「仕事上の人間関係が上手くいかない」という悩みを持って、今日も仕事に取り組む人見知りの社会人は少なくないだろう。また、この悩みと共に、「本当はもっと仕事上の人脈を広げたい」「職場でもっと目立った人になりたい」という願望も持ち合わせている人もいるのではないだろうか。しかし、その願望を満たせるだけの勇気がなかなか出てこないだろう。
仕事上で広い人脈を持った存在感のある人は、必ずしも人見知りではないわけではない。よく視野を広げてみると、人見知りでも何となく存在感があって、みんなから愛されている人は仕事関係の場で、存在していないだろうか。そのような人見知りの人は、一体どのようにして、みんなから愛される存在として、仕事上の広い人脈を持つようになったのだろうか。
そこで今回は、金澤 悦子氏の『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』を取り上げたい。実際に、著者の金澤氏は、かなりの人見知りでありながら仕事で結果を残してきた、人見知り界のスターとも言える金澤氏から、人見知りでも仕事上の人脈を広げることができる3つの習慣を学んでいこう。
①人見知りが知り合いを増やすための習慣
まず、人見知りが頭の中で思い浮かべるべき言葉は、「人見知りは私だけではない」ということである。仕事関係のパーティーといった場では、参加者全員を知っている人は主催者くらいしかいないのだ。つまり、周囲の人を知らないのは自分だけではないということを認識することが、人脈を広げられる人見知りの第一歩である。さらに、自分と同じ人見知りを探すことが重要である。
ここで、同じ人見知りの仲間を見つけられたら、人見知りの相手のことを色々と質問することで知る。その知り合った人見知りの仲間を別の人へと他己紹介することで、人見知りと他の誰かを繋ぐパイプの役割を果たす。そうすると、人見知りの仲間から感謝されるだけではなく、自らがパイプとなった関係が広がっていき、広い人脈となる。この行為を繰り返すだけで、その仕事上のパーティーにおける人見知りの自分の存在感は大きなものとなる。
仕事上の知り合いを増やすことができたら、いよいよ人見知りであっても、自己PRをしなければならない。自己PRこそ、人見知りが仕事においても最も苦手とする行為である。あえて、ここでは相手に高い期待値を持たせないようにしよう。最初にハードルを上げてしまっては、いずれ好感度は下がってしまう。しかし、長くありのままの人見知りの自分で付き合っていった方が、徐々に好感度は上がっていくのだ。人見知りは、第一印象は二回目以降でも挽回できるというスタンスを持っていればいいのだ。
②存在感の大きい人見知りになるための習慣
出典:www.cbc.ca 例えば、仕事上の知り合いから仕事のイベント告知の連絡がきたとしよう。そのイベントの日程がどうしても都合が合わなくて、断りの連絡を入れなければならない。こんな時は、人見知りの自分が仕事における存在感を発揮するチャンスだと認識しよう。
ただ断るだけならどんなに人見知りでもできるだろう。しかし、ここで断るだけではなく、主催者に感謝や応援の言葉をかけて、他の仕事上の知り合いにこのイベントを告知したらどうだろうか。たとえ、その仕事のイベントに行けなかったとしても、人見知りのあなたは抜群の存在感を発揮し、主催者にも感謝されるだろう。
また、仕事上の知り合いとの関係をより深いものにするのに欠かせないのが、「何を聞き出そうか」という視点を持つことである。仕事上の商談で、相手が最も関心のあることが何なのかということを知っているだけで、その商談は成功しやすくなる。それを知るためには、相手と特徴にまつわる話であったり、季節ごとにある話題を出してみるといい。ささいな話題で話したことを覚えているだけで、人見知りでも、相手に強いインパクトを与えられる。
③愛される人見知りになるための習慣
出典:www.businessreviewusa.com 著者が仕事を引き受けるかどうかの判断基準として、「幸福度」というものがある。その仕事を引き受けることで、自分にどんなメリットがあるのか、自分の価値観を基に考えるというのだ。また、人間関係においても同じ基準で考える。その基準で考えることで、心身共に健康でいられるからだ。人見知りだからこそ、自分の価値観に基づいた人脈作りが重要なのである。
人見知りであってもなくても、仕事を円滑に進めるためには、人から嫌われないことは重要である。仕事上の関係の人達に普段から感謝を伝えることを仕組み化してしまうことが一番効率的である。つまり、何かしら人のためになる行動をシステムとして実行に移していくということだ。このように、仕事上の人間関係を大切にしていくことで、自己肯定感も高まるし、周囲の仕事上の付き合いのある人から愛されて、サポートされる人見知りとなることができるのだ。
人見知りであることで、仕事以外の多くのことにも悩んでいた人は多かっただろう。そういった人達はまず、人見知りをマイナスであると捉えるのではなく、著者の金澤氏のように人見知りをプラスに変える方法を考えるべきだろう。人見知りでも意外と、日常のささやかな習慣で仕事でも人脈を広げられることを知った人見知りの人は、明日から職場の名脇役として仕事で活躍していくに違いない。
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