ジョージ・ソロスという男をご存知だろうか。1992年に70億ドルのポンド売りを行い、イングランド銀行を一人で破綻させた伝説の投機家である。
ハンガリー生まれのユダヤ人で、1兆円の資産家(2006年フォーブス誌発表)であり、史上最強のヘッジファンド「クォンタム・ファンド」を設立。1969年にクォンタム・ファンドに資産1万円を投資し、ジョージ・ソロスに運用を任せれば、1997年には資産3000万円以上になっているとも言われるほど利益をもたらした伝説のヘッジファンドである。
そんなジョージ・ソロスの名言からは、国の銀行を潰すほどの未来を見通す先見性や投資で利益を上げるための物事の本質を見抜くマインドセットなど、投資に興味がある人でも、そうでない人でも学べるものがある。
ジョージ・ソロスの“物事の本質を見抜く”ための5つの名言
出典:ja.wikipedia.orgジョージ・ソロスの名言 #1:「市場は常に間違っている」
大多数の考えにはバイアスがかかっている。その価値判断は偏っており、常に間違えているとジョージ・ソロスは名言の中で説く。この大多数の意見を懐疑的にとらえる、これこそがジョージ・ソロスの物事の本質を見抜くマインドセットの要ではなかろうか。
ジョージ・ソロスの名言 #2:「間違いを認める」
自分が間違っていることを認めるというのは、容易なことではない。人は誰しも客観的と思い込んでいる主観的な意見を持ち、正論を語るからだ。だからこそ、「〜に違いない」という思い込みを撤回し、自分が間違えているということを認める強さがジョージ・ソロスの成功哲学なのだろう。自分が間違っている可能性がある、その前提に立って初めて人は客観的な視座を手にいれるのだ。
ジョージ・ソロスの名言 #3:「生き残れ。儲けるのはそれからだ」
ジョージ・ソロスの本名はゲルジー・シュバルツであったが、ユダヤ人迫害を逃れるために現在の名前に改名した。その幼少期の頃の経験から、何よりも生き残ることを最優先に考える、儲けるのはその後でいいという思想が生まれたのだろう。実際の経験値から紡ぎ出されるこの名言はシンプルながらも重みがある。
ジョージ・ソロスの名言 #4:「行動の主要概念」
ジョージ・ソロスには投機家の他にも、慈善事業を行うという側面もあった。この名言から、ソロスの活動の基礎を成す主要概念をというものをみていくとしよう。
1つ目は誤謬性。自分は間違う可能性があるということが、ソロスの行動の前提にはある。2つ目は相互作用性。表面的な情報を鵜呑みにするのではなく、それは他の現象と関わりがないのか? つまり、他の現象との因果関係を前提にソロスは行動していた。3つ目は開かれた社会。これは人々が知識についてのあらゆる主張は、原理的には誤りうるということを前提に考え、人々がより賢明に思考し、行動する社会のことである。この社会をジョージ・ソロスは理想としている。
この3つの主要概念こそがジョージ・ソロスのものごとの本質を見抜く先見性やマインドセットの基盤となっているのである。
ジョージ・ソロスの名言 #5:「成功の力」
成功。これほど強力な力はないとジョージ・ソロスは説く。あなたに実現したい社会、理想の未来があるなら、成功すればいい。そうすれば多くの人が耳を傾けてくれる。慈善事業においても成功をおさめたジョージ・ソロスだからこそ、説得力のある名言である。
投資に興味がある人もそうでない人も、ジョージ・ソロスの経験から裏打ちされた一つひとつの名言から、物事の本質を見抜くために必要なことが学べたのではなかろうか。
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