出典:www.economist.com
ビジネスにおいての成功というのは色々な形があるだろうが、「ビジネスと成功」というワードを聞いて、まず思い浮かべられるのは「起業家としての成功」ではないだろうか。
起業して小さい会社から始まり、大企業にまで成長させる、そういったサクセスストーリーこそがビジネスにおける成功の象徴だろう。柳井正は、会社を継いだため起業こそしてないものの、広島のユニクロ1号店から始まり、今や世界中に店舗を構えるにまでに同社を成長させたファーストリテイリング社長・柳井正は、日本でも指折りの経営者であり、まさにビジネス成功者である。
柳井正はこれまでどのような考え方で、ユニクロ以前からすでに競争の激しかったアパレル・ビジネスで成功を収めたのか。
柳井正の過去の発言を参考に、そのビジネスの成功秘訣を探っていきたい。
柳井正流ビジネス成功術「行動して、そして考える」
過去に柳井正はこのような発言をしている。ここからは、柳井正の頭を動かす前に体を動かすという考え方が読み取れるだろう。
起業するということ自体、新しい自分へのチャレンジである。こういった新しいことを始める前に、人はどうしても“考えなければ”と思いがちである。考えること自体は必要であるが、その効率を考えてみよう。
行動を始める前に考えるということは、始めるにあたって何が必要か考えるという曖昧な状況である。考えるにしても何から考えれば良いのかもわからない。そのような状況で考えても、ビジネス上、その考えは自分にとって不必要なものである可能性も高い。
一方で、先に行動した場合、必ず壁にぶつかる場面が出てくる。その壁にぶつかった際に、それを乗り越えるために考えるのであれば、それは自分にとっても必要な考えであるし、課題が明確化するので効率が良いのだ。そういった意味で、ビジネスを成功させるには、考えるよりも先に行動する方がベターな選択なのではないだろうか。
柳井正流ビジネス成功術「失敗していい、恐るべきではない」
考えるよりも行動、これを難しくさせる大きな要因は“失敗への恐れ”だろう。この“失敗”に対しての考え方が、ビジネスの成功者・柳井正は特質であるといえる。柳井正はビジネス上の失敗に対しての考え方を様々述べているが、失敗に対しての恐れはない、むしろ失敗を歓迎している、という点では一貫している。
ビジネスにおいて何かに挑戦するとき、成功するか失敗するかは、行動する前には決してわからないものである。その状況において、失敗を恐れるのであれば、それと同時に成功の喜びも持つべきではないだろうか? 失敗を怖がり、行動しないのであれば、それは成功のチャンスを逃している可能性もある。
失敗の恐れをなくすというのは簡単にできることではないが、その先にある成功の可能性を考えることができれば、ビジネス上でより“考えるより先に行動する”という意識に繋がるだろう。
柳井正流ビジネス成功術「目標は具体的に」
行動の重要性をこれまで説明したが、ビジネスで成功するにあたって、行動の前に目標は定めねばならない。目標が決まっていなければ、行動しようにもどこに進めば良いのかわからなくなってしまうからだ。だから、目標は自身が進む方向を定めるために必須なのである。
ここでの目標の役割は、自身の行動の方向付けということになる。ということは、目標は抽象的であってはならないのだ。抽象的な目標は単なる目標という形だけのものになってしまい、方向付けの役割を持たなくなってしまう。その意味で、柳井正はビジネスにおいて目標に具体性を求めるのだろう。
具体的な目標を立てるポイントとして、数字をうまく使うのが有効だ。20xx年までに○○○○万円の利益をといったように、目標に数字という具体的な事実情報を入れることによって、ビジネスの成功として具体的にどこを目指すのか、という明確な場所が見えてくるのだ。
その目指す場所が定まったならば、あとはそこから逆算して、一つひとつ行動をしていけば良い。このように、行動の前に具体的な目標を定めることがビジネスを成功に導くための軸になってくる。
柳井正流ビジネス成功術「失敗は積み重ねるもの」
方向が定まり、失敗への恐れが和らいだ中で考えるべきは、失敗の仕方だ。行動はなるべく細かく細分化して行うと良い。柳井正はビジネス上では、失敗にも種類があることを示唆している。
それはつまり目標から行動への逆算をなるべく細かくすることだ。そうすることで、リスクも小さくなるので、“小さな失敗”になり、行動しやすくなる。また、細かい単位で成功か失敗か分かるので、その後の展開につなげやすい。
一方で、新しいビジネスに対して大きな行動を起こし、失敗した場合はどこが良くてどこが悪かったのか、要素がありすぎて把握できない。
フィードバックがあってこその失敗なので、なるべく小さな失敗をかさねることで、成功に近づけていく方が遠回りに見えて、結果的にビジネス成功への近道となるのだ。
柳井正流ビジネス成功術「失敗を確認したら、即撤退」
ビジネス成功者の柳井正は、実際に新しいことに対して行動を起こし、失敗してしまったと確認したら、その時は即座にその行動をやめ、次の行動に移るべきであるとしている。
小さい失敗多く積み重ねるべきだとしたが、小さい失敗を多くするということは、その分だけ行動の数が増えるということである。その代償に、時間がかかってしまう。その時間を少しでも削減するために、失敗してしまったものを再度確認するという作業よりも、別の行動に移るべきだとしている。
行動して起こった小さな失敗は、即座に受け入れ、他の成功の可能性のある方にシフトした方が良いということである。もちろん、できる限り細分化した行動をやり尽くしたうえで、時間に余裕があるのであれば、失敗の再確認はビジネスにおいて有効であろうが、まだまだ新しい行動があるのであれば、そちらを優先すべきだろう。
柳井正流ビジネス成功術「成功しても疑い続け、止まらないこと」
出典:www.zimbio.com ある程度成功を重ねてきても、満足して行動をやめない。世の中は絶えず変化をし続けているので、ビジネス上の過去の正解が今日の正解ではなくなっている可能性もある。
そういった周りの状況とのギャップが大きくなる前に、過去の成功にも常に疑いの目を持って変化を拒まない。このような意識を持っていたことで、柳井正率いるファーストリテイリングは、短期的な急成長を見せるにとどまることなく長期にわたって成長を続けていられるのだろう。
ビジネスが成功さえすれば、安定した状況という“ゴール”に到達するというイメージとは裏腹に、実はそこにゴールはなく、人や状況が刻々と変化する限りにおいては、行動を絶えず続けなければならないものなのである。
そこには失敗の恐れはない。成功を発見するまでも、そして成功を発見した後も。最後に、ビジネスでの成功者・柳井正の精神を表す名言を紹介したい。
おそらくビジネスの成功とは、失敗に対して上手く向き合い、恐れることなく新しいことに行動し続けることの結果なのだろう。
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