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構造とメーカーで決める「ヘッドホンの選び方」:見た目と価格だけでない、一歩踏み出す「音域の世界」

平井綾

2016/03/29(最終更新日:2016/03/29)


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構造とメーカーで決める「ヘッドホンの選び方」:見た目と価格だけでない、一歩踏み出す「音域の世界」 1番目の画像
by Βethan
 ヘッドホンの良さといえば、なんといってもその音質。最近はイヤホンをしている人が多いが、ヘッドホン愛用者も数多く存在する。イヤホンでは、比較的低音が弱くなる傾向があり、しっかりとした重低音を聞くならヘッドホンのほうが上だと言われている。

 その重低音を一つとっても、ヘッドホン売り場には様々な特徴のあるヘッドホンが並ぶ。特に重低音に特化したもの、高音もきれいに聞こえることに特化したものなどがあり、その中からのヘッドホンの選び方は難しい。

 自分に合うヘッドホンの選び方としては、実際にヘッドホン売り場へ行って試聴してみるのが良いだろう。本稿では、ヘッドホン売り場に足を運ぶ前に知っておきたい、ヘッドホンの種類と、ヘッドホンの構造・メーカー別に見た、ヘッドホンの選び方をお届けしたい。

ヘッドホンの選び方:ヘッドホンの構造は、この3種類

構造別ヘッドホンの選び方①:ヘッドホンならではの低音重視「密閉型ヘッドホン」

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出典: Amazon.co.jp
 密閉型ヘッドホンは、ヘッドホン部が完全に閉じているタイプのヘッドホンだ。外界からの音をほぼカットしてくれるため、聞こえるのはヘッドホンから流れる音楽だけである。音圧で鼓膜をふるわせるため、音の迫力が他と比べて圧倒的。外の音があまり聞こえないため、音楽に集中できるヘッドホンといえるだろう。また、聞こえ方としては、重低音がよく聞こえ、力強く感じるのが特徴。

 難点は、モデルにより程度の差こそあれ、音がこもること。密閉性が高いがゆえ、本当に細かいところまで聞こえるのがこの密閉型ヘッドホン。聞こえすぎて、逆に他と比べ音がこもってしまうこともある。そのため、密閉型のヘッドホンで長時間音楽を聞くと、少々疲れてしまうきらいもあることには注意だ。

 しかし、やはり重低音をはじめとする音の迫力は、この密閉型ヘッドホンが群を抜いているだろう。選び方として、音の迫力、そして重低音を特に重視するなら、まずこの密閉型のヘッドホンに絞り、そこから聞き比べ自分のお気に入りを見つけるのがおすすめだ。

構造別ヘッドホンの選び方②:のびやかな音質が良い「開放型(オープンエア)ヘッドホン」

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 開放型(オープンエア)ヘッドホンは、密閉型とは真逆のヘッドホンである。先ほどのように耳をすっぽり覆うような部分はなく、先ほどの密閉型のヘッドホンと比べたら音の遮断性は少々劣る。しかし、このヘッドホンの良いところは、高音域の音質である。開放型のヘッドホンは音がこもらないため、高音がよく伸び聞きやすい。重みのある重低音よりも、軽さや、のびやかさを重視しているなら、選び方としてはこちらのヘッドホンを選んだ方がベターである。

 またこの開放型ヘッドホンは、音が耳の中でこもらず聞こえるので、聞き疲れもしにくい。長時間音楽を聴くなら、ヘッドホンの選び方としては密閉型のヘッドホンよりも、こちらヘッドホンの方が向いている。

 問題点としては、先に述べた音の遮断性にくわえて重低音も、密閉型ヘッドホンに比べ、少々迫力に欠けることだ。ヘッドホンなので、ある程度の重低音はもちろん感じられるが、密閉型ヘッドホンと比べると物足りないと言える。

 密閉型ヘッドホンと開放型ヘッドホンは、ちょうど対極に位置する。重低音を重視するか、高音を重視するかが、ヘッドホンの選び方を大きく変えるだろう。重低音なら密閉型のヘッドホン、高音なら開放型のヘッドホンがおすすめなのだ。目安として、女性ボーカルの歌をよく聞く人には、開放型のヘッドホンがおすすめだ。

構造別ヘッドホンの選び方③:密閉型と開放型のいいとこどり「セミオープン型ヘッドホン」

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 先ほど、密閉型ヘッドホンと開放型(オープンエア)ヘッドホンを紹介した。しかし、両極端な二つが登場すると、大抵その中間が存在するものだ。セミオープン型ヘッドホンは、まさにその2つの中間のヘッドホン。ヘッドホン部が小さく空いているという、密閉型と開放型の両方の特徴を合わせもつ構造になっている。

 セミオープン型のヘッドホンは、重低音も高音も、良く聞こえる。しかし、どちらもそれぞれ密閉型ヘッドホンと開放型ヘッドホンには劣ってしまう。このセミオープン型ヘッドホンは、とりたてて良いところがあるわけではないが、その分悪いところもない。自分は重低音か、高音どちらを重視するか選べないという方は、とりあえずこのセミオープン型ヘッドホンを試してみてもいいだろう。

メーカー別、ヘッドホンの選び方とおすすめヘッドホン

メーカー別ヘッドホンの選び方①:オーディオ一筋で信頼感抜群「オーディオテクニカ」

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1962年創業の国内オーディオメーカー。エントリーモデルから、放送局向けの業務用スピーカーまで、幅広いアイテムを揃えています。専業メーカーとしての長年の実績が評価され、国内をはじめ、世界中で多くのオーディオファンが同社の製品を愛用しています。

出典:価格.com - ヘッドホン・イヤホンの選び方
 オーディオテクニカの中で、特におすすめしたいヘッドホンは、オーディオテクニカATH-MSR7である。洗練されたデザインと、オーディオテクニカの技術が多く詰まったヘッドホンだ。

 中低音は、厚みや重みよりもスカッとした抜けというものを重視している。これは密閉型のヘッドホンだが、女性ボーカルの高音やシンバルの音も綺麗に聞こえる。上質な音楽を楽しむことができる最高のヘッドホンの一つだ。

メーカー別ヘッドホンの選び方②:最新の技術を惜しみなく使う「ソニー」

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言わずと知れた世界的なAV機器メーカーで、同社のヘッドホンやイヤホンも、グローバルで人気を誇ります。MP3プレーヤー「Walkman」のメーカーとしても有名で、グループ企業にレコード会社もあることから、最新技術の導入にも積極的。「ハイレゾといえばソニー」といえるほど存在感を示しています。

出典:価格.com - ヘッドホン・イヤホンの選び方
 ソニーのヘッドホンでおすすめしたいのは、ソニーMDR-1Aである。新開発の機能を搭載し、低域から人間が音として感知できる周波数帯域の聞き取れる範囲を超える100Hzまでが再生される。

 また、素材を工夫することで高音もよりはっきり聞こえるのだ。これこそ、ソニーの技術が詰まったヘッドホンだ。こちらも密閉型のヘッドホンで、重低音の音質は完璧である。ソニーのヘッドホンへの思いが詰まった、満足度No.1のヘッドホンである。

メーカー別ヘッドホンの選び方③:音質の良さはピカイチ「パイオニア」

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映像、音響機器の老舗として人気を誇るオンキヨー&パイオニアのブランドです。スポーツにぴったりの防滴仕様のイヤホンから、山形県天童市の工場で職人が手づくりで製造するハイエンドヘッドホンまで、バリエーションが豊富。音質のよさでも、オーディオファンから高い評価を受けています。

出典:価格.com - ヘッドホン・イヤホンの選び方
 パイオニアからのおすすめヘッドホンは、パイオニアSE-MX9-K。クラブミュージック向けのヘッドホンとして売り出されているもの。

 こちらも密閉型のヘッドホンで、今回紹介した中でも特に重低音が迫力があり、聞きごたえがある。クラブミュージックの醍醐味である、重低音の躍動感を感じることができるヘッドホン。このスマートなデザインも、このヘッドホンの魅力である。


 今回、ヘッドホンの構造とメーカーとに分けて、ヘッドホンの選び方に参考になる情報をまとめてみた。メーカーの工夫により、重低音も高音もよく聞こえるヘッドホンが台頭している。しかし、特に重低音の重みを重視しているヘッドホンは、密閉型のヘッドホンが主流だと言える。

 良いヘッドホンは少々値が張るが、音楽を聴くとき、その値以上の感動が手に入るはず。遮断性、迫力、そしてなんといっても音質が違う。自分がよく聞く音楽にあわせて、ヘッドホンも良いものを選びたい。

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