定期的に届くはずの「ねんきん定期便」が届かず不安に思っているあなた。
本記事では、ねんきん定期便が届く時期や、届かない場合の対処法について紹介します。
また、「ねんきん定期便」に記載されている内容も解説。年金加入者の一員として、ねんきん定期便の概要をしっかりチェックしてくださいね。
- ねんきん定期便とは?記載内容をチェック
- ねんきん定期便が届く時期
- ねんきん定期便が届かない理由と届かないときの対処法
ねんきん定期便とは?
年金に加入していると「ねんきん定期便」が定期的に届きます。郵便として届いていても、しっかり開封して中身をチェックしていない方も多いのではないでしょうか。
まずは、意外と知らない人が多い「ねんきん定期便」の概要をご紹介していきます。ねんきん定期便の記載内容から、ねんきんネットへのログイン方法まで詳しく確認していきましょう。
ねんきん定期便に記載される内容
「ねんきん定期便」は、年に一度年金制度に加入している全員に届けられる葉書もしくは封書のことです。旧社会保険庁時代に発覚した年金記録漏れをはじめとする多数の問題を受けて、改善や予防のために平成21年からスタートしました。
ねんきん定期便に記載されている内容は年齢によって異なり、50歳未満には「これまでの年金加入期間」「これまでの加入実績に応じた年金額」「これまでの保険料納付額」「厚生年金保険または国民年金における最近の月別納付状況」が記載内容です。50歳以上を超えた場合には上記の事項に加えて「老齢年金の見込額」も記載されるようになります。
ねんきん定期便は保険料の実績を加入者に確かめてもらうだけでなく、将来の年金給付や年金給付と保険料負担の関係を実感してもらう役割があります。若年層を中心に年金への興味関心が薄れている今、年金についてより深い理解を得てもらう目的もあるのです。
- これまでの年金加入期間
- これまでの加入実績に応じた年金額
- これまでの保険料納付額
- 厚生年金保険または国民年金における最近の月別納付状況
- (50歳以上の場合のみ)老齢年金の見込額
35歳、45歳、59歳には「封書のねんきん定期便」が送られる
ねんきん定期便の内容は50歳未満の方で「これまでの年金加入期間」「これまでの加入実績に応じた年金額」「これまでの保険料納付額」「厚生年金保険または国民年金における最近の月別納付状況」が記載され、50歳以上の方に「老齢年金の見込額」が前述のほかに記載されています。
また、「老齢年金の見込額」以外にも「遺族年金」や「障害年金」などの対象となった場合に、いくらくらいの年金が受給できるのかもわかるようになっている。
35歳、45歳、59歳の「ねんきん定期便」のお知らせ内容
通常の年に1度届けられる「ねんきん定期便」とは異なり、35歳・45歳・59歳のタイミングでは、年金加入記録の確認方法が記載されたパンフレットや年金加入記録回答票が送付されます。年金加入記録回答票は年金加入記録にもれや誤りがあった場合に提出するもので、不備があった場合には日本年金機構に指摘・報告できます。
35歳・45歳・59歳のタイミングで届くねんきん定期便は、記載内容も通常時と大きく異なります。過去の加入実績に応じた年金額や老齢年金の見込み額も確認できるので、しっかり中身を確認するようにしてくださいね。
- これまでの加入実績に応じた年金額
- これまでの保険料納付額
- これまでの年金加入履歴
- これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況(厚生年金保険の加入履歴がある者)
- これまでの国民年金保険料の納付状況(国民年金の加入履歴がある者)
- 老齢年金の年金見込み額(59歳以上のみ)
「厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」や「国民年金の納付状況」は該当保険の加入履歴がある人だけに記載されています。加入していたにもかかわらず記載されていない場合には、必ず国民年金機構に確認するようにしてください。
ねんきん定期便に書かれたアクセスキーで「ねんきんネット」にログインできる
毎年届くねんきん定期便には、日本年金機構のWebサイト「ねんきんネット」にログインするためのアクセスキーが記載されています。
ねんきんネットは、納付してきた年金の記録や受け取る年金の見込み額まで、幅広いメニューを自宅のパソコンやスマートフォンからチェックできるサービスです。意外と知らないことも多い年金についての些細な疑問を解消できるので、ぜひ定期的にログインしてみてくださいね。
>>ねんきんネット
ねんきん定期便を捨ててしまったときの対処法
ねんきん定期便を捨ててしまったけれど、もう一度確認したいという人もいるのではないでしょうか。
以下では、ねんきん定期便を捨ててしまったときの対処法を3つご紹介します。
自動音声受付サービスを利用する
自動音声受付サービスを利用することで、1ヵ月前後でねんきん定期便を受け取ることが可能です。
自動音声受付サービスを使用するためには、数字10桁の基礎年金番号と、生年月日が必要です。音声ガイダンスに従い、基礎年金番号と生年月日を入力しましょう。
再発行受付の電話番号は「03-5212-2243」で、土日祝日を含め24時間受付をしてくれます。
すぐに紙の資料が欲しい人は、自動音声受付サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
公式サイト:国家公務員共済組合連合会「各種通知書等の(再)発行は「自動音声受付サービス」をご利用ください」
ねんきん定期便をもう一度申し込む
住所の変更がある人は、日本年金機構「ねんきん定期便お申込み」からねんきん定期便を送ってもらう方法がおすすめです。
手続き方法は、「ねんきん定期便お申込み」にアクセスをし必要内容を入力するだけ。
申し込みをして3ヵ月程度で、自分のねんきん定期便を受け取ることが可能です。
ねんきんネットに登録する
ねんきん定期便の内容をすぐに確認したい人は、ねんきんネットに登録することをおすすめします。
ねんきんネットとは、ねんきん定期便の内容をパソコンやスマホからいつでも見ることができるサイトです。また、ねんきん定期便ではできない、将来の見込み年金額を計算できる点がポイント。
ねんきんネットの登録は、日本年金機構の「ねんきんネット」のホームページにある「新規登録」から、ねんきんネットにアクセスすることが可能です。
登録にはマイナンバーカードもしくは「基礎年金番号かつメールアドレス」が必要になります。どちらかを準備して登録してみてはいかがでしょうか。
ねんきん定期便はいつ届く?
気付くと手元に届いている「ねんきん定期便」ですが、いつ頃送付されるものなのでしょうか。
次は、ねんきん定期便が届くタイミングや届かないケースについて詳しくご紹介します。
ねんきん定期便は毎年自分の誕生月に送付される
先述したように、ねんきん定期便は平成21年から年に1度年金加入者を対象に送付されています。ねんきん定期便が送付されるのは加入者の誕生月で、誕生日当日に届くわけではありません。郵送の状況や処理によって多少のズレが生じる可能性についても理解しておきましょう。
また、12月1日や5月1日のように毎月「1日」生まれの場合は誕生月の前月に送付されます。誕生月の前に届いたからといって、誤って送付されたわけではないので安心してくださいね。
公務員や学校勤務の人にはねんきん定期便は届かない
ねんきん定期便は日本年金機構の運営する年金制度に加入している人が対象。共済年金への加入が必要となる公務員や学校勤務の場合には、当然ねんきん定期便は届きません。共済年金に加入している公務員や学校勤務の人が自分の年金に関する情報を知りたい場合は、日本年金機構ではなく加入している共済組合に直接問い合わせをしましょう。
- 毎年、自分の誕生月に届く
- 「1日」生まれの人だけ、誕生月の前の月に届く
- 公務員や学校勤務の人は共済年金に加入しているので、ねんきん定期便は届かない
ねんきん定期便が届かない理由は?
年に1度送付される「ねんきん定期便」ですが、さまざまな理由によって手元に届かないケースがあります。ねんきん定期便が届かない場合には、どのような理由が考えられるのでしょうか。
次は、ねんきん定期便が届かないときに考えられる3つの要因をご紹介します。
理由1.「住所」が原因の可能性を疑おう
ねんきん定期便が届かなかったときに、多くの場合は「登録住所との相違」が原因です。
ねんきん定期便はもともと登録されている年金加入者の氏名および住所に送付されています。引っ越しをして登録住所と現住所が異なる場合には国民年金機構に差し戻されてしまうため、加入者の手元に届かないのです。結婚・離婚・死別・養子縁組など、さまざま理由によって名前の変更があった場合も同様です。
ねんきん定期便が届かない場合には引っ越し後に住所変更手続きを行っているのか、氏名変更の申し出を行っているのかを考えてみてください。
理由2.厚生年金の場合、住所変更は会社に届け出る
「引っ越し時に年金の住所変更を指示されなかった」という方は、厚生年金に加入している可能性もあります。
国民年金の場合は住んでいる市区町村役場の国民年金担当窓口で住所変更の手続きを行えますが、厚生年金加入者は所属する会社からの届け出が必要です。住所変更の申し出後に会社から日本年金機構に住所変更を届け出られるので、まずは会社に住所変更の旨を伝えましょう。
過去に会社側に住所変更を伝えたにもかかわらず「ねんきん定期便」が届いていない場合には、会社側の不備で申請されていない可能性も考えられます。ねんきん定期便が届いていないことを報告したうえで、住所変更について問い合わせてみましょう。
- 国民年金加入者(国民年金第1号被保険者):市区役所または町村役場の国民年金担当窓口
- 厚生年金保険加入者:勤めている会社
- 会社員や公務員の被扶養配偶者(国民年金第3号被保険者):配偶者の勤め先や自治体
理由3.海外移住者には原則としてねんきん定期便は届かない
ねんきん定期便は日本国内在住者が対象となっており、海外移住者には届かないようになっています。ただし、日本年金機構のWebサイトから申請をした場合にのみ海外移住者であってもねんきん定期便が届きます。申し込み後3ヵ月以上かかるケースもあるので、注意しましょう。
- 変更された住所や氏名を届け出ていない
- 共済年金に加入している場合、会社側に住所変更を伝えていない
- 海外に移住している
ねんきん定期便が届かない場合はどうする?
年金の納付状況や今後受け取る見込み額まで記入されている「ねんきん定期便」は、非常にセンシティブな書面です。予定通り届かない場合には、年金事務所に問い合わせるようにしましょう。
最後に、ねんきん定期便が届かない場合の対処法をご紹介します。
登録している住所が正しいのか確認する
先述したように、ねんきん定期便が届かない場合の多くは登録住所と現住所が異なっているためです。ねんきん定期便が予定通りの時期に届かない場合には、登録した住所が正しいものになっているのかを確認してください。
仕事上転勤が多い方や最近氏名変更があった方は、とくにチェックしてみましょう。
届かない場合は最寄りの年金事務所に相談をする
住所変更や氏名変更がないにもかかわらず、ねんきん定期便が届かない場合にはなんらかのトラブルが生じている可能性もあります。すぐに最寄りの年金事務所に相談して状況を確認しましょう。
情報が悪用されてしまうなどのリスクを避けるためにも、そして、自分の将来や権利を守るためにも、早めに年金事務所に相談するようにしましょう。
>>日本年金機構
ねんきん定期便で、納付状況を確認しよう
- ねんきん定期便は年に1度、年金加入者の誕生月に届く
- 35歳・45歳・59歳のタイミングで、ねんきん定期便のお知らせ内容が異なる
- 公務員学校職員にはねんきん定期便は届かない
- ねんきん定期便が未着の場合は、まず住所や氏名変更漏れを疑おう
- ねんきん定期便が届かない場合は、最寄りの年金事務所に相談する
自分と周囲の人の将来を支えるための年金制度。加入状況の詳細や受け取り見込み額を知るためにも、ねんきん定期便は非常に重要な役割を持っています。
ねんきん定期便が届かない場合には、最初に住所や氏名の誤登録を疑いましょう。住所変更の漏れやミスが見当たらない場合には、大きなトラブルを避けるためにもすぐに年金事務所に相談してくださいね。
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