風邪で体力が落ちているとき、栄養ドリンクに頼って仕事をこなす人も多いのではないでしょうか。
意外と知られていないのが、風邪薬と栄養ドリンクを併用して飲むことの危険性です。風邪薬と栄養ドリンクは一緒に飲むと、副作用を起こす可能性があります。
そこで本記事は、風邪薬と栄養ドリンクの併用が危険な原因や、風邪をひいた際におすすめの栄養ドリンクを紹介していきます。
- 風邪薬と栄養ドリンクが併用禁止の理由は「栄養ドリンクに含まれる成分」
- 体が弱っている時の栄養ドリンクの使用は、体に負担をかけてしまうおそれがある
- 風邪のときでもおすすめの栄養ドリンクは「カフェイン」と「アルコール」が含まれないもの
風邪薬と栄養ドリンク(エナジードリンク)が「併用禁止」の理由
ビジネスパーソンとして体調が悪くても休めない……ということも多いでしょう。そのため、体調が悪いと感じたときに、風邪薬と栄養ドリンクを飲んで一気に回復を目指そうとすることもありますよね。
しかし前述した通り、風邪薬と栄養ドリンクを併用すると副作用を起こす可能性があります。副作用とは、薬を飲むことで目的とする作用とは違う作用が起こってしまうこと。
では、風邪薬と栄養ドリンクを併用するとなぜ副作用が起こるのか、原因となる2つの成分を理由とともに紹介していきます。
病院に行けないときに飲むべきは風邪薬?栄養ドリンク?
体調を崩したときは、なるべく早めに病院に行って、処方された薬を服用することがベストな対処法であることは常識です。
しかし、仕事や予定が詰まっていて病院に行く暇がないという多忙な方も多いのではないでしょうか。
病院に行けないとなると、風邪を治すために「市販の風邪薬」か「栄養ドリンク」に頼る人もいるでしょう。
はじめに記載したように、風邪薬と栄養ドリンクの併用はとても危険です。風邪薬と栄養ドリンクの両方を飲んではいけない理由は、「栄養ドリンクに含まれる成分」にあります。
風邪薬と相性が悪い栄養ドリンクに含まれる成分1:アルコール
販売されている多くの栄養ドリンクには、微量ながらアルコールが含まれているものもあります。
アルコールは薬の作用や副作用を増強させてしまう可能性ため、風邪薬を飲む際、微量であってもアルコールの摂取を避けなければいけません。
そのため、風邪薬と栄養ドリンクは相性が悪いともいわれているのです。
アルコールが「風邪薬の作用」「副作用」を増強させる理由とは?
アルコールが風邪薬の作用や、副作用を増強させる理由をもう少し詳しく確認してみましょう。
風邪薬もアルコールも、同じ代謝酵素によって肝臓で分解されます。代謝酵素とは、食べ物や飲み物を体内で消化し、吸収する際に必要な酵素です。
風邪薬とアルコールを同時に飲んだ場合、代謝酵素は先にアルコールを分解し始めてしまいます。
アルコールの処理に代謝酵素を奪われ、代謝酵素が風邪薬を分解しきれないと、用法を守ったときよりも風邪薬の成分が体内に残ってしまう可能性が高くなります。
つまり、風邪薬の成分が体内に残留しすぎてしまうために、薬の作用と副作用が増強するということです。
以上のことから、風邪薬とアルコール入りの栄養ドリンクを同時に摂取するのは、非常に危険であるとわかります。
風邪薬と相性が悪い栄養ドリンクに含まれる成分2:カフェイン
風邪薬を飲む際、アルコールと同様に「カフェイン」も同時に摂取することは避けるべき成分です。
カフェインは眠気覚ましや疲労感を回復する効果があり、忙しいビジネスパーソンはコーヒーやエナジードリンクなどカフェインを多く含む飲み物を飲まれる方も多いのではないでしょうか。
実は風邪薬には、コーヒーよりもカフェインが多く含まれるものもあります。
そんなカフェインが多く含まれる風邪薬と、カフェインが含まれる栄養ドリンクを同時に飲んでしまうと、カフェインの過剰摂取になる可能性があります。
風邪薬と栄養ドリンクでカフェインの過剰摂取をしてしまうと、そのせいで頭痛や不眠といった体調不良が起こることもあります。
過ぎたるは及ばざるが如しといったように何事も度が過ぎることはよくありません。
カフェインで体調を悪化させないためにも、風邪薬と栄養ドリンクを同時に飲むことは控えておくことがいいでしょう。
風邪薬ではなく「栄養ドリンク(エナジードリンク)」を頼る際に知っておくべきこと
風邪薬と栄養ドリンクを併用することはアルコールとカフェインが含まれているため危険だということがわかりました。
普段栄養ドリンクを飲む際には、成分を確認しない方も多いでしょう。そのため、アルコールやカフェインが入っていることに驚いた方も多いのではないでしょうか。
「なんとなく効いている気がする」という理由で栄養ドリンクを飲む方は、栄養ドリンクが身体に与える影響について詳しく確認しておきましょう。
栄養ドリンクの「アルコール」が肝臓に負担をかける
体調が悪く、なかなか調子が上がらないからといって栄養ドリンクを飲むと、逆効果になってしまう可能性があります。
風邪をひいて身体が弱っているときは、アルコールを分解する役割を担っている肝臓も弱っています。
そのため、微量であってもアルコールの含まれる栄養ドリンクを肝臓が弱った状態で摂取すると、アルコールを分解しようとするために肝臓に負荷がかかってしまいます。
風邪をひいたときはアルコール入りの栄養ドリンクを避け、しっかりと体を休ませるようにしましょう。
栄養ドリンクの「カフェイン」が睡眠を妨げる
風邪などで身体が弱っているとき、回復に必要な成分が含有されている栄養ドリンクは効果的であるように思えます。
では、なぜ栄養ドリンクを飲むと元気になったように感じるのでしょうか?
その理由は、有効成分だけではなく、覚醒作用のある「カフェイン」のため、頭が冴えたように感じるからです。
普段なら眠気覚ましや疲労回復に効く栄養ドリンクでも、風邪をひいているときはカフェインに注意しなければなりません。
コーヒーを飲むと眠れなくなるのと同様、カフェイン入りの栄養ドリンクを就寝前に摂取してしまうと、寝付きが悪くなる可能性があります。
風邪を治そうと栄養ドリンクを飲んでカフェインをとると、十分な睡眠が取れずかえって翌朝まで疲労が残ってしまうことになることもあります。
十分な睡眠時間を確保するためには「カフェイン入り栄養ドリンク」はNG
体調を回復するためには自身の免疫力を働かせることが重要です。そのためには基本的なことですが、栄養のある食事や充分な睡眠を取ることが大切です。
カフェインを取ることによって、充分な睡眠が取れなくなり、自身の免疫力を低下させてしまわないように注意しましょう。
栄養ドリンクやコーヒーなどを飲みたいときには、ノンカフェインのものを選び、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。
風邪のときに飲めるおすすめ栄養ドリンク(エナジードリンク)
風邪の際に栄養ドリンクを飲みたい人は、前述の通りアルコールとカフェインが含まれない栄養ドリンクを選ぶことをお勧めします。
しかし、ノンアルコールかつノンカフェインの栄養ドリンクを風邪をひいて具合が悪いときに探すのは大変です。
そこで次に風邪のときでも飲める、ノンアルコール・ノンカフェインの栄養ドリンクを紹介していきます。
1.大正製薬「リポビタンフィール」
風邪のときにも飲めるおすすめの栄養ドリンクの1つ目は、リポビタンフィールです。
リポビタンフィールは創業100年を越し壮大な歴史をもつ大正製薬によって発売されています。同じく大正製薬の「リポビタンD」にお世話になっている方も多いのではないでしょうか。
他のリポビタンシリーズにはアルコールやカフェインが含まれていますが、リポビタンフィールはノンアルコール、ノンカフェインのため、安心して就寝前にも飲むことができます。
また、リポビタンフィールにはタウリンをはじめ、ビタミンB1、B2といった疲労回復に有効な成分が7種類も配合されています。
サッパリしたカシスグレープフルーツ風味のため、風邪などの食欲がでないときに役立つ栄養ドリンクです。
2.ヤクルト タフマンV
風邪のときにも飲めるおすすめの栄養ドリンクの2つ目は、ヤクルト社のロングセラー栄養ドリンク「タフマンV」です。
「タフマンV」は、ロングセラー商品である「タフマン」のノンカフェイン版栄養ドリンクです。
水溶性ビタミンであるビタミンB6の栄養機能食品でもあり、高麗人参やアルギニンが含まれているうえに、ノンアルコール・ノンカフェイン。風邪を引いたときでも安心して飲むことができます。
高麗人参の風味は独特なものですが、タフマンVは甘い味に仕上げているため、飲みやすくなっています。
栄養ドリンクを飲む際は、必ず説明書を確認しよう
- 風邪のときに栄養ドリンクを飲みたいときには成分をしっかり確認する
- 風邪のときにはアルコールとカフェインは避ける
風邪は、タイミングや都合などにかかわらずに引いてしまうもの。仕事や予定が詰まっているときには、なるべく早く風邪を治すために、風邪薬と栄養ドリンクを併用したくなる気持ちになるのもわかります。
しかし、栄養ドリンクに含まれる「アルコール」「カフェイン」は風邪薬と併用することで逆効果になる可能性もあります。
風邪のときに栄養ドリンクを飲みたい方は、アルコールやカフェインが含まれていないのかよく確認して摂取するようにしてください。
※栄養ドリンクを飲む際は必ず説明書を確認し、用法・用量を守って正しく摂取しましょう。
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