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魚住りえ流「話し方のコツだけで美声になる魔法」:『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』

Erika Muranaka

2016/01/31(最終更新日:2016/01/31)


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by usembassykyiv
 君は、自分の話し方について振り返ってみたことがあるだろうか。ビジネスパーソンであれば、規模の大小はあるだろうが、何かしらプレゼンをしなければならない場面に出くわすことがある。

 もちろん、プレゼンの内容そのものは大事だ。しかし、話し方がその成功の鍵を握ることもあるかもしれない。話し方次第で相手にどう伝わるかは変わる。どのような話し方をするかはそれほど大事なことなのである。

 自分の話し方について振り返ってみたことがない人、自分の話し方に自信がない人にはぜひ今回紹介する『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』を手にとってみてほしい。長年アナウンサーとして活躍した著者・魚住りえ氏が話し方のコツについて、自身の経験に基づいてまとめた本となっている。

 ここでは、プレゼンに不安を抱えるビジネスパーソンのために、『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』からプレゼンをする際の話し方のコツを紹介していこう。

話し方のコツとなる基本は声

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出典:www.flickr.com
 当然といえば当然だが、話し方の基本は声の出し方である。話し方のコツというと、ついどのような言葉をどのような言い回しでというような発想になりがちだ。話し方の基本中の基本となる声の出し方のコツから教えてくれる本書は、アナウンサーの視点ならではかもしれない。

 自分の声なんて、1つしかないなんて考えている君、実はその出し方は様々にあるものだ。どんな場面で誰に向かって話すのかで、声を使い分けるのが上手な話し方のコツとなる。そしてちょっとしたコツで、声も話し方も劇的に変わるものなのである。

 今まで無意識にやっていた声の使い分けをコツをしっかりつかんで、意識的にできるようになれば、あなたのプレゼンにおける話し方は相手に格段に伝わりやすいものになるだろう。いい声を出すためのコツを3つ紹介する。

いい声を出すコツ ①呼吸の仕方

 プレゼンでは緊張してついついうわずったような話し方になりがちだ。か細い声で弱々しい話し方をしてしまっている人も少なくないのだろうか。プレゼンをするときにしっかり相手に伝わる話し方をするためには、力強く安定感のある声を出すのがいいだろう。

 そのためのコツは腹式呼吸にある。腹式呼吸で声を出すと、力強く安定した話し方になるだけではなく、 のどが枯れにくくなって、リラックスして落ち着いた話し方にもなる。

 腹式呼吸で声を出すコツを習得するために、まず腹式呼吸をマスターしよう。壁に背をつけ、お腹に息を入れるように吸ったり吐いたりする。慣れてきたら、腹式呼吸を使いながら声を出すトレーニングを取り入れていくといい。

いい声を出すコツ ②声の響かせ方

 プレゼンでは人が聞き取りやすい話し方に気をつけたいものだ。聞き取りやすい話し方をするために、人が聞き取りやすい響きの声を出すコツを紹介しよう。そのコツは声の響かせ方である。体のどこで声を響かせるかで声の高さは変わる。実際に体を触ればどこで声を響かせているかは簡単に分かる。

 例えば、鼻先に指を当てて、高い音から低い音まで口を閉じたままいろいろな高さでハミングをしてみると、 ちょうど鼻先が震える高さがあることに気づく。 これが、人が聞き取りやすい響きの声になる。

 プレゼンによっては、エネルギッシュな話し方が求められることがあるかもしれない。そんなときは、頭やおでこに手を当ててハミングしたときに震える高さがちょうどいい。

 それぞれの場面に適した声の響かせ方を意図的に使い分けるのがコツなのである。

いい声を出すコツ ③滑舌

 滑舌はもともとのものだと諦めている人はいないだろうか。滑舌もコツをつかめば、トレーニング次第でよくなる。顔の筋肉の動きをよくすることがコツである。口の中で舌を動かしたり、口を動かしたりすることがトレーニングになる。プレゼンにおいて、滑舌のよさは伝わりやすさにも直結する話し方のコツになるといえる。

話し方のコツ:声の高さ×話すスピード

 これもまたアナウンサー独自の視点といえるような話し方のコツである。声の高さと話すスピードの組み合わせで話し方のイメージが変わる。高い声×ゆっくりだとおおらかで母性的な母性的なイメージ、低い声×早いだと信頼感や明晰といったイメージといった例が挙げられる。

 例えば大勢の聞き手がいるプレゼンのときは、始めは高い声で注目させ、中間は低い声で心地よく聞いてもらい、終わりはまた高い声で元気よく締めるというメリハリをつける工夫が考えられる。

 声の高さと話すスピードはプレゼンの印象を左右する。話し方のコツとして、意図的に声の高さや話すスピードを変えられるようになることが重要になってくる。そしてそのコツをうまく使って、プレゼンの場面に合わせ、それぞれの規模や目的にあった話し方ができるようになれるとよい。

声の高さをコントロールするコツ

 もともとの声の高さを大きく変えることなんて難しくてできない、と嘆くのは早い。そんな君に声の高さをコントロールするコツを教えよう。

 声が低めの人は口角を上げ、口を横に開きながら話す話し方で声が明るくなる。高い声の人でもっとゆったりとした話し方にしたいという場合は、のど仏のあたりから声を出すように発声してみると低めの落ち着いた話し方になる。

話すスピードをコントロールするコツ

 話すスピードをコントロールするのにもコツがある。話し方が早い人なら言葉をはっきりと発音することを意識するとよい。話し方が遅すぎたり噛んでしまう人なら、口まわりの筋肉をほぐすトレーニングをすると改善されるだろう。

人の心を動かす話し方のコツ

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出典:www.flickr.com
 プレゼンでは聞き手の心を動かさなくてはならない。人の心を動かす話し方にもコツがある。そのコツとは強調、抑揚、メリハリを上手く駆使することだ。この話し方のコツを習得するには朗読練習が最適である。朗読は聞き手がいることを想定して相手に伝わるように読むものだからだ。

強調、抑揚、メリハリといったコツを習得するための朗読練習

 話し方の練習をするためなので、朗読練習に使う文章は話し言葉に近いものがよい。文章を黙読して意味をつかんだ後、音読しながら強調したい言葉を選んで文章に印をつける。この印をもとに話し方に抑揚もつけてみる。

 大きな声で読めばキーワードは強調される。キーワードの前にポーズを置くことでメリハリをつけることもできるだろう。実際に朗読してその話し方を人に聞いてもらったり、録音して自分で確認しながら繰り返すとコツが分かってきて上達していくに違いない。

大勢を前にしたプレゼンにおける心構え、話し方のコツ

 プレゼンで大勢の前で話す場合、緊張しすぎて失敗することがある。本番前まではいい緊張感をもって、始まってからは腹式呼吸で気持ちを落ち着かせるのがコツだ。本番で落ち着いてプレゼンができるよう、プレゼンをする会場を下見しておくのも効果的である。
 
 緊張するのは悪いことではない。緊張感がなさすぎると、かえってだらけてよくないこともある。いい緊張感を保つことがプレゼンを成功させるコツだ。本番では、全員にいい反応を求めず、数人に向かって話すつもりの話し方で大丈夫だ。原稿を持ち込んでも良い。プレゼンに慣れてくれば、その場で感じたことをおりこみながら話すとよい。朝のニュースで仕入れた情報、会場の入口にあったものなどを織り交ぜれば、アドリブ感が出る。


 どうだっただろうか。以上『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』からビジネスパーソンのために、プレゼンの際に役立つと思われる話し方のコツをいくつか紹介した。話し方のコツというと、言葉の使い方や言い回しばかりが取り上げられることが多い。しかし本書はアナウンサー独特の視点で、声そのものの出し方のコツ、話し方のコツにまで言及がある。

 声の出し方のコツは確かに意識すれば、すぐに取り組めるものばかりで、場合によっては1日で話し方に劇的な変化をもたらしてくれるかもしれない。

 『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』では上で紹介したコツを習得するためのトレーニング方法がより具体的に書かれていたり、プレゼンに限らず、様々な場面での話し方が向上するためのコツが豊富にまとめられている。ここでは独自の視点を紹介するため、声の出し方のコツを多く取り上げたが、それ以外の話し方のコツも多く学べる。

 プレゼンでの話し方にだけに限らず、ビジネスパーソンの話し方がビジネスの鍵を握る場面は多い。本書に書かれた話し方のコツを習得できれば、君はワンランク上のビジネスパーソンになっているに違いない。ぜひ手に取って読んでみよう。


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