的には共働きである方がいいだろう。仮に月々10万円の差があるということは、1年で120万円、85歳までには2,400万円の差ができることになるのである。こうして長い期間で金額を比較した場合、さらに差が大きく感じられるのではないだろうか。

シミュレーションから分かる老後の夫婦の暮らし方

 共働きと専業主婦の二つのケースの年金受給額の差に関しては、理解していただけただろう。ここからは、この年金受給額でそれぞれの場合において、どのような夫婦の生活ができるのかを説明していこうと思う。まず、共働きで年金受給額がつき35万円ほどであった場合は、老後も年金のみでゆとりのある生活が送れる。

 一方、専業主婦で月額23万円ほどの年金受給額であった場合にはなかなか年金のみでの生活は苦しいものになる。最低の日常生活費はまかなえるものの、それ以上のことは基本的にできないと考えた方がいいだろう。こういった専業主婦の家庭の場合には、年金をあてにするのではなく、ゆとりある老後のために、若いうちからきちんと貯蓄していくべきであろう。

 逆に共働きの家計の場合には十分な年金受給額になるため、年金をあてにしていてもそこまで問題ないだろう。このように、夫婦の労働状況によって、年金受給額とそれに伴う老後の生活がかなり変わってくるので、結婚の際に退職するのかどうかは、こういったことまで含めて検討すべきだろう。


  以上、共働きと専業主婦での年金受給額の差について述べてきたが、いかがだっただろうか。述べてきたように、家庭の働き方によって年金受給額は大きく異なり、老後の生活を左右することになる。こういったことも考慮して、夫婦で働き方を決定するようにするべきであろう。しかし、いずれにせよ、年金受給額を考えるのと同じくらい貯蓄をしていくことも重要であることは忘れず、きちんと老後に備えたいものである。


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