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ビジネス界の教養人が示す、君が教養人になるための道しるべ:『人生を面白くする 本物の教養』

Erika Muranaka

2016/02/14(最終更新日:2016/02/14)


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ビジネス界の教養人が示す、君が教養人になるための道しるべ:『人生を面白くする 本物の教養』 1番目の画像
出典:www.flickr.com
 君は教養人かと聞かれて、胸を張って自分は教養人だと答えることができるだろうか。一流のビジネスパーソンであれば、立派な教養人でもありたいものだ。しかし教養人とは、実際どのような人のことなのだろう。そして教養人になるために必要なことは何なのだろうか。
 
 本書『人生を面白くする 本物の教養』にはその答えがつまっている。これからそのエッセンスをいくつか紹介していこう。

『人生を面白くする 本物の教養』ハイライト

• 教養は人生を楽しむために必要なものであるが、 日本人の教養レベルは国際的には低いと言わざるを得ない。

•「自分の頭で考えること」が教養の本質である。一方で、よく考えもせずに、情報を鵜呑みにしてしまう人が多いことは問題だ。

• 時間・歴史軸である「タテ」と空間・世界軸である「ヨコ」の二次元で考えると物事の理解が深まる。また、 物事を考える際には、「国語(定性的)」ではなく、「算数(定量的)」に捉えると良い。

• 著者の教養を培ってきたものは、「本」「人」「旅」の3つである。本から50%、人から25%、そして旅から25%程度の学びを得ているそうだ。

出典:『人生を面白くする本物の教養』出口治明

教養人とは、「人生を楽しむ素敵な人」

 教養人になる方法を知る前に、教養人とはどんな教養をもった人のことをいうのかを確認しておきたい。教養人というと、堅苦しい人をイメージしてしまう人もいるだろう。しかし、教養人は人生を楽しむことのできる素敵な人のことをいうのである。

 教養人には、知識がある。教養人は、その知識を道具として手段とする。知識があることで興味の範囲が広がり、人生を楽しむ幅も広がるのである。

日本人に教養人が少ないワケ

 著者は、現代の日本人には教養人が少ないという。戦後の日本社会は、先進国に経済的に追いつくため、アメリカというロールモデルをもとに独創性を発揮する必要のないまま長年経済成長を続けた。

 そのような背景で、日本の企業では命じた通りに働いてくれる素直な人が重宝された。人々は自分の頭で考える必要がなかったのである。知識を道具として自分の頭で考えて行動するのが教養人の本質である。日本の社会の在り方が教養人を必要としてこなかったのだ。

教養人たりえない日本人の性質

 日本人は、意見を選択することができない人が多い。これは問題を真剣に考えず、勉強不足だからだ。日本人が教養人たりえないのは、このような手抜きに問題がある。手軽な答えにのろうとする風潮が強く、自分の頭で考えることができていないのである。

日本のリーダー界における教養人の必要性

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 日本にいると気づきにくいが、日本のリーダー界には教養人が少ない。グローバルビジネスにおいて重視されるのは人間力で、この人と仕事をしたら面白そうだと思わせる人間的魅力が必要である。つまりこれからグローバルに活躍する日本のリーダーたちは教養人である必要性があるのだ。

日本の学生こそ教養人をめざせ

 欧米人との差ができる原因の一つに、大学時代の学びの差があるという。読書量だけでも、欧米の学生は日本の学生の4倍となっているのだ。アメリカでは企業の採用の際に成績を重視し、学生たちの学習を促している。これからは日本の学生も豊かに学び、教養人を目指していかなければならないだろう。

教養人が求められる時代

 上でも少し触れたが、これまでの日本には教養人がそこまで求められない土壌があった。しかし現代日本の様相は大きく変化している。グローバル化する社会の中では、自分の頭で考え行動する教養人でなければ、立ち行かない時代になってきているのだ。

教養人にふさわしい思考法:3つのエッセンス

 著者は教養人になるためには、教養人にふさわしい思考法があるという。その思考法のエッセンスを3つ紹介しよう。

教養人はタテ、ヨコから考える

 時間軸であるタテ、空間軸であるヨコ、2つの視点を交えて考えると物事の本質がとらえやすい。教養人はタテの発想で先人の知恵に学び、ヨコの発想で世界の人々から学ぶのである。

教養人は国語だけでなく算数も重視する

 物事を国語的に考えると、筋道は成り立つが、どんな理屈も言えてしまうことに注意しなければならない。教養人は算数的な視点をもってデータを参照し、物事をより正確に把握するのである。

教養人はシンプルに考える

 物事の本質はシンプルである。シンプルに考えられないことは、本質を理解できていない可能性がある。教養人は何かにたとえて考えたり、修飾語を取り除いて考えたりすることで、物事をシンプルに理解しようとするのである。

教養人にふさわしい学び方:本・人・旅

 教養人にふさわしい学び方として、著者は本、人、旅からの学びをすすめている。何かを学ぼうと意識しすぎるのではなく、面白さを感じる感性を大切にするのがよい。好きこそものの上手なれである。

教養人の読書法

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 教養人になるために欠かせないのが読書だ。著者のユニークな読書法を2つ紹介しよう。

オール・オア・ナッシング

 本の冒頭こそ著者が力を入れて書いている部分である。そこが面白くなければ、先も期待できない。出だしで面白いと思ったら精読し、出だしでつまらないと思ったら読むのをやめるオール・オア・ナッシングの読書法である。

分厚い本から読む

 新しい分野を勉強するときは、分厚い本から着手し、薄い本は後回しにする。薄い入門書で概略がつかめた気になってしまうと、分厚い本を読まなくなってしまうおそれがあるからである。本格的な本から読むことでしっかりした知識を身につけた教養人をめざしているのである。


 『人生を面白くする 本物の教養』から教養人とはどんな人か、教養人になるにはどうすればいいのか、そのエッセンスを紹介した。教養人の本質は、豊かな知識を身につけ、それを道具として自分の頭で考えて行動することである。今すぐ教養人になることは難しいかもしれないが、今すぐ教養人への一歩を踏み出すことは可能だ。

 『人生を面白くする 本物の教養』を通読し、さらに深く教養人とは何かを知り、どうすることで教養人に近づけるかを自分の頭で考え、君も立派な教養人になってほしい。そうすれば自然と君のビジネスパーソンとしてのランクも上がっているにちがいない。


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