ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.590〜日本から世界的企業を!?〜」では、「日本からなぜ世界的起業家が現れないんですか?」という質問にホリエモンがガチ回答。
今回取り上げた質問は、「以前堀江さんは番組で、日本から世界的企業が出ない理由を『日本は市場が大きいから、会社が世界に出ていこうとしない』と言っていましたが、『アメリカの方が市場が大きいのに、たくさん世界的企業が出ているのでは?』と言われると『英語が関係しているんじゃない?』と答えていました。
この答えに正直納得がいきません。iPhoneを思いついたAppleや画期的な検索エンジンを発明してロボットから自動車まで手を伸ばすGoogle、世界中の人々を繋がらせるフFacebook。これらは英語じゃなくても、生み出せたと思います。世界的企業はなぜ、国内市場が世界一大きいアメリカから続々と出てくるのでしょうか? 」という質問。
ホリエモン「制度面と教育面が最大の違い!」
ホリエモンは、「破壊的イノベーションは、大企業の中からはなかなか出てこない。異端の技術者や経営者が能力を発揮できる環境がないからね。大企業で出世をするのは、どちらかというと無難な選択をする人だよ。
だから(イノベーションは)ベンチャー企業から生まれるわけだけど、アメリカの場合はスタートアップの段階でとてつもない金額が投資される。失敗する事例の方が圧倒的に多いけど、それでもパワープレイに持っていけるような額が集まるんだよね。ユニコーン企業といわれるように、未上場なのに数百億円を調達している企業もあるくらい。
経営者のマインドも、子どもの頃から周りと同じことをするべきという日本の画一的な教育では育ちにくい。資金調達と教育が整っているのが一つの大きな理由じゃないかな」と回答。
ホリエモンがアメリカから世界的企業が頻出する要因だと考えているのは、教育と投資の環境が整備されていること。起業家という選択肢は日本でもかなり認知されてきたが、それでもまだまだ「一般から外れた変わった道」だという風潮も残っている。
しかしアメリカでは、教育の段階で「人とは違うこと」が奨励される。言ってみれば、人と違うものを作り出す起業家がカッコいい職業として認知されるのだ。こうしたイメージの違いが、日本とアメリカの大きな差なのかもしれない。
アメリカには「企業家を育てる環境」がある
今回のゲストで高性能の不正ログイン防止ツールを手がけるCAPY Inc.のCEO 岡田満雄氏は実際にシリコンバレーでも活動しているが、そんな彼が痛感するのは起業家たちを取り巻くエコシステムのボリュームの違い。
まず起業家がお世話になる個人投資家(エンジェル)の数が、アメリカは桁違いに多い。続いて、VC(ベンチャーキャピタル)も1桁億程度から3桁億規模の出資まで、幅広い範囲で圧倒的な数を誇る。
また、岡田氏によればアメリカにはアントレプレナー(起業家)志望者がVCで働きながら起業を準備するEIRという制度もある。つまりは実際に起業家と触れ合える環境で起業家を育てる制度だが、日本ではまだこれもあまり一般化されていない。
要は、「起業家を支援する人たちのレンジとボリュームがとにかく広く厚いので、シードステージからサービスを拡大する馬力が全く違う」と岡田氏。起業家が起業家として育つ環境があるため、必ずしも日本のように一人で突っ走って起業家になるというわけではないのだ。
起業家を取り巻く環境は日本とアメリカで大きく異なるが、アメリカではそれが多くの人に認知され、さらに支援するための仕組みもしっかり存在する。日本から世界的企業を出そうとするなら、こうしたマインドと制度の両面を参考にするべきだろう。
ホリエモンがアメリカの起業環境を語った「堀江貴文のQ&A vol.590〜日本から世界的企業を!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!
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