将来、年金が正しく受給できるのかどうか、不安な人も少なくないだろう。また、老後の人生設計を考える上で、自分がいつから年金を受給できるかどうかを知ることは非常に重要になってくる。本来なら受給できる年齢なのに、そのことに気づかず手続きをせず、受給できるはずの年金を受給していない人が多いのも問題になっている。
そうならないためにも、年金に対する正しい知識を身につけて、将来しっかりと年金を受給できるようにしよう。大人でも意外と知らないこの問題。知っておいて損はないはずだ。
厚生年金と国民年金、それぞれの年金支給開始年齢
by Yousef AlSudais まず、厚生年金と国民年金の違いはなんだろうか。厚生年金とは社会保険の一つで、健康保険とセットになって加入するもの。基本的に、サラリーマンやOLが企業を通して加入する厚生年金に1年以上加入した経験のある人は65歳から特別支給の老齢厚生年金を受給できる。現在では社会保険完備の一般企業も多く、その会社に勤めることで自動的に厚生年金にも加入できる。
国民年金とは、日本国内に住む20歳〜60歳のすべての人が加入する公的年金制度のことを指す。国民年金は1階建ての年金になっており、2階建ての年金をもらうためには、自分で付加年金や国民年金基金、確定拠出年金などを掛けなければならないのに対し、厚生年金は最初から2階建ての年金になっているため、国民年金よりもはるかに得だ。さらに、厚生年金の保険料を会社が半分負担してくれるため、年金としてもらえる金額に対して自分が負担する保険料が少なくて済むため、国民年金加入者よりも得をしている。
前述の通り、厚生年金に1年以上加入した経験のある人は65歳から特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。
世代別に分かる年金支給開始年齢
by FUMIGRAPHIK-Photographist 実は、年金は生年月日ごとに支給開始年齢が異なる。厚生年金は、60歳から64歳の時期に支払われる部分が徐々に遅れていく。例えば、昭和16年4月1日生まれの男性の場合、すべての厚生年金が60歳から受給できる。
しかし、昭和17年4月1日生まれの男性の場合、厚生年金のうち、定額部分が61歳からしか受け取りできない。ここで説明する厚生年金とは老齢厚生年金を指しており、老齢厚生年金は現在、65歳からの支給と定められている。しかし、以前は60歳から支給されていたため、支給開始年齢を徐々に引き上げているところだ。この引き上げの仕組みにより、生年月日、男女別によって厚生年金の支給開始年齢がおそくなっている。ちなみに、女性の場合は男性の生年月日より、5年間遅れで設定されている。
昭和28の4月2日以降生まれの男性は、61歳にならないと年金の受け取りができない。これらの人より生年月日が早い人たちは、部分的ではあるが、60歳から年金の受け取りができた。しかし、昭和28年4月2日以降生まれの男性からは、60歳の間は原則、年金の支給が行われない。
今後どうなる? 年金支給開始年齢の傾向と対応策について
by Ed Yourdon 2016年度に入ると、年金支給開始年齢の引き上げにより支給対象者が減少する影響で、年金支給総額は減少する可能性がある。そもそも、支給開始年齢の引き上げというものは、就労継続とともに、セットで考えられてきた。そのため、さらなるシニア世代の労働力面での活躍推進が、今後の景気を見るひとつの鍵となるかもしれない。
年金については、国中が注目しているため、今後も変動の余地がありそうだ。まだまだ先の話だからといって聞き流さず、将来的には必ず自分に関わってくる重要な問題のため、年金についてもう一度見直してみる必要がありそうだ。今後の年金制度にも目が離せない。
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