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リーダーシップはスキルとして磨ける。『英国超一級リーダーシップの教科書』で一流リーダーへの一歩を

Erika Muranaka

2016/01/12(最終更新日:2016/01/12)


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リーダーシップはスキルとして磨ける。『英国超一級リーダーシップの教科書』で一流リーダーへの一歩を 1番目の画像
出典:www.flickr.com
 仕事においてあなたはどのような立場にあるだろうか。既にリーダーとして活躍している人もいるかもしれない。あるいは、これからリーダー的な立場になっていく人も少なくないだろう。リーダーシップをうまくとっていくにはどうすればいいか、そのような悩みに直面することがあるかもしれない。

 本記事では、リーダーシップをスキルとしてとらえ、後天的に高めていくことができるものとして、リーダーシップの具体的スキルやリーダーシップのスキルの高め方、自分のリーダーシップスキルを測定するためのチェック方法などが書かれた『英国超一級リーダーシップの教科書』を紹介する。

 『英国超一級リーダーシップの教科書』の著者は、リーダーシップスキルを高めるためのプログラムを考案した第一人者である。彼が開発したリーダーシップスキルを高めるためのプログラムは、世界中の100万人を超える経営者や管理者に受講され、支持され続けている。彼のリーダーシップスキル向上プログラムを受けることで、負債まみれだった会社を業界トップクラスカンパニーへと転身させたリーダーが生まれた事例もある。

 リーダーシップを一つのスキルととらえ、それを磨く方法が指南された本書から、そのエッセンスをいくつか取り上げてみよう。一流のリーダーになるためのあなたの一助になればと思う。

リーダーシップスキルを高める3つのアプローチ方法

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 著者はリーダーシップスキルを高めるためには、3つの異なる観点からアプローチしていくことが必要だと考えている。そのリーダーシップスキルを高めるための3つのアプローチ方法を紹介しよう。

リーダーシップスキルを高めるために ①資質

 まずリーダーシップスキルを高めるためには、普遍的な資質が必要だ。資質というと、やはりリーダーシップはスキルではなくもともとの適性ではないか、と思うかもしれない。しかし著者はこれらリーダーシップスキルを高めるための資質は後天的に開発しうるという。
 
 その資質は次の7種類である。

やるべきことに立ち向かう「熱意」
人々の信頼をつくり出す「誠実さ」
立ち直りが早く、粘り強くもある「タフネス」
メンバーの成果に対して公平に処遇を与える「公明正大」
人への気配りや思いやりを包含した「温かさ」
うぬぼれを排除して、他者の意見に耳を傾ける「謙虚」
自信過剰にならない程度に自信を持つ「信頼」

出典:『英国超一級リーダーシップの教科書』ジョン アデア著
 著者は各資質について、自分で成長の進捗度合いを測ることをすすめている。

リーダーシップスキルを高めるために ②知識

 次に著者はリーダーシップスキルを高めるアプローチ方法として、知識を重視する。技術的、専門的知識は権威に結びつき、他者の信頼を生み出す。絶えず状況変化が起きる仕事の領域で知識を高め、柔軟性を保つことがリーダーシップスキルを高めることにつながる。

リーダーシップスキルを高めるために ③ファンクション

 3つ目にリーダーシップスキルを高めるために必要なのは、行動を起こすこと=「ファンクション」だと著者は考えている。ファンクションは、実践、学習、経験、振り返りを繰り返すことで高めていくことができる。

 それでは具体的にリーダーシップスキルを高めるファンクションとはどのような行動を起こすことだろうか。以下で説明していこう。

リーダーシップスキルを高めるファンクションとは何か

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 リーダーシップスキルを高めるために必要なファンクションとは、グループの欲求に応えるファンクションである。仕事のためにつくられたグループには必ず3つの共通する欲求が存在する。

 1つ目はグループで共通のタスクを達成させたいと思うタスクの欲求。2つ目はグループの中で、良い相互関係を持とうとする集団維持の欲求。3つ目はグループの中で、自分を高め、他者に認められたいと思う個人に生じる欲求である。

 リーダーシップスキルを高めるためには、これら3つの欲求に応えていくファンクションが必要なのである。リーダーシップスキルとしてのファンクションとなる行動の中から、筆者が主要だと考える8つのファンクションを紹介しよう。

リーダーシップスキルとしての主要なファンクション8つ

リーダーシップスキル ①タスクを明確にする

 タスクを明確にするとは、グループのメンバーの考え方を1つの目標で束ねるためのファンクションとなる。明快で具体的な達成期限を持ち、評価可能で現実的に挑戦可能な目標にすることが必要だ。「何をすべきか」だけでなく「なぜすべきか」を伝えることも重要である。

リーダーシップスキル ②計画する

 計画するとは、いつ、誰が、何をどのようにするかを明確にし、グループの意欲を向上させるためのファンクションだ。ここでポイントになるのは、計画策定においてどこまでリーダーが関わり、どのくらいグループに委ねるかということだ。計画策定に使える時間とメンバーの能力を考慮する必要がある。

リーダーシップスキル ③要約する

 要約するとは、グループに対して目的や計画の要点を的確に伝達するファンクションである。グループに対してリーダーが自分のビジョンや気概をしっかりと共有してもらうために、できるだけシンプルな言葉で、ユーモアや熱意をもってメッセージを語ることが求められる。

リーダーシップスキル ④統制する

 統制するとは、グループの自由に使える資源を確保し、グループの歯車を回すためのファンクションである。リーダーは、グループのメンバーの自律に委ねつつも、個々に指示を与え、規制し、勇気づけるという役割を果たさなくてはならない。

リーダーシップスキル ⑤評価する

 評価するとは、リーダーの意思決定において重要な役割を果たすファンクションとなる。グループを成長させるためには、パフォーマンスが高くて理想的なチームの目標を設定することが必要だ。リーダーはグループが掲げた目標に向かって進めているかどうかの評価を下す。

リーダーシップスキル ⑥動機付けする

 動機付けするとは、経済的報酬や制裁を組み合わせたり、他者の内在する欲求に応えたりすることで他者を動かすファンクションだ。リーダーは個々がもつ欲求に寄り添う必要がある。そのうえで公平な評価と報酬を与えなければならない。

リーダーシップスキル ⑦組織化する

 組織化するとは、メンバーがグループの中で正しい役割を果たせるよう、全体の整合性を生み出すファンクションだ。組織運営の中ではシステムを上手く機能させながら、運営状況をしっかり把握しておくことが必要となってくる。

リーダーシップスキル ⑧模範となる

 模範となるとは、グループをリードしていくために有効となるファンクションである。リーダーの行動が良い模範となっているかどうか周囲は常に判断している。優れた模範となるために3つポイントがある。

 リーダーが現場のことをよく分かっているか、グループの規範を発展させ続けているか、個々メンバーの役割をきちんと考慮しているか、である。さらにこれらを習慣化させ、無意識に模範となる行動がとれたとき、真のリーダーシップスキルを手に入れたということができるだろう。
 

  いかがだっただろうか。ともすれば、リーダーシップをとるにはもともとのリーダーとしての資質が関係すると考えられがちで、うまくいかないときに、自分にはもともとリーダーの資質がないのだと考えてしまうことがある。

  しかし『英国超一級リーダーシップの教科書』を読めば、リーダーシップを一つのスキルと考えることで、それは後天的にでも十分に開発されうるものだと分かるだろう。リーダーシップが一つのスキルであるとすれば、自分の立場がリーダーでない場合でも、うまくそのスキルを使って仕事を円滑に進めていくことも考えられる。

  『英国超一級リーダーシップの教科書』を読んで一流のリーダー、ビジネスパーソンを目指してほしい。



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