「仕事のできる人の秘訣は何なのだろう」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、トップ女性誌のひとつである『VERY』の編集長・今尾朝子さんの働き方をご紹介します。
できる人の仕事術を見てモチベーションをアップさせたい人はぜひ参考にしてください。
- これまでの今尾朝子の「頑張る」働き方
- 出産を経て今尾朝子が感じた「頑張ることへの疑問」
- 今尾朝子が結婚、出産したママたちに「伝えたいこと」
これまでの今尾朝子の「頑張る」働き方
今尾朝子さんの名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。結婚、出産を経たおしゃれなママたちの圧倒的な支持を得る、女性向け雑誌『VERY(ヴェリィ)』編集長、今尾朝子(いまお・あさこ)さんといえばピンとくる人もいるかもしれません。
今尾朝子さんはフリーライターから、女性誌『STORY』の専属ライターを経て、2007年に『VERY』編集長に就任しました。現在『VERY』は出版不況といわれる中でも、圧倒的な強さを誇り、広告収入だけでも5億に上ります。
現在の『VERY』をつくりあげた今尾朝子さんとはどんな人物なのでしょうか。
2016年1月18日(月)NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」では、そんな今尾朝子さんの思いにフォーカスした内容が放送されました。
結婚、出産を経たママたちに向けた女性誌『VERY』が発行部数を伸ばし、30代向け女性誌トップとなった裏側には、今尾朝子さんのプライベートの犠牲がありました。結婚、出産を経たママを対象に、リアルで手が届きそうな「半歩先」を提案するというコンセプトにこだわった雑誌づくりに奔走していたのです。今尾朝子さんの生活は、寝ている時間を除けばいつでも仕事の態勢でした。
雑誌編集の現場は夜型なこともあり、じんましんが出てしまい、身体の不調を経験することになったと今尾朝子さんは言います。部下が、自分のような働き方をロールモデルにしたいと思うわけがないと次第に感じるようになった今尾朝子さんは、少しずつ朝に集中して、電車があるうちに帰る日を増やす努力をするようになっていきました。
そんな流れの中、出産による10ヶ月の産休、育休を経て職場に復帰した今尾朝子さんは、これまでの働き方を大きく見直すようになったと言います。
出産を経て今尾朝子が感じた「頑張ることへの疑問」
今尾朝子さんが出産を経て現場に復帰して感じるのは、仕事と育児の両立の難しさであったようです。頑張って仕事をする女性が増えてはいるけれど、今の日本社会では、出産したママはギリギリのところでなんとかやっているだけで、この社会状況のままではよくないと今尾朝子さんは考えています。
出産を経て職場復帰をしてから、今尾朝子さんは子どもの幼稚園の送り迎えのために17時には帰宅するようになりました。今尾朝子さんは自分自身が働き方を大きく変えたことで、職場の空気も大きく変わりつつあると感じていると言います。若い人が、結婚、出産をすることに対して不安をもたないですむようにしていきたいと今尾朝子さんは思っているのです。
今尾朝子が結婚、出産したママたちに「伝えたいこと」
女性のライフイベントである結婚や出産は、嬉しいものでありながらも、仕事を続けていく壁にもなってしまうと思っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、今尾朝子さんが結婚、出産したママたちに「伝えたいこと」をご紹介します。
これまでの今尾朝子の「半歩先をいく」雑誌づくり
今尾朝子さんは自分で想像がつくことはたかがしれている、と読者調査を大事にしてきたと言います。今尾朝子さん自身が路上に立ってアンケートをすることもあれば、イベントで話を聞いてみたいと思った人に声をかけることもあったようです。
読者にとって面白いことを徹底的に追求しようとする姿勢を今尾朝子さんはもっているのです。
結婚、出産を経たママを対象に、かわいいよりかっこいい路線で、「半歩先」を提案してきた『VERY』は女性の心をとらえ、圧倒的支持を得る人気女性誌となりました。『VERY』創刊当時はまだまだ専業主婦が多かったようですが、今尾朝子が編集長に就任したころから、結婚、出産を経ても働くママたちが増えていく状況がありました。
結婚、出産した後も働くことに誇りをもつママが増えていることを肌で感じた今尾朝子さんは、それまでの控えめで可愛らしいことをよしとする主婦像から、結婚、出産を経ても働くかっこいい女性像を描く路線を打ち出したことで成功したのです。
出産を経た今尾朝子の「頑張らない」雑誌づくり
今尾朝子さんが出産のために休職している間、『VERY』は編集部の皆がそれまでの方向性に忠実な雑誌づくりを行いました。舵取り役の今尾朝子さんが不在だったため、守りの期間になってしまっていたのです。
結婚、出産を経たママたちに「半歩先」の新しいライフスタイルを提案するというコンセプトも、それが定着してしまえばつまらなくなる、と今尾朝子さんは考えます。自身が出産を経て職場復帰した今、枠から外れるくらいの新しいことをやってみようと編集部を鼓舞していると今尾朝子さんは言います。
頑張らなくても大丈夫というメッセージ
今尾朝子さんは、リアルな読者の声を大切にしています。
結婚、出産を経た読者のママたちは皆とても頑張っていて、『VERY』の世界がまぶし過ぎて疲れてしまう、という声を聞くこともあると言います。頑張り過ぎてしまうママたちに、「そこまで頑張らなくても大丈夫」というメッセージを届けたいという思いで今尾朝子さんは新たに雑誌づくりに向き合っていこうとしているそうです。
それは今尾朝子さん自身が、出産を経て育児と仕事を両立させようとする中で、思うように育児と仕事を両立させることが難しい社会状況を目の当たりにしたことが大きく関係しているのでしょう。
今尾朝子さんは、出産を経て復帰した職場において、24時間仕事態勢というワークスタイルを大きく変えました。今尾朝子さんは、職場の若手に結婚、出産に対する不安をもたないでほしいという気持ちで、出産を経た女性としてのワークスタイルを模索しながら、職場の意識を変えていっています。それは、結婚、出産を経たママたちに「そこまで頑張らなくても大丈夫」というメッセージを送りたい気持ちと同じものなのでしょう。
結婚、出産を経たママたちを対象にした『VERY』の編集長に就任したときは、今尾朝子さんも頑張り過ぎる姿勢で仕事に奔走したそうです。その努力があって『VERY』は女性誌のトップを走る雑誌に成長したといえます。また、当時増えつつあった、結婚、出産を経ても働くスタイルを選択する女性の声を敏感に拾って、かっこいい女性路線を選択した今尾朝子さんの先見性が『VERY』の成功につながりました。
その今尾朝子さんが出産を経て、自身の働き方と共にまた『VERY』を大きく変えようとしています。自身が結婚、出産を経た今尾朝子さんがこれからどんなコンセプトを打ち出し、どんな雑誌をつくりあげていくか、これからも興味をもつ人も多いでしょう。
自分がどういう働き方・生き方をしたいのか模索してみよう
- 仕事の対象である読者の需要にあったものを作る
- 今あるものを守っていくだけでは、つまらないものになってしまう
- どういうメッセージを相手が受け取りたいのかを考える
本記事では、女性誌トップ『VERY』編集長・今尾朝子さんの働き方をご紹介しました。
女性ならではのライフイベントは、仕事に向き合うのが難しくなるだけではなく、新しい視点を追加してくれるものでもあるようです。
本記事を参考に、ライフスタイルの変化も「新しい視点をもたせてくれるもの」とポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。
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