モハメド・アリーー言わずと知れたボクシング界のレジェンド。世界ヘビー級王座を3度奪取し、通算19度の防衛を果たしたアメリカの伝説的プロボクサーだ。
モハメド・アリは、リング上で数々の熱い闘いを繰り広げ勝利を手にしたが、それと同時にリングの外でも自分の信念を貫き、世の中と闘い続けた。人種差別と闘い、多くのアンチと闘い、ベトナム戦争の徴兵を拒否し、アメリカの保守層と闘った。
政治的にも世論的にも、度重なる圧力をかけられながら、モハメド・アリは自分を曲げることなく、信念に基づいて行動し続けた。今回は、そんなモハメド・アリの名言と生き様から、自分を信じて勝利を手にする生き方を学んでみよう。
モハメド・アリの名言に学ぶ「人生で勝利を手にする」生き方
出典: Amazon.co.jpモハメド・アリの名言1:リスクを取れ
「リスクを取る」。言葉で言うのは簡単だが、実行するのはなかなか難しいものだ。人間は基本的に「安定」を求める。現状に満足してはいないが、死ぬほど我慢できないわけではないとき、何かを始めて成功を手にすることよりも、失敗や恥をかくことを恐れ、なかなか重い腰が持ち上がらないことがよくある。
しかし、そんなときこそ、モハメド・アリのこの名言を思い出してほしい。モハメド・アリは何の保証もない「ボクシング」という世界に身ひとつで挑み、闘い続けた。
確かに、この名言は、モハメド・アリが成功を手にしたからこそ力をもつ言葉であり、敗者がのたまわっても、なんの効力もない名言かもしれない。
それでもやはり、「挑戦」と「リスク」はセットであり、切り離せないものだということは、あなたも薄々気がついているだろう。この名言がいうように、リスクを負ったからこそ、あのモハメド・アリも伝説的な成功者として歴史に名を遺したのだ。
モハメド・アリの名言2:
モハメド・アリは1960年にプロデビュー。そのデビュー戦を勝利で飾ると、そのわずか4年後、モハメド・アリは世界ヘビー級王者のソニー・リストンに挑戦するチャンスを得る。当時、最強のハードパンチャーと恐れられたリストンに対して、モハメド・アリは絶対不利と見られていたが、あの有名な「蝶のように舞い、蜂のように刺す」スタイルで一方的なTKO勝ちをおさめた。
当時のヘビー級ボクシングは、大きな男たちの力任せの殴り合いだった。しかし、モハメド・アリはそのスタイルに流されることなく、華麗なフットワークで相手との距離を長くとり、鋭いジャブを多用する新しいボクシングスタイルで相手を圧倒した。
誰もがモハメド・アリが敗者になると疑わなかった状況で、モハメド・アリ本人だけは自分を信じて勝利を手にした。この名言は、困難に立ち向かうとき、自分を信じることがどれほど大切なことなのかを教えてくれる。
モハメド・アリの名言3:
これまでの名言でもふれてきたように、モハメド・アリは自分を決して曲げることがなかった。それがこの名言にはよく表れている。この意思の力がリング上で彼の勝利を約束していたのであるが、モハメド・アリはリングの外でもそのスタイルを貫き続けたのをご存知だろうか。
1960年に勃発したベトナム戦争。泥沼化していく戦況のなか、モハメド・アリも徴兵命令を受ける。しかし、モハメド・アリは何の罪もないベトナム人に銃を向けたくない、いかなる理由があろうと殺人に加担したくないという理由で徴兵を拒否した。
これはなかなかできることではない。何しろ政府命令である。徴兵を拒否したことで、モハメド・アリは無敗だったにもかかわらずヘビー級王者を剥奪され、ライセンスの剥奪、試合の禁止などさまざまな圧力をかけられることになった。
しかし、モハメド・アリはそれでも自分を曲げることがなかった。徴兵拒否をめぐってアメリカ政府と長期にわたって裁判を戦い、無罪を手にする。そしてリングの上でも、3年7か月ものブランクを乗り越え、実力で王座の奪還を果たしたのだ。
モハメド・アリの名言4:
出典: Amazon.co.jp 1970年代に入ると、モハメド・アリも敗戦を喫するようになる。1974年、失っていたヘビー級王座奪還のため、モハメド・アリは当時史上最高のハードパンチャーと評されたジョージ・フォアマンに挑むことになった。
全盛期を過ぎたと目されていたモハメド・アリ。しかし、圧倒的不利と見られていた状況を覆し、モハメド・アリがフォアマンにKO勝ちを果たし王座に返り咲くと、その試合が行われた地名の名をとって「キンシャサの奇跡」として語りづがれることとなる。
ベトナム戦争の徴兵拒否によって試合を禁止され、長期のブランク後で成績が不調ななかでの勝利だった。モハメド・アリがこの試合に勝てたのは、モハメド・アリに自分を肯定し、それを確信に変えていく強い気持ちがあったからではないだろうか。
自分を信じる気持ちが、どれほど夢の実現に重要なのか、改めて考えさせられる名言である。
モハメド・アリの名言5:
モハメド・アリは強かった。強いぶん、アンチも多く生み出した。「俺が最強だ」「俺が最も偉大だ」と言ってはばかることなく、注目を集めるために意図して物議をかもす発言をしたり、試合のKO勝ちを予告したりして、ひんしゅくを買うことも多かった。
しかしモハメド・アリは、いくら周囲に批判されようと、その姿勢を変えることはなかった。それどころか、「野次や怒号の中をリングにあがるのは、いい気分だ。最後は、俺の予告どおりになるんだからね」とまで言ったのである。
モハメド・アリの強さは、この名言でいうように、周囲の期待に「あえて応えない」という姿勢から生み出されたものではないだろうか。何かをするとき、周囲の批判が気になったり、周りに評価されたいという気持ちを持つのは自然なことだ。しかし、周囲を気にしている限り、新しいものを生み出したり、歴史的な勝利をおさめたりすることは難しいだろう。
最後にひとつ、明日も頑張ろうと自然に思える、モハメド・アリの名言をご紹介する。
そう。何をやっていても、あなたが満足であれば問題ない。目の前の仕事に精一杯向き合い、努力を続ければ、あなたもきっと、「世界一」の何者かになれるはずなのだ。
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