過去のイノベーションに興味がある人もいるのではないでしょうか。過去のイノベーションを知ることで、自分の経験になり、革命的な成功を起こせるようになる可能性があります。
本記事では、成功したイノベーション例を3つご紹介します。「Apple社」・「仁川空港」・「ロイヤリティー・プログラム」の3例から学んでいきましょう。
- イノベーションの事例を知りたい人におすすめの書籍『How to Kill a unicorn』
- 成功したイノベーション事例1:仁川空港
- 成功したイノベーション事例3:Apple社
イノベーションの事例を知りたい人におすすめの書籍『How to Kill a unicorn』
現代のビジネスでは、「イノベーション」の必要性が声高に叫ばれています。
ムーアの法則でも指摘されているように、テクノロジーは指数関数的に成長し、競争の激しい市場においては、イノベーションが必須とされてきています。
そもそもイノベーションとは、端的にいえば新しい価値を創造することです。イノベーションを求めて、多くのイノベーション・アイデアが生まれますが、収益に結びつくイノベーションとならないまま、消え去るものも多くあります。
本『How to Kill a Unicor』の著者は、結果的にイノベーションとならなかったイノベーション・アイデアを幻の動物である「ユニコーン」と名付けました。素晴らしいアイデアでも市場に通用せず収益とならないなら、それはユニコーンなのです。
『How to Kill a Unicorn』は、そんなユニコーンをどうすればなくしていけるのか、つまり、イノベーション・アイデアをどうすれば成功させれるのかについて述べた本です。
本記事ではイノベーションが声高に求められる、現代のビジネスシーンで働くビジネスパーソンに、イノベーション・アイデアを本当のイノベーションへと昇華させた事例をいくつかご紹介します。
イノベーション・アイデアをどのように進化させていけば、イノベーションとして成功させられるのか、それぞれの事例を分析することで見つけてください。これから自分のイノベーション・アイデアをイノベーションとして実現化するときの参考にしてみてはいかがでしょうか。
成功したイノベーション事例1:仁川空港
成功したイノベーションの事例として、韓国の仁川(インチョン)空港の事例をご紹介します。
韓国の仁川空港は、世界最大のハブ空港のひとつです。そんな大きな空港で起こったイノベーションとは何なのでしょうか。
Win-Winが作るイノベーション事例
仁川空港では、冬になると誰もが厚いコートを着ています。これから南の島に向かう場合でも、かさばるコートをもって飛行機に乗り、島に着いてからホテルにコートをおいて行動しなければなりません。
コートの存在は、乗客にとっての不便だけでなく、航空会社側にも不都合をもたらしていました。搭乗の際にコートの収納に時間をとられ、時間通りに飛行機が出発できないことが多発していたのです。
そこでイノベーションとして、空港内でのコート預かりサービスを始めました。
このサービスは、乗客の不便を解消するだけでなく、航空会社側にも大きな利益をもたらしました。このイノベーション事例により、搭乗時の混乱による乗客離れや燃料の無駄がなくなり、従業員も効率的に働けるようになったのです。
仁川空港のイノベーションの成功事例を分析
仁川空港の始めたコート預かりサービスは、イノベーション事例として成功を収めました。イノベーションの成功事例として分析するなら、このイノベーションのポイントは、サービスが事業者側と消費者側、両者の課題を解決するものであったことにあります。
イノベーション・アイデアを成功事例にするには、消費者の心をときめかせるのと同時に、企業が収益を得られる状態をつくらなければならないことを覚えておきましょう。
成功したイノベーション事例2:ロイヤリティ・プログラム
2つ目の成功したイノベーション事例は「ロイヤリティ・プログラム」についてです。
ロイヤリティ・プログラムとは、一定期間忠実に利用した会員(優良顧客)に対して、インセンティブ(特典)を提供する施策のことです。
このロイヤリティ・プログラムに関わるイノベーションとは何か見ていきましょう。
新たな角度からの疑問によるイノベーション事例
世界的に有名なホテル・チェーンを運営するある大企業が、ロイヤリティ・プログラムを提供し、多くの顧客を抱えていました。
しかし、ホテル業界は類似プログラムによる顧客獲得競争が熾烈になり、この企業は新たな手を模索しました。
そしてイノベーションとして成功事例を作ったのが、業界初の顧客生涯価値(ライフ・タイム・バリュー)に着目したロイヤリティ・プログラムの開発です。
ロイヤリティ・プログラムのイノベーション成功事例を分析
このイノベーション成功事例のポイントは、発想の転換を促すための疑問を見つけ出すことです。
今までのロイヤリティ・プログラムでは、一時的かつ一方的なロイヤリティでした。しかし、人間関係の中で培われるロイヤリティに着目することによっって、よりよいプログラムが思いつかれました。「どうすればロイヤリティ・プログラムは、もっと人間同士のロイヤリティのように感じられるだろう」という疑問をきっかけに、新たなプログラムが誕生したのです。
この事例においては、現状をよく見つめ、新しい角度から考え、変革をもたらす疑問を見つけ出したことがイノベーションの成功につながりました。
成功したイノベーション事例3:Apple社
3つ目の成功したイノベーション事例は「Apple社」についてです。
Apple社といえば、イノベーションのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。また、革命的な商品を絶えず世に出せる会社の秘密を知りたい人も多いでしょう。
以下では、Apple社の成功の秘訣についてご紹介します。
Apple社の事例:どのようなイノベーションだったか
長年Apple社は、ハードウェアとソフトウェアを100%自社で管理することにこだわっていました。そしてそれは、Apple社の決定的な弱みでもありました。
しかし、デジタルハブ戦略というイノベーションによって、その弱みは強みへと変わりました。
Apple社のイノベーション成功事例を分析
PCを中心に、音楽プレイヤーやスマートフォンをスムーズに連携させるという戦略は、元々の弱みをフライ返しでひっくり返すような発想の疑問を見つけ出すことで生まれました。
ロイヤリティ・プログラムの事例と同じように、発想の転換を生むような疑問を見つけ出すことさえできれば、変革を生む答えは、自然に導きだされることがこの事例からわかります。
ただ、その疑問は簡単に見つかるものではありません。困難な問題や、最も機能していない部分を積極的に探し求め、それらを新鮮な目で見つめ続けることで隠れたチャンスを見つけられるのです。
日々の業務でもイノベーション思考を持って取り組んでみよう
- サービスが事業者側と消費者側、両者の課題を解決するものの場合革命的な成功を納められる
- 現状をよく見つめ、新しい角度から考え、変革をもたらす疑問を見つけ出す
- 発想の転換を生むような疑問を見つけ出す
イノベーション・アイデアがイノベーションの成功事例となったものを分析することで、自分もどうすればイノベーションを成功事例にできるか考えられるのではないでしょうか。
イノベーションとして成功した事例には、そのイノベーション・アイデアが素晴らしいだけでなく、成功させるためのセオリーがあります。他イノベーションの成功事例を収集し、それらの事例をこうした視点から分析すれば、よりそのセオリーが明確になっていくでしょう。
『How to kill a Unicorn』には、他にも多くのイノベーションの事例が取り上げられています。イノベーションを新しい価値の創造とするなら、ビジネスにおいて大きな規模のイノベーションに関わることがなくても、日々イノベーション・アイデアをもってイノベーションにつなげていくような仕事をしましょう。イノベーションについてもっと知りたい人は本書を一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
PDCAを効率よく回すための「セグメント分析」と「ブリコラージュ」
社会人になると、PDCAサイクルを効率良くまわす必要性について、先輩や上司に伝えられたことがある人も多いのではないでしょうか。 必要性はわかっていても、効率よくまわす方法がわからないという...
一人の時間がカギ。仕事のモチベーションを高める「サードプレイス」の5つの効果
「家では集中して仕事ができない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。 そんな人には、職場とも家とも違う場所である「サードプレイス」がおすすめです。 本記事では、サードプレイ...
手段が目的になってない?自己啓発本を読むだけで満足してしまう「キャリアポルノ」の危険性
「自己啓発本を読むのが好きだけれど、読んで満足してしまいがち」というあなたは、「キャリアポルノ」に陥っている可能性があります。 本記事では、あまり聞き慣れない「キャリアポルノ」について...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう